プラモデル「HG ダイゼンガー」レビュー
ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン1号機が参式斬艦刀を携え「HG」シリーズに推参!
西脇健史2023年8月25日 00:00
【HG ダイゼンガー】
開発・発売元:BANDAI SPIRITS
発売日:8月26日
価格:5,720円(税込)
ジャンル:プラモデル
BANDAI SPIRITSは、8月26日にプラモデル「HG ダイゼンガー」を発売する。価格は5,720円(税込)。
HG 第2次スーパーロボット大戦α ダイゼンガー 色分け済みプラモデル
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「ダイゼンガー」は、ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズに登場するロボットで、初回登場は2003年に発売されたプレイステーション2用ゲームソフト「第2次スーパーロボット大戦α」に主人公枠として登場。続編の「第3次スーパーロボット大戦α」や、オリジナルキャラクターたちを集結させた「スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATIONS」などにも登場している。
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8月26日発売のプラモデル「HG ダイゼンガー」
2003年3月27日に発売したPS2用ソフト「第2次スーパーロボット大戦α」
2007年6月28日に発売したPS2用ソフト「スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS」などにも登場する
当初は大張正己氏の描く「バリメカ」のイメージでデザインされた「ダイゼンガー」だが、大張氏が監督を務めたTVアニメ「スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター-」で大張氏自身が「ダイゼンガー」を監督した。今回BANDAI SPIRITSのプラモデルシリーズ「HG(ハイグレード)」から立体化した「ダイゼンガー」は、そんなTVアニメ版のデザインに基づいたもので、最高に“バリっている”。本稿では「HG ダイゼンガー」の素組みレビューをお届けしよう。
「武神装攻 ダイゼンガー」とは
「ダイゼンガー」は、ビアン・ゾルダーク博士が開発した特殊人型機動兵器(通称:特機)で、パイロットと機体の動作を一体化させたダイレクト・モーション・リンクシステムを搭載しており、パイロットの動きに合わせて操縦するスーパーロボットである。搭乗者はゼンガー・ゾンボルト。
機体名は「ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン」(略称:DGG)が正式名称となるが、作中にてゼンガーにより「武神装攻(ぶしんそうこう) ダイゼンガー」と名付けられ、以降「ダイゼンガー」と呼ばれることになる。
ダイナミック・ゼネラル・ガーディアンの1号機こと「ダイゼンガー」
搭乗者はゼンガー・ゾンボルト
本機に搭載された内部火器には、手を回転させて飛ばすダイナミック・ナックルや、肩部からビームを発射するゼネラル・ブラスターがあり、同じ特機のグルンガストに似た火器となっている。しかしこれらの内部火器は、ゲームでは機器の不調により初登場時のみ使用できる武器となっており、おまけ兵装扱いとなっている。
本機のメイン武装は、直前まで搭乗する機体「グルンガスト参式」より引き継いだ「参式斬艦刀」が主な武装となり、「参式斬艦刀」の特性である“刀身形状変化”により、投てき攻撃の「大車輪」、高速移動で敵を横から切り払う「雷光斬り」、超高度から敵を一刀両断する「雲耀の太刀」など、シリーズを追うごとに様々な技が増えるが、「参式斬艦刀」1本で多彩な攻撃を繰り出すことができる。
「HG ダイゼンガー」に付属する参式斬艦刀。「太刀」状態
「大剣」状態。プラモデルには通常の太刀状態と大剣状態の2本が付属するが、「大車輪」時には更に別の刀身になる
なお余談だが、斬艦刀はスレードゲルミルの肩部の装飾品から形状変化する「斬艦刀」、グルンガスト零式が持つ出刃包丁のような形状に、棟にブースターが取り付けられ爆発的な加速力で敵を両断する「零式斬艦刀」、そして今回のグルンガスト参式とダイゼンガーが使う「参式斬艦刀」の3種が存在する。
「スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS」より「スレードゲルミル」、ゼンガーにとってのライバルとなる
また相棒としてDGG2号機「アウセンザイター」が「スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATIONS」より登場しており、「アウセンザイター」が馬に変形して「ダイゼンガー」が乗馬する“刃馬一体”状態で放たれる「竜巻斬艦刀・逸騎刀閃」は非常に強力な技となっている。
「ダイゼンガー」と相棒機のDGG2号機こと「アウセンザイター」
なおスパロボシリーズのゲームプロデューサー・寺田貴信氏が「HG ダイゼンガー」のモチーフがTVアニメ版である旨や、ゲーム版とTVアニメ版の「ダイゼンガー」の仕様の違いについて語っており、肩部や脚部の赤い装甲の尖り具合や足先が丸くなっていたりと、細かな仕様が変わっている。(なお胸部ディティールなど一部仕様についてはゲーム版よりに制作されている)
シール不要の多彩な成形色で「ダイゼンガー」を表現
ここからはプラモデルを構成するランナーについて確認していく。
「HG ダイゼンガー」は、機体構成に9種のランナーに加え、ディスプレイ用の台座ランナーが2種付属する計11種のランナーで構成されている。機体構成のランナーは単色成形のものから、4色の色分けされたランナーを組み合わせたものが含まれており、多色なパーツ構成となっている。
なおシールなどの付属物は一切なく、色分けされたパーツのみで「ダイゼンガー」を表現できる造りとなっている。
機体の各部パーツを赤や金色で彩るAランナー。赤、金、青銀、黒の4色成形
もう片方用のA2パーツ
機体の基本となるメインカラーのブルーで構成されたBランナー
もう片方用のB2パーツ
各関節部分を組み合わせるパーツで構成されたCランナー
もう片方用のC2パーツ
肩の球体関節や装飾品などを表現するDランナー
もう片方用のD2パーツ
一部パーツを連結させるための球体パーツ
ディスプレイ用の土台ランナー
ディスプレイ用のアームランナー
色分けランナーによって組ごたえ抜群の「ダイゼンガー」
本項目では各パーツの組み立てについて解説していく。
本製品の特徴は色分けされたパーツのみの構成で「ダイゼンガー」を表現している部分にあり、シールによる表現が無いにも関わらず、細かなパーツの色分け、組み合わせによって「ダイゼンガー」の特徴を最大限に生かしている。
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頭部の組み立て
「ダイゼンガー」の特徴ともいえる武神の顔を表現した頭部パーツは、8つのパーツで構成されており、黄色の眼光、赤色の面のような顔枠、口元を結ぶような表現がされており、これらは全てシール不要のパーツの色分け、組み合わせのみで表現している。
胴体パーツの組み立て
胴体パーツには、関節の黒色、メインカラーの青色、アクセントカラーの赤色、腹回りや機械部分がむき出しとなる部分を銀色の4色で表現しており、背面にはしっかりとスラスターが表現されているほか、スラスター部分は開閉式となっており、作中の飛び上がるシーンなども表現できるようになっている。
腕部の組み立て
色分けされたパーツにより、装甲の色味をしっかりと表現しているほか、ゼネラル・ブラスターの発射行である金色の部分は、枠内にはめ込み式で表現しているなど、造形が考えられて作り込まれている。
脚部の組み立て
脚部のジョイント部分は、しっかりとした太い軸で構築しており、かかと部分から伸びるサスペンションの役割を果たすパイプは、感心してしまうほど上手く作り込まれている。
腰部の組み立て
腰パーツの成形は、背面の装甲裏に3つのスラスターがしっかりと表現されているほか、足と組み合わせる関節が特殊な形状をしており、上下の可動と耐久性を兼ね備えた構造となっている。
付属武装やハンドパーツの組み立て
付属武装の「三式斬艦刀」は「太刀」形態と「大剣」形態の2種が付属するほか、斬艦刀保持用の右手パーツと、左手パーツが斬艦刀を両手持ちするためのパーツが別途付属する。
保持する場合には、柄の穴が開いている部分に専用の右手を取り付けて保持させる。そのため、斬艦刀を保持する場合には専用の右手以外での保持ができない。
斬艦刀「太刀」状態
斬艦刀「大剣」状態
右手、左手の追加ハンドパーツも付属(右手は「太刀」用、「大剣」用に同一パーツが2つ付属)
斬艦刀を保持する場合、穴が開いていた場所に専用ハンドパーツを装着
両手持ちの場合は、左ハンドパーツの穴に柄を通すイメージ
“悪を断つ剣”「ダイゼンガー」推参!
