全高155mmの迫力あるサイズ感での立体化です。
今回は6月28日に発売の最新プラモデル「HG アシュセイヴァー」をレビューします。『スーパーロボット大戦A』のリアル系主人公機体がHGで待望の立体化です。BANDAI SPIRITSは、2021年の「HG サイバスター」から始まり、『スーパーロボット大戦OG』シリーズとしてスパロボオリジナル機体をプラモデル化してきました。その最新作が「HG アシュセイヴァー」となります。
特殊任務実行部隊シャドウミラーが運用するアサルトドラグーン
今回キット化された「アシュセイヴァー」の初出は2001年に発売されたゲームボーイアドバンス用ゲームソフト『スーパーロボット大戦A』です。ゲームスタート時に選択可能な主人公機として登場しました。リアルロボット系主人公機として登場したアシュセイヴァーは、運動性と移動力が高い機体としてソードブレイカーを始めとした様々な武装で戦います。
手持ち武装はガンレイピアも付属します。
シリーズ恒例となるアクションベースが付属した豪華キット
本キットのパーツ構成はこれまでの『スーパーロボット大戦OG』シリーズキットと同様にアクションベースが付属した豪華キットとなります。また、本キットには小型飛行砲台であるソードブレイカーが6機付属するため、これに合わせディスプレイベースも付属します。
アシュセイヴァー用アクションベースだけでなくソードブレイカー用ディスプレイベースも付属します。
HGブランドらしく組み立てやすさと色分けを両立させたキット
本キットのパーツ構成はこれまでに発売されたHGブランドキットと同様に組み立てやすさと色分けを両立させたキットです。ランナー構成はこれまでのBANDAI SPIRITS製キットと同様にAランナーは多色成形ランナー、その他のランナーは単色成型となります。また、付属するアクションベースとディスプレイベースはクリアカラーのベースが付属します。
「HG アシュセイヴァー」のパッケージにはソードブレイカーを使用するアシュセイヴァーがデザインされています。
Aランナーは多色成形ランナーであり、ハンドパーツや武装を構成します。
B1ランナーは関節等を構成しており、KPS樹脂による成型となります。
B2ランナーは一部B1ランナーと共通パーツとなっており、KPS樹脂による成型となります。
Cランナーは脚部装甲等を構成します。
D1ランナーはソードブレイカー等を構成し、同一ランナーが2枚付属します。
E1ランナーはライトブルーで成型されており、外装パーツ等を構成します。
E2ランナーは一部E1ランナーと共通パーツです。
一部色分けはシールによる色分けです。また、サーベルエフェクトパーツはクリアブルーで成型されます。
BA-16ランナーはソードブレイカー用ディスプレイベースを構成します。また、同一ランナーが2枚付属します。
アクションベースは「アクションベース7」が付属します。
センサー部はメタリックカラーシールで再現された頭部パーツ
本機の頭部は側頭部のイエロー部分、ツインアイ、センサー部分がシールによる色分けです。首関節部分にはスイング可動が搭載され、大きく上を向くことが可能となる構造となります。
パーツ状態での頭部。全11パーツ構成です。
完成した頭部パーツ。首関節にスイング可動が搭載されます。
引き出し式関節により可動域を確保する胴体パーツ
胴体パーツの構造は腕部パーツとの接続部分に引き出し式関節を採用した構造です。また、胸部固定武装となるファイア・ダガーの展開は追加パーツを使用し再現する構造です。
組み立て前の胴体部パーツ。腕部パーツとの接続部分に引き出し式関節を採用した構造です。
組み立てが完了した胴体部パーツ。胸部固定武装となるファイア・ダガーの展開は追加パーツを使用し再現する構造です。
前腕部の引き出しに機構より可動域を拡大した腕部パーツ
腕部パーツの構造は前腕部に延長機構を有します。この機構により前腕部を延長することで肘関節部の干渉がなくなり可動域が改善します。また、右ハンドパーツは握り手、武器持ち手、ライフル持ち手が付属し、左ハンドパーツには開き手が追加されます。
