今回は、HG 1/144 OZ-10VMSX ガンダムアスクレプオスのレビューをご紹介します!

HG ガンダムアスクレプオスは、『新機動戦記ガンダムW DUAL STORY G-UNIT』に登場するMS『ガンダムアスクレプオス』の1/144スケールモデルキットです。オリジナルメカデザイナー阿久津氏によって描き起こされた新デザインのアスクレプオスをHG最新フォーマットで立体化。可動ギミックと差し替えにより、接近戦モードへの変形が可能なキットになっています。価格は3,960円(税込み)。プレミアムバンダイ限定の商品です。


OZプライズが捕獲したジェミナス02を高機動強襲用モビルスーツとして改修した機体『ガンダムアスクレプオス』がHGACでキット化。2020年5月に発売されたHG ガンダムジェミナス01(以下、ジェミナス01)をベースに、肩部バインダーや脚部ユニット、バックパックなどが新造。接近戦モードへの変形ギミックを搭載したキットになっています。機体名称は「蛇遣い座」の「医神アスクレピオス」に由来。


成型色はパープル、ホワイト、グレーの3色をベースに、各部にオレンジ(イエロー)を細かく配色。その他、腹部やソール部などがダークブルー成型色での再現となっています。

シールは頭部センサーや部分的なダクト、モールドを補うくらいで少なめ。素組みで十分な色分けが再現されています。小さいシールが多いので紛失に注意が必要です。


関節や内部パーツにはグレー成型色のKPSを使用し、関節強度はまずまず。頭部など各部に細かく小さいパーツが多いので、組立時の紛失にも注意が必要です。


ポリキャップはPC-001とPC-002が付属し、PC-002はすべて使い切ります。背部にレドームを装備していますが、あまり後方に負荷はかからず自立は安定しています。

ビーム・ライフル☓2、ビームソード刃☓2、アクセラレートライフル、武器持ち手(右)、平手(左)、ディスプレイ用ジョイントパーツが付属。

HGガンダムジェミナス01用の余剰パーツがいくつか付属します。胸部パーツなどがないので、ジェミナス01のカラバリとして組むことはできません。(頭部、ショルダーアーマー、バックパックは丸々付属しています。)

専用のマーキングシールが付属。
各部をベースのジェミナス01などと比較しながら見ていきます。

頭部。キリッとしたシャープな表情に加え、額の深いV字アンテナ、手前に長いとさかなどが印象的。全体的に小型でプロポーションに合わせて造形されています。左右の装甲はオレンジのシールでの色分けです。

メット部は左右の組み合わせですが、合わせ目は出来ないパーツ構成になっています。とさか前後のセンサーは赤いシールでの色分け。




頭部をベースのジェミナス01、1/144ガンダムアスクレプオスと並べて比較。1/144に比べて造形もよく、バランスよく造形されています。


胸部をジェミナス01と比較して。全体的な形状は同じですが、前面の装甲がアスクレプオス用に新造。エアインテークなどもパーツで細かく色分けされています。

カラーリングが違っていますが、腰部形状はほぼ同じ。

背部も同じ形状です。

腰アーマー裏にモールドはなく作りは簡易的。ジェミナス01と同じく腰が展開する構造になっていて、上半身を広く可動させることができます。

股間部にはスライドギミックがあり、脚部の可動域を広げることができます。


腕部をジェミナス01と比較して。ショルダーアーマーに大型の肩部ユニットが新造されています。二の腕以下はジェミナス01と同じ。

二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目はあまり目立ちません。肘はヒンジ接続です。

肩部ユニットは独特の形状。接近戦モード時のパイソンクローになる部分です。ユニットは上部中央に合わせ目ができます。消す場合は後ハメなどが必要そう。クローや前後の装甲の一部モールドはイエローのパーツで色分けされています。

肩部ユニットは上部からグワッと展開可能。

ショルダーアーマーの基部は中央の合わせ目は段落ちモールド化。上部には肩部ユニットを固定(ロック)するための溝があります。胸部と肩部ユニットが干渉し、肩のボールジョイントが外れやすい場合は、このロック位置が違っているからかと。

パイソンクローとの連結部はリード線によるジャパラっぽいパーツ構成でフレキシブルに可動します。リード線が基礎になっているので、パーツのみで構成するよりも可動が柔軟。リード線の長さに指定がないので、画像では少し長くなっていますがご了承をm(_ _)m

