ガンプラ「MGEX 1/100 ストライクフリーダムガンダム」レビュー【後編】となる今回は、【前編】で見ていただいた“究極の金属表現”で構築されたフレーム状態までの組み上げから、完成までを追っていきます。ガンダム本体ほどの大きさもあるバックパックとスーパードラグーン、フレームにまとわせる全身の装甲、各種装備類を組み立ててその全容をご紹介しましょう。
ストライクフリーダムの内部装甲はフェイズシフトによって金色に輝く!
それでは早速【後編】を進めてまいりましょう。全身フレーム状態でも重めのMGクラスの組み応えがありましたし、それだけでも完成している“機動兵器=モビルスーツ”として魅力が満載ではありました。発表されている資料やプロモーション動画を観るとここに装備や装甲を組付けていくとスラっとしたフレーム状態とは違うマッシブな印象のスタイルに変化していくようです。それでは……キラ・ヤマト、ストライクフリーダム、いきます!
なお、今回の記事は開発中の製品をもとに制作しております。製品版とは異なる場合がありますのでご了承ください。
ガンダム本体ほどの大きさがあるバックパックを組み立てる
その数8基!巨大な青いスーパードラグーンシステムを片側4基装備するバックパックを組み立てていきます。スーパードラグーン8基とその基部となる機動兵装ウイングも8基、中央ブロックも多層構造となっていますのでなかなかの組み応えです。
物量は多いですが、同じものの組み立てですので時間をかけてじっくり組み立てていきましょう。完成後はガンダム本体ほどもある大きさと緻密に重なり合うディテール、機動兵装ウイングを全開にしたらさらに広がるそのスタイルの迫力はすさまじいものがあります。
【組立:バックパック】
写真は全8基の機動兵装ウイングで、すでに4基は組み立てました。中央の2基分を組んでいきます
ゴールドのフレームに黒い装甲を組付けます。構造自体は単純ですので数をこなすのみです
上部にもフレームを内包して挟み込むだけです
ところどころにフレームのゴールドが露出してアクセントになっています
組み上がるとフレームと装甲とのコントラストがかっこいいです
バックパック中央部は大きいパーツで数は少なくなっています。剛性の確保にも寄与すると思われます
フレームを組んでバーニアノズルを組みます。ゴールド、レッド、ブルーの3色3パーツで情報量がものすごいです
上下のメインノズルの間にシールを貼りこみ……
そこへウイング状パーツを装着します。み、見えなくなる……
フレームを左右と上から装甲で挟んで……
左右の機動兵装ウイングをつなぐアームは中央との太い軸とウイングを接続する独立の軸があります
特に接続部を構成するフレームパーツはディテールにもなっているので組んで確認して楽しい部分です
全部で8基完成しました
装甲を組み付けていくとシルエットが大きく様変わり!
それでは“究極の金属表現”で構成された内部フレームに装甲を組み付けていき、ストライクフリーダムガンダムを完成させていきましょう。あれだけピカピカゴールドのフレームをわざわざ隠すようなことではありますがやっぱりガンダムであることを確認したいですよね。
なんだか寂しい作業なのかと思っていたら各装甲裏にもびっしりとモールドがあることがわかりました。これはこれでパーツを一つずつ確認して“これはどういう意味のモールド?”といった考察も楽しいと思います。ここまでも飽きさせずにガンプラを楽しませてくれる開発陣に感謝!
【組立:頭部装甲】
まずは全体をざっくり分解すると作業が楽になります
まずは頭部から。もうフレームはあるので装甲を組付けていくだけです
半分組んだ時点でもうパーフェクト……
隠れる部分にもモールドがあって楽しい!
襟足装甲も若干可動するようになっています
頭頂部カメラフェアリングとアンテナを組んでいきます
赤い三角のパーツは小さいので注意して組付けます
ただただかっこいい頭部!
ボディ(上半身)装甲に組付ける。細かな注意点も!
ボディ(上半身)に装甲を組み付けても各部の稼働を阻害することはありません。特に可動が集中する腹部周辺はフレームだけでの可動より装甲があるほうが印象がだいぶよくなります。これは左右の脇腹の上下動が色が違うパーツがあることで強調されるためです。
【組立:ボディ(上半身)装甲】
周りを囲うだけでトリッキーな組付けはなく、それほどパーツ数も多くありません
脇下の青いパーツは注意!シールを貼ろうとするとちょっとした力で割れてしまいました。本体への組付け自体は問題ありません
ですので全身にわたって可能な限り本体に組付けてから貼りこむことをお勧めします
脇腹パーツがあるだけでコントラストが高まり表情豊かになります
脇腹パーツはフレームのディテールで固定されます。前後に細かいシールも貼り付けます
上面から見て左右の肩関節に黒いカバーを取り付けます
右半身に装甲を取り付けた状態です。前後から黒いパーツ、ライトブルーのダクトのパーツで構成されます
コクピット周辺の装甲を組み付けます
イメージ通りのコクピットが出来上がります
腕部に組付ける。一気に印象が変わっていくのが楽しい!
フレームでは華奢なイメージもあった腕部ですが、装甲によってここまで変わるものか!と組付けが終わってその印象ががらりと変わります。前腕部のビームシールド周辺が込み入った印象があるものの難しいところではありません。肩アーマーへの組付けでは先ほどの腹部・脇腹で感じたような装甲パーツがあることで感じるコントラストの違いなどの楽しさを垣間見ることができると思います。
【組立:頭部】
右腕を先に組んで本体に取り付けてあります。左腕のフレーム状態と比べると印象が全然違います
上腕へ装甲を左右から組み付けていきます
膨張色でもあるホワイトだからでしょうか、途端に筋肉質に感じます
前後を組付けると装甲と内部フレームの関係性が見えてきます
前腕の袖はビームシールド基部でもあります
ビームシールドの装甲は……
前腕側からホワイトのパーツを差し込みます
ビームシールド前後のパーツを組み付ければ完成です
肩部・腕部も装甲が乗ると印象がまったく変わります!
