アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』より「ガンダム・ヴィダール」がMGガンプラで商品化され、3月22日にいよいよ発売する。
「MG 1/100 ガンダムヴィダール」
「ガンダム・ヴィダール」は『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期に登場したモビルスーツ。主人公、三日月・オーガスたちと敵対する「ギャラルホルン」のアリアンロッド艦隊にて長期間整備、調整が行なわれていた機体だ。「ガンダム・フレーム」を用いた機体でありつつも、「エイハブ・ウェーブ」の固有周波数を特定されないよう、バックパックに3基目の「エイハブ・リアクター」を搭載しており、出自が謎に包まれたモビルスーツとなっている。
そして、そのパイロットも機体名と同じ「ヴィダール」と名乗る仮面の男であり、ある男の真意を探るために「ガンダム・ヴィダール」を駆る。
「ガンダム・ヴィダール」は騎士のような外観に加え、バックパックや脚部のノズルによる高い機動力によるレイピア型武器のバーストサーベルの一撃離脱攻撃やライフル、ハンドガンによる射撃武装を有する。そして、つま先と踵に仕込まれたハンターエッジによる格闘戦もこなす。
本キットはメカデザインを担当する形部一平氏の監修のもと、アップデートした「ガンダム・フレーム」を内蔵し、そこに外装を付けていくことで「ガンダム・ヴィダール」が完成する仕様となっている。
本稿では「MG 1/100 ガンダムヴィダール」の魅力に迫っていきたいと思う。
フレームから作り上げる豊富なパーツ点数
「MG 1/100 ガンダムヴィダール」のランナーは合計18枚。骨子となるガンダム・フレームを構築するパーツに「ガンダム・ヴィダール」の外装やバックパック、武装などが収録されている。
成型色はフレームなどに使用するグレーやシリンダーのシルバーメッキ、ゴールドがあり、外装のブルー、ダークグレー、差し色のレッド、クリアーピンク、武装のバーストサーベルの刀身はライトグレーで表現されている。
また、ツインアイなどを収録したシールと本体を彩ることができるマーキングシールが収録されている。
A1パーツ
Bパーツ。こちらは2枚収録されている
C1・C2パーツ。こちらは2枚収録されている
D1パーツ
D2パーツ
Eパーツ
Fパーツ。こちらは2枚収録されている
G1パーツ
G2パーツ
H1パーツ
H2パーツ
Iパーツ。こちらは2枚収録されている
Jパーツ
Kパーツ。こちらは2枚収録されている
シール
マーキングシール
パーツを確認したことで、次は組み立て工程を紹介していく。
密度のあるガンダム・フレームを組み上げる
「MG 1/100 ガンダムヴィダール」は内部のガンダム・フレームの造形が再現されているのも魅力の一つだ。
本キットではシリンダーや内部メカの造形再現に加え、細かいパーツ分けによって情報量の高さと可動を両立した組み立て構成となっている。
最初に組み立てる胸部パーツは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場するモビルスーツの特徴的なシリンダーがむき出しの腹部の造形が再現されている。緻密な造形再現のため、パーツも小さいものがあるので、紛失やはめ込みには注意してほしい。
また、コックピットブロックも再現されており、通常のシートと「ガンダム・ヴィダール」の特徴でもある「阿頼耶識 typeE」発動時のシートがあり、選択肢して組み立てることができる。
【胸部フレーム】
胸部パーツの組み立て
シートは通常のもの(左)と「阿頼耶識 typeE」発動時のもの(右)を選んで組み立てる
頭部はシンプルに左右側頭部でマスク、クリア―パーツを挟み込み、最後に正面フレームを追加する構成となっている。またクリアパーツ後部にはシールを貼る。
【頭部フレーム】
頭部組み立て
次に腕部の組み立て。こちらもむき出しになったパイプ造形やシリンダー造形が再現されている。
【腕部フレーム】
腕部組み立て
脚部も腕部同様細かいパーツ構成で細部のディテール表現や動きに合わせたシリンダーの伸縮機構を備えた構成となっている。
爪先のハンターエッジは刃部分を挟み込む形で可動と造形を両立している。
【脚部フレーム】
脚部組み立て
腰部は股関節の可動軸と両サイドの可動箇所を挟み込み、パイプ造形などのディテールを追加するパーツをはめ込む形となっている。
【腰部フレーム】
腰部組み立て
ここまで組み立てた各部を合わせることでガンダム・フレーム状態が完成する。
【ガンダム・フレーム】
このフレームに装甲と武装を追加することで、「ガンダム・ヴィダール」が完成するがどのような姿になるのか?