パイソンクローの部分も個性的な形状になっています。

内部にはスラスターが造形。装甲の先端にはソードホルダーも造形されています。ソード柄は脱着可能。


側面の装甲は接近戦モード用に折りたたみが可能。

先端からラピッドショットのバルカン砲口が露出します。

クローはそれぞれ角度変更が可能。

内側は肉抜き穴っぽい作りです。


脚部をジェミナス01と並べて。大腿部は同じですが、膝から下がアスクレプオス用に新造されています。膝のモールドやスネ左右のダクトはイエローのパーツでの色分け。膝やアンクルアーマー、側面の装甲などもパーツで細かく色分けされています。

脚部内部はジェミナス01の形状がそのまま残されています。(膝装甲は形状が異なります。)

大腿部は前後の組み合わせですが、側面の合わせ目は段落ちモールド化。膝から下は左右の組み合わせで後部に合わせ目ができます。ふくらはぎ後部のひし形のダクトはグレーのシールでの色分け。

側面の装甲はボールジョイント型ポリキャップ接続で脱着が可能。

アンクルアーマーの基部は上下にスライドします。スネの内側にある凹み部分はグレーのシールでの色分けです。


ソール部はジェミナス01と同じ。足裏はモールド入の裏打ちパーツが造形されており、見た目もリアル。

つま先は角度変更が可能です。アンクルアーマー裏のラインモールドはイエローのシールでの色分けです。

背部には接近戦モード用のレドーム(全方位アクティブスキャナ)が造形されています。


レドームはエアインテークがイエロー成型色パーツでの色分けです。表面には円形モールドが造形。モールドはグレーに塗り分けが必要です。手前の装甲を引き出して下げることでセンサーが露出。センサーは赤いシールでの色分けです。


左右の接近戦モードでショルダーアーマーに当たる装甲もシャープに造形。表面の◯モールドはグレーに塗り分けが必要です。接続部はボールジョイントとポリキャップで前後スイングやロールなどフレキシブルに可動。装甲は1個パーツ構成で、裏にはモールドや肉抜き穴があります。

下部には2基のバーニアが造形。ボールジョイント型のポリキャップで適度に可動します。

その下に造形されているビーム・ライフルホルダーもポリキャップ接続でスイングが可能。内側には肉抜き穴があります。

バックパックは簡易的な2ダボ接続。接続部もフレキシブルに可動します。

なので、レドーム全体を上下にスライドさせることができます。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。HGACのキットなので比較的小柄。アスクレプオスの全高は18.2mです。


1/144 HGガンダムアスクレプオスと並べて。


同じ機体なので形状やシルエットは似ていますが、1/144は各部が簡易的で大味。一方今回のHGACはかなり緻密でシャープ。メカニカルさも際立っています。


ベースキットのHGガンダムジェミナス01、陸戦重装ユニットと組み合わせていますが、鹵獲前の姿であるジェミナス02(HGガンダムジェミナス02)とも並べて。このシリーズもバリエーションが豊かになってきました。

頭部は適度に上下可動させることができます。左右へは装甲と顎が干渉しますが、少し浮かせることで水平にまでスイングが可能です。

肩はショルダーアーマーが干渉しやすいですが、水平程度にまで上げることができます。肘は90度程度まで曲げることが可能。画像は撮影し忘れましたが、肩も適度に前後スイングが可能です。

腹部ボールジョイントや腰部の可動ギミックにより、上半身を適度に前後させることができます。

腰は360度回転させることが可能。アクションベースやスタンドへは、股間部に付属のディスプレイ用ジョイントパーツを組み付けてのディスプレイとなります。

脚部の前後開脚は、股間部をスライドさせることで干渉を避け、広く前後に開脚させることができます。

膝は2重関節で深くまで曲げることができます。膝装甲裏に裏打ちパーツはなく簡易的。

ちょっとわかりにくいかもですが、足首は前後左右とも適度に可動させることができます。

左右への開脚は水平にまで幅広く展開可能です。サイドアーマーは後方に向けて干渉を避けています。

内股、ガニ股は水平まではいきませんが、幅広く展開させることができます。

立膝もきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、ややショルダーアーマーが干渉して腕部の可動が制限されたりしますが、全体的には柔軟で幅広く可動するのでポージングはしやすいかと。首や肩のボールジョイントがやや抜けやすいのは気になります。

ビーム・ライフル。特徴的な新規デザインでの造形となっています。側面の蛇腹状モールドはグレーに塗り分けが必要。


パープルの装甲部分は上下の組み合わせで側面に合わせ目ができます。最中割なので合わせ目消しはラクかと。

銃口は適度に造形されています。

ビーム・ライフルは2丁ともリアアーマーにマウント可能。しっかりと固定されるので簡単に外れることはありません。

アクセラレートライフル。螺旋型粒子加速器でミューオンを加速投射するビーム兵器で、電磁コンデンサーによって『ハイパーショット』と呼ばれる溜め撃ちが可能とのこと。HGガンダムジェミナス01に付属しているものと同じです。