ボディ(腰部)に組付ける。可動に合わせてカラー別のパーツで情報量が増す!
腰部のスカートアーマーには可動する部分があり、それらはカラーリングも変えることで情報量が増しています。キットではパーツもその単位で分割されていて連動可動も実現していますから組んで動かして楽しい部分となっています。
【組立:ボディ(腰部)装甲】
メインフレームとスカートアーマーはもう出来上がっているので前後スカートアーマーに装甲を組付けていくだけです
左側の前後スカートアーマーに装甲を組付けてあります
組付けはスカートアーマーに装甲を乗せていくイメージ。可動があるので順番には注意が必要です
全可動部を開いた状態。フロントスカートは2枚の装甲が連動して開きます
本体とドッキングさせました。だんだんとマッシブになっていくのがわかります
脚部を組み立てる。屈指のボリューム感をともなってさらに力強く!
装甲組付けもいよいよラスト、脚部への組付けを行います。複雑な部位でもありますので若干ながらパーツ数も増えていますが基本はこれまで同様、フレームへの貼り付けですので難しくはありません。冒頭で書かせていただいた装甲裏へのびっしりモールドはここで見つけました。組付けると確実に見えなくなるパーツの裏側にこれでもか!とモールドを彫り込んでありますのでしげしげと眺めながら作業ができると思います。
【組立:脚部装甲】
右脚を組んだ状態にしてあります。腕部ほどではないにせよ、脚部のシルエットもだいぶ変わることがわかります
この大腿部裏にびっしりモールドを発見しました
大腿部前側にある白い装甲は脛側にあるパーツへ取り付けます
屈伸によって、この白い装甲は動かないところがあまりない構造で組んで動かすと楽しい部分です
脹脛下を組んでいきます
まずは脹脛にあるバーニアへのフィンを取り付けます
けっこう丸いふくらはぎがさらに強調されます
脛とその下の装甲を組み付けます
アンクルアーマー本体は大胆な構成。フレームの1パーツに装甲をかぶせ、左右のパーツはカラー分けされたパーツで表現します
組み上がった構成要素をドッキングさせれば完成です
装備を組み立てる。ディテールたっぷりに魅せる!
装備はスーパードラグーンシステムをのぞいてクスィフィアス3レール砲が2門、高エネルギービームライフルが2丁、シュペールラケルタビームサーベルが2本、ビームシールドが2枚となっています。ビームライフルもレール砲もほぼ同じものを2つ組み立てるだけなのでそう難しくはありません。
カバーにセンサーを入れ込んで、シールを乗せます。シールではなくセンサーを塗るとさらに良くなると思います!
専用ジョイント以外は汎用品ではありますがスタンドが付属しています。なぜこれが標準添付かというと、ストライクフリーダムガンダムを組み上げるとわかるのですがバックパックがことのほか重く、ほぼ自立させることができないためのようです。派手めなポージングをさせたい機体ですからスタンドの付属は歓迎すべき仕様だと思います。汎用スタンドに専用ジョイントアダプターを付けて利用します。
完成!「MGEX 1/100 ストライクフリーダムガンダム」
とてつもない充実感!を感じることができたキットだったのは間違いありません。【前編】において“究極の金属表現”で構築されたフレームだけでも通常のMG(マスターグレード)クラスを超える組み応えがありましたし、【後編】でバックパックや装備、装甲を組付けていくと“ストライクフリーダムガンダム”になっていく過程をも楽しむことができました。
その工程は「PG UNLEASHED 1/60 RX-78-2 ガンダム」からフィードバックされた組み立て方とマテリアルであり、技術がグレードの域を超えて伝播していくガンプラの技術進化をも感じることができました。確かに工程は多いもののそれに見合うだけの充実感、組んだからこそわかる可動性能とこだわりの設計は体験せずにはいられないものと思いました。
「MGEX 1/100 ストライクフリーダムガンダム」のレビューを終えて
前述のとおり、PGUガンダムの技術がMGに降りてきた! というのが今回のレビューの率直な感想です。さらにはEG(エントリーグレード)などの簡単組み立ての技術も盛り込まれているように感じます。MGといえばいかに内部フレームを作りこみ、MSはどうやって作られているのか? を考察する素材にもなっていたわけですが、今回薄らいでいたその感触も濃い味付けで楽しめたと思います。
いくつか希望を上げさせていただくなら、3Dシールが細かくて多いことでしょうか。台紙からはがしていると飛んで行って紛失する可能性が高い素材のように感じました。パーツによる表現ができるとよかったですね。そしてビームサーベル用の握り手が欲しかった点。エモーションマニピュレーターは確かにすごいのですが微細すぎて表情は豊かなもののアクションには少々不向きなところがあります。付属の握りこぶしを改造するという手もありますが、ここは専用のものが欲しかったところです。
他は文句のつけようがないほどのキットだったことは、ここまで読んでいただけた皆様ならご理解いただけたことと思います。エクストラフィニッシュなどでさらに金属表現された限定版(価格がとんでもなさそうですが……)の登場なども期待したいところです。次のMGEXはどんな機体のどういったところにフォーカスするのか、考察の楽しみも増えました。そんなところで、今回のレビューはここまでとなります!