装甲を纏うことで復讐を誓う「ガンダム・ヴィダール」が完成
ここから各所に装甲、バックパック、武装を付けていくことで「ガンダム・ヴィダール」を再現することができる。
頭部はブレードアンテナや兜部分を付けていく。その際、シールを使用しツインアイに貼ることで、光っているような状態を表現することができる。
【頭部】
胸部はパーツを積層して、スリット部分の色分けが再現されている。
【胸部】
腕部はフレームに合わせたスマートな装甲で、肩部は存在感のある造形となっている。
【腕部】
脚部は太ももから足先まで装甲を纏う形。膝とふくらはぎに備えられた大型のノズルは内部カラーが色分けされ、迫力のある大きさとなっている。
【脚部】
バーストサーベルのコンテナでもあるサイドアーマーは、刀身を抜き出す際のスライド機構やサイドのブースター展開ギミックが搭載されている。
【サイドアーマー】
次にバックパック。背中の基部を中心に左右にパーツを取り付ける構成で、ジョイント部にはボールジョイントが採用されている。
また、中央のクリア―パーツの下にはシールを貼ることで光を反射し、より鮮やかな仕上がりとなる。
【バックパック】
これで「ガンダム・ヴィダール」本体が完成した。
最後に武装の組み立て。「MG 1/100 ガンダムヴィダール」では、ライフル、ハンドガン、バーストサーベルの柄を組み立てる。
ライフルはシンプルなモナカ構造で、マガジンは着脱できる仕様となっている。また、スコープ内部にシールを使用し、鮮やかな仕上がりとなる。
ハンドガンは銃身を組み立て、スライドを被せる構成で、MGオリジナルギミックのブローバック演出が可能になっている。
また、バーストサーベルのパージ時の端部形状を再現した刃パーツもシールを貼ることで起爆装置が作動するかのような演出となっている。
【武装】
ライフル組み立て
ハンドガン、バーストサーベルの持ち手組み立て
バーストサーベルのパージ時の刃パーツにはシールを貼る
すべてのパーツが完成したところで「MG 1/100 ガンダムヴィダール」のフレーム状態を含めた可動を紹介していく。
緻密なメカ描写と可動を合わせたガンダム・フレーム
ガンダム・フレームの状態は何といっても内部メカの緻密な造形に惹かれる。人間でいう骨格のような細さの中に、機械の精緻な造形の組み合わせはモビルスーツならではの表現が詰まっている。
また、各部シリンダーも動きに合わせて伸縮し、メカとしての力強さがより引き立つものとなっている。そして、可動域も広く、多彩なアクションポーズを取ることが可能だ。
「ガンダム・ヴィダール」のガンダム・フレーム状態
近くで見るほどその緻密なメカ造形に惚れ惚れする
腰回りはシンプル
細い腹部に伸びるシリンダー
背中もパイプなど濃密なディテール
ふくらはぎも細くも力強い造形
つま先
動きに合わせてシリンダーは伸縮
ガンダム・フレーム状態でも様々なポージングが可能
片膝立ち
開脚ポーズもできる
別売りの「アクションベース」にも対応。本稿では「アクションベース5」を使用
ハイキックなどのダイナミックなポーズも取ることができる
メカニカルなシリンダーの動きと運動性能の高さを感じられる可動域
フレーム状態から装甲が追加され、ブルーが際立つカラーリングとなり、肩アーマーやバックパック、サイドアーマーなどによって、フレーム状態からシルエットも大幅に変化。鎧を纏った騎士のような雰囲気で、肩や膝の直線的で張り出した存在感と腕部、脚部のすらっとした造形でメリハリのあるバランスとなっている。
各種武装もマウントができ、ライフルはサイドアーマー側面に懸架が可能。そして、ハンドガンはフロントスカートの内側にマウントができる。バーストサーベルの持ち手も刀身にさしてマウントできる。
「MG 1/100 ガンダムヴィダール」。各種武器をマウント
背面
武装を外した状態
張り出した肩アーマーや胸部アーマー。細かなモールドも入っている
肩回りはフレーム造形も露出している
頭部も側面の丸みとブレードアンテナはシャープな造形となっている
側面
フロントスカートは内側にハンドガンをマウントできる
膝アーマー、ノズルも大型で存在感ある造形
バックパック
サイドアーマー
ライフルはサイドアーマーに取り付けることができる
細かなギミックとしてサイドアーマーのブースターやハンターエッジの展開に加え、上部コックピットハッチもスライド開閉が再現されている。
そして、印象的なバーストサーベルの抜刀シーンも再現できる。コンテナがスライドし、刀身を引き抜く動きを表現できる。
武器のギミックにはライフルに弾倉脱着ギミックが搭載されている。そして、ハンドガンはブローバックをイメージしたMGオリジナルギミックが搭載され、より臨場感あるアクションが楽しめる。
サイドアーマーの上下に備わっているブースターは開閉ギミックを搭載
ライフルは下部の弾倉を取り外すことができる
脚部のハンターエッジも大きく展開が可能
バーストサーベルの抜刀再現
コックピットハッチはスライド開閉が可能
ハンドガンにはオリジナルギミックとなるブローバック可動を搭載
装甲パーツを付けた状態でも可動域の広さは健在。機動力を活かした白兵戦によるアグレッシブなポージングや武器を使用した迫力のあるアクションが映える。特にバーストサーベルによる突きのアクションは、手首の可動によって腕部から一直線に伸びるような位置取りも可能となっている。
各部可動で様々なアクションポーズを取ることができる
ハンドガン2丁持ち
印象的な宇宙空間での剣戟シーンも別売りのアクションベースと合わせることで再現できる
ハンターエッジを展開
ブースターを展開した背面は迫力の造形
そして、オプションパーツとしてパイロットである「ヴィダール」のフィギュアも収録されている。機体と並べることで劇中でのサイズ比によるディスプレイやドラマに思いをはせて楽しめる。
「ヴィダール」のパイロットフィギュア
「MG 1/100 ガンダムヴィダール」との比較
以上、「MG 1/100 ガンダムヴィダール」レビューをお送りしてきた。
ガンダム・フレームから構築されたキットで、内部のメカ造形の作りこみはもちろん、シリンダーの連動可動によって『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』シリーズのモビルスーツの技術体系が感じられる。装甲を付けた状態でもフレームの一部が露出し、モビルスーツとしての魅力が引き出されている。
そして、可動範囲も広く、アクションベースと合わせることで宇宙空間での戦闘シーン再現も楽しめる。
「ガンダム・バルバトスルプス」のMGガンプラ化も決定し、今後の展開にも注目していきたい。