胴体、腕部、頭部、腰部、脚部をそれぞれ組み合わせ、ダイゼンガーが完成。
完成したダイゼンガーは、鎧のような装甲、角のような各パーツの尖った部分までしっかりと再現されており、シール無しでここまで表現できるものかと驚くばかりである。
また各ジョイント部分がしっかりとしているため、様々なポージングを取らせても関節が緩くなりにくい構造となっている。ただし、腕部の金色の手甲に関しては、手首の枠にはめ込んでいる構造のため、抜き差しすると接合部分が甘くなり、パーツが取れやすくなる点に要注意だ。
頭部、胸部、腕部の組み合わせ
腰部、脚部の組み合わせ
完成「HG ダイゼンガー」
ここからはプラモデルの可動範囲をチェックする。
腕部に関しては関節設計により180度曲げることが可能で、肩部の回転が360度対応していることにより、様々な表現をさせることができる。肩部の上下の可動域は、肩部に装着された赤色の装甲によって少し程度の上げ下げしかできないが、肩との接合部分は特殊な設計により前後の可動が確保され、装甲が干渉せずに肩部を前へ出すことが可能となっている。
脚部に関しては、足の関節は腕部と同様180度曲げることができるほか、足の付け根の設計により180度開脚させることも可能、また足と接続する腰の関節が特殊な設計となっており、左右で足の高さを変えることができ、可動域を広げている。
腕部の関節は180度まで曲げることが可能
肩の回転は360度対応しており、腕部との組み合わせで様々なポージングにも対応
肩部は肩の赤い装甲により少しだけの上下可動が可能
首元の特殊な関節設計によって、肩部を前に出すことが可能となっている
脚部の関節は、腕部同様180度まで対応
脚の付け根の設計により180度開脚する状態まで可動域を確保している
腰部の関節設計も特殊になっており、脚部と組み合わせて左右で足の高さを変えることが可能に
ポージングに関しては、ダイナミックな動きを魅せる「雲耀の太刀」シーンを再現できるほか、アニメ作中で表現された名台詞シーン、副武装であるゼネラル・ブラスター、ダイナミック・ナックルまでしっかりと表現することができる。
「雲耀の太刀」シーンにて上空に舞う「ダイゼンガー」
「雲耀の太刀」はダイナミックなポーズだが、肩部の球体関節、腕部の可動域の広さにより難なく表現可能
「太刀」状態の斬艦刀に手を這わせるポーズが武者らしくビシッと決まる
「大剣」状態に変化する斬艦刀シーン
肩と腕の可動域により斬艦刀を背中に回すポーズもとれる
アニメ「スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター」での名台詞シーン“我が斬艦刀に断てぬものなし”が浮かんできそうだ
ゼネラル・ブラスター発射モーションも忠実に再現
左手を引き、力を溜め、解き放つ瞬間を待つ
腕部を飛ばすダイナミック・ナックルも付属台座によって再現可能
今回「HG ダイゼンガー」に触れ、ゲーム作中に登場したままの姿をBANDAI SPIRITSの「HG」シリーズでプラモデル化したことに驚きを隠せず、また出来の良さや可動の広さにも感動を覚える。
「ダイゼンガー」を知るユーザーの1人として、斬艦刀の種類はもう少しあっても良いのではと思うが、この価格帯でこの完成度を考えると致し方ないと思う、それほどまでに満足度が高い。
スパロボ好き、ダイゼンガー好きにはたまらないプラモデルとなっているため、入手できる機会があれば是非手に入れてほしい、お勧めしたい商品である。