パーツ状態での右腕部パーツ。全26パーツで構成されます。
完成した腕部パーツ。右ハンドパーツは握り手、武器持ち手、ライフル持ち手が付属します。
左ハンドパーツは右手と同じ形状に加え、開き手が追加されます。
前腕部は延長することで肘関節部の干渉がなくなり可動域が改善します。
股関節部にサイドガードを取り付ける構造となる脚部パーツ
脚部パーツにおける足部は左右共通形状です。本キットの足部は足裏も別パーツで色分けされた構造となっており、つま先部分も可動します。
本キットの足部は左右共通形状です。
足部甲部分の関節色はシールによる色分けです。
脚部パーツの構造は左右対称形状です。また、これまでのHGシリーズキットと同様に膝関節は二重関節が採用され、大きく可動させることが可能です。
パーツ状態での脚部パーツ。全20パーツで構成されます。
組み立てが完了した脚部パーツ。本機の脚部は左右対称形状です。
膝関節の可動は二重関節が採用され、大きく可動させることが可能です。
スイング軸により股関節の可動域が広がる腰部パーツ
本キットの腰部パーツは脚部パーツとの接続軸にスイング機構が搭載されているため、ポージングによって位置を調整することで可動域が広がります。また、フロントアーマーはこれまでのHGシリーズキットと同様に左右が一体化していますが分割することで左右独立稼働できるパーツ形状となります。なお、サイドアーマーは脚部パーツに取り付けるため、腰部パーツにはありません。
パーツ状態での腰部パーツ。フロントアーマーは左右が一体化していますが分割することで左右独立稼働できるパーツ形状となります。
完成した腰部パーツ。サイドアーマーは脚部パーツに取り付けるため、腰部パーツにはありません。
脚部パーツとの接続軸にスイング機構が搭載されています。
少ないパーツ数で角型ノズルを再現したバックパック
本機のバックパックは3パーツ構成であり少ないパーツ数で形状を再現します。スラスターノズルは角型であり可動ギミックはありません。
パーツ状態でのバックパック。3パーツ構成と少ないパーツ数で形状を再現します。
組み立てが完了したバックパック。スラスターノズルは角型であり可動ギミックはありません。
同一形状の武装が6機付属するソードブレイカー
ここからは武装を組み立てます。本機における特徴的な武装であるソードブレイカーは同一形状の武装が6機付属し、全てのソードブレイカーが展開ギミックを持ちます。また、本武装側面のイエロー部分はシールによる色分けとなります。
パーツ状態でのソードブレイカー。全10パーツで構成されます。
組み立てが完了したソードブレイカー。同一形状の武装が6機付属します。
ソードブレイカーは差し替えパーツなしで展開機構が再現されます。
収納、展開状態が切り替えできるハルバート・ランチャー
本機の手持ち武装において最も大型武装となるハルバート・ランチャーはソードブレイカーと同様に展開ギミックを持つ構造となります。パーツ構成は10パーツで構成されており一部色分けはシールによる色分けです。
組み立て前のハルバート・ランチャー。全10パーツで構成されます。
組み立てが完了したハルバート・ランチャー一部色分けはシールによる色分けです。
ハルバート・ランチャーの展開ギミックは差し替えパーツなしで再現されます。
最小限のパーツ数で形状を再現したガンレイピア
本機の2種類ある手持ち武装の一つであるガンレイピアは左右割の2パーツ構成で再現されます。本機のガンレイピアは設定上色分けがありますが本キットでは単色による再現となります。
パーツ状態でのガンレイピア。左右割の2パーツ構成で再現されます。
完成したガンレイピア。本キットでは単色による再現となります。
一部武装やエフェクトパーツは差し替えで再現
本機唯一の近距離格闘武装であるレーザー・ブレードのグリップは前腕部に搭載されていますが、刀身部分はクリアブルーのエフェクトパーツが付属します。また、胸部固定武装のファイア・ダガー弾頭は胸部ハッチ展開後、追加パーツを取り付けて再現します。