本体部分は左右の組み合わせで一部は段落ちモールド化されていますが一部に合わせ目ができます。簡易的なパーツ構成なので合わせ目を消すのはラクそうです。センサーはグリーンのシールでの色分け。

ビーム・ライフルを装備して。


右の武器持ち手しか付属していないので、ビーム・ライフルは指をトリガーに添える形は右のみになります。


なので両手持ちの場合は通常のハンドパーツで保持させました。こちらでも問題なく保持できます。


可動箇所が多いので柔らかい自然なポーズが取れていいですね。特に干渉もなくポーズが取れますし、肩の装甲が派手でもまずまず腕を上げることができます。首もしっかりと回るのでポーズは取りやすいですね。

ジェミナスと同型のアクセラレートライフルを装備して。アクセラレートライフルはハンドパーツにグリップを差し込むだけで保持させることができます。

平手が付属するので、銃身を支えて射撃するような自然なポーズも再現することができます。

ビームソード柄は抜けることなく保持が可能。


サーベル刃はクリアオレンジ成型色での再現で、ブラックライトで照らすと発光します。

接近戦モードへの変形は、①バーニアを少し回して収納し、②サーベル柄を外します。

③肩のユニットを展開してラピッドショットを露出。

④前腕を包み込むように組み合わせます。

脚部は⑤側面の装甲を外してアンクルアーマーを伸ばします。⑥側面の装甲はパーツを組み替えて再度脚部に組み付け。

⑦頭部を外してレドームを上部に展開。前方の装甲を引き出してセンサーを露出させます。そして⑧左右の装甲を肩を覆うように被せたら接近戦モードへの変形完了です。


接近戦モード。






接近戦モードをいろんな角度から。ズゴックに似たシルエットに変化。MS形態とはガラッと雰囲気が変わりました。

各部を簡単に。レドーム周りは胸部を覆い隠すように配置。レドームには全方位アクティブスキャナーやアクティブジャマーが搭載されているとのことです。左右の装甲もボールジョイント接続で柔軟に可動します。

腕部は蛇腹状のアームや肩部ユニットの装甲によって腕部を包むように展開。

先端部にはパイソンクロー、内部にはラピッドショットを装備し、それぞれ攻撃的な演出が可能です。

脚部はアンクルアーマーを一段下げたことで重厚感あるスタイルに変化しています。プロペラントレッグタンクとしてのユニットと、トップヘビーな機体のカウンターウェイトにもなっているとのこと。

背部はバーニアが後方に展開。ビーム・ライフルはそのままマウントしておきます。


接近戦モードの1/144 HGガンダムアスクレプオスと並べて。接近戦モードの全高は16.7mです。どちらも面白みがありますが、接近戦モードでもHGACのほうは緻密さが段違い。


手持ちなところでRGズゴックと並べて。1/144よりも少しズゴックのシルエットに近づいたような感じですが、ガンダムアスクレプオスはかなり個性的でいいですね。


肩の装甲はボールジョイントで柔軟に可動するので、腕部の可動を邪魔することはありません。肩部はパイソンクローの重量で少しタレ気味になりますが、ある程度は腕を上げての攻撃的なポーズも取らせることができます。


MS形態からシルエットが変化したため、特殊な攻撃ポーズを再現できるのがいいですね。頭部の動きがないため、やや表情がつけにくいのが難点なくらいかと。
適当に何枚かどうぞ。














以上です。肩部や脚部ユニットはかなり緻密に造形されていてメカニカルさが際立っています。肉厚で重量感あるユニットですが、可動を妨げないようになっているのでポーズもつけやすいですね。ジェミナス01ベースなので、可動も柔軟で自然なポーズも取りやすいです。
気になる点は、首や肩のボールジョイント(ポリキャップ)強度が弱いので、首を動かしたり肩を動かしたりするとやや抜けやすかったです。(組み方が悪い?)接近戦モードでパイソンクローを展開すると重量で肩が垂れることもあるので、ある程度関節強度を上げておいたほうがいいかもですね。
接近戦モードは個性的なシルエットで変形やポージングが楽しくなりますし、こちらも演出力が高いです。1/144に比べてプロポーションバランスが段違いに良くなっていますし、色分け再現度も高いです。改めてHGAC化が嬉しく思える、満足度の高いキットになっているのがいいですね。