レーザー・ブレードの刀身はクリアブルー、ファイア・ダガーの弾頭は追加パーツで再現されます。
これにてアシュセイヴァー本体を構成するパーツは全て完成です。各部をドッキングしてアシュセイヴァーを完成させます。各部の接続は股関節およびソードブレイカーの接続は軸接続となり、その他の接続はボールジョイントです。
一体化前のアシュセイヴァー。股関節およびソードブレイカーの接続は軸接続、その他の接続はボールジョイントです。
アシュセイヴァーの本体が完成です。
2種類のアクションベースやディスプレイベースが付属
本キットにはアクションベースとディスプレイベースはクリアカラーのベースが付属します。ソードブレイカー用ディスプレイベースはどうつけ以上のランナーが2枚付属するため、ポージング表現に合った形状を選択して組み立てることができます。
組み立てが完了したアクションベース7。アシュセイヴァーとの接続は3mmジョイントを使用します。
ソードブレイカー用ディスプレイベースは展示方法によって自由に組み換えが行なえます。
広い可動域によって躍動感のあるポージングが可能なキット
これにて本キットを行使するパーツは全て完成しました。ここからは完成したアシュセイヴァーを見ていきます。最初は前後側面からアシュセイヴァーのスタイルを確認していきます。
正面から見たアシュセイヴァー。頭部アンテナと胸部中央のレッドカラーがアクセントとなります。
側面から見たアシュセイヴァー。手持ち武装は左右両方のハンドパーツで保持可能です。
背面から見たアシュセイヴァー。本機のバックパックは小型でシンプルな造形です。
ここからは様々なポージングをさせつつ各部の可動を確認します。本機の頭部はヒンジとボールジョイントの活用により、大きく上を向くことが可能です。
頭部のアップ。ヒンジとボールジョイントの活用により、大きく上を向くことが可能です。
肩部関節には引き出し式関節が採用されており、ガンレイピアを両手持ちで構えることが可能となります。
ガンレイピアを両手持ち。引き出し式関節により問題なく構えることが可能です。
本機最大の手持ち武装であるハルバート・ランチャーは差し替えなしで展開状態にできます。
ハルバート・ランチャーを展開させたアシュセイヴァー。各部の展開機構が細かく再現されます。
本機の近接装備であるレーザー・ブレードは少し角度が付いた形状となります。レーザー刃のパーツは2本付属するため、二刀流のアクションポーズも可能です。
レーザー刃パーツも2本付属するため、二刀流のアクションポーズも可能です。
胸部固定武装のファイア・ダガーは弾頭パーツを取り付けることで展開状態を再現可能です。
ファイア・ダガーを展開した胸部のアップ。弾頭パーツを取り付けることで展開状態を再現可能です。
最後に本機の特徴的武装であるソードブレイカーを展開します。ソードブレイカーはディスプレイベースを活用することで躍動感のあるポージングが可能です。
ソードブレイカーを展開してみました。ディスプレイベースを活用することで躍動感のあるポージングが可能です。
今回レビューした「HG アシュセイヴァー」はこれまでの『スーパーロボット大戦OG』シリーズのキットと同様、プレイバリューの高いキットでした。特徴的な肩部武装は搭載状態でもアシュセイヴァーのシルエットに迫力を持たせ、付属のアクションベースを用いた展開状態では躍動感のある展示が可能です。その他の各種武装の再現度もすばらしく、ゲーム中の戦闘アニメーションをイメージしてポージングを楽しめます。
『スーパーロボット大戦A』には、今回紹介したアシュセイヴァーの他にもヴァイサーガ、アンジュルグ、ラーズアングリフと3機の主人公機が存在します。いずれも特徴的で魅力的なデザインを持つ機体なので、今後の立体化には大いに期待したいところです。また、『スーパーロボット大戦OG』シリーズのプラモデルは、次のキットとして12月に「HG ヒュッケバイン(PTX-08R)」の発売を控えています。1995年の『第4次スーパーロボット大戦』で初参戦時のヒュッケバインということで、こちらも期待が高まります。