今回は、HG 1/144 デミトレーナーYOASOBIコラボVer.のレビューをご紹介します！

HG デミトレーナーYOASOBIコラボVer.は、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMS『デミトレーナー』のYOASOBIコラボバージョン1/144スケールモデルキットです。YOASOBIの楽曲「祝福」の完全生産限定盤CDに付属するガンプラで、学園全体で使用される教習用モビルスーツ『デミトレーナー』がYOASOBIコラボ仕様のデザインで再現されたキットになっています。YOASOBI「祝福」CDの価格は4,400円（税込み）です。HG 1/144 ガンダムエアリアル用マーキングシール YOASOBIコラボVer.、書き下ろし小説「ゆりかごの星」なども付属。

2022年12月に発売予定のHG 1/144 デミトレーナーがYOASOBIコラボVer.で登場。2022年11月に発売されたHG デミトレーナー（チュチュ専用機）をベースに、決闘用のアンテナ、膝部、踵部装甲、スティック、サブマシンガン、シールドを新造。ブルーを基調としたカラーリングやYOASOBIとのコラボバージョン特有の各部マーキングが再現されています。

ちなみにこのデミトレーナーは、ベネリットグループが定期的に行うインキュベーション活動のためのパーティー会場に展示され、モビルスーツに兵器以外の可能性を見出すべく、音楽など様々な形で表現を行うYOASOBI社に所属するメカニカルユニット、Compose Enginieer“Ayase”とVocalize Pilot“ikura”、そしてVisual Mechanicである“Kadowaki”が手掛けたオリジナルペイントが施された機体とのこと。

成型色はコバルトブルーと深みのあるダークブルーがメイン。その他頭部センサーはクリアピンク、関節や内部パーツなどは更に濃いダークブルー成型色での再現となっています。特にカラーガイドの記載はなく、マーキングガイドのみ掲載されていて塗装の必要はなさそうです。

ホイルシールも付属せず。YOASOBIコラボVer.用のマーキングシールが付属しています。淡めのピンクやブルー、メタリック調のブルーラインが特徴的。左下には『夜遊』や『NOVEL INTO MUSIC』の予備シールも付属し、お好みで使用することができます。

ダークブルーや更に濃いダークブルーのパーツにはKPSっぽいマットな質感の素材が使用されています。見た目に落ち着きが出ていいですね。形状自体は2022年12月に一般発売されるHG 1/144 デミトレーナーと全く同じ。

ポリキャップは不使用。関節強度は高めで、負荷のかかるような装備もなく、自立は安定しています。

シールド、サブマシンガン、スティック、スティック用ジョイントパーツが付属。付属品も一般発売されるHG 1/144 デミトレーナーと全く同じです。

HG 1/144 ガンダムエアリアル用マーキングシール YOASOBIコラボVer.が付属。ガンダムエアリアルが手元に1体しかないので今回は使用していません。

パッケージイラストと同じデザインのステッカーが付属しています。

その他、YOASOBI「祝福」のCDや書き下ろし小説「ゆりかごの星」なども付属しています。

シールを貼らない状態で。深みのあるカラーリングで配色もいいですね。全く違和感がないので、マーキングシールを貼らない状態でも十分に楽しめそうです。

形状の異なる部分のみHG デミトレーナー（チュチュ専用機）（以下、チュチュ専用機）と比較しながら各部を見ていきます。

頭部をチュチュ専用機と並べて。ドーム状のシルエットは変わらずですが、前面のセンサーが1つ目ではなくクリアのバイザーで覆われたタイプになります。その他こめかみのビームバルカンがオミット。バイザーはクリアピンク成型色での再現となっています。

特に用途はないですが、上部のフック（フレーム）は展開可能です。センサーはブラックライトで照らすと発光します。ただし発光力はやや弱め。

センサー内部には簡単ながらもメカしいモールドが造形。

アンテナパーツが付属し、上部に組み付けることで決闘時の仕様を再現することができます。

胸部形状はチュチュ専用機と同じ。ですがブルーを基調としたカラーリングや胸板の模様が印象的にデザインされています。左右の丸モールドはパーツによる色分け。中央の『NOVEL INTO MUSIC』文字に面白みがありますね。

肩パーツはボールジョイント接続で前方や上方に幅広く展開させることができます。

腰部もチュチュ専用機と同じ形状で軽装。ダークブルー成型色のみでの再現で、フロントアーマーの模様やリアアーマーの『YOASOBI』文字シールが印象的にデザインされています。

腰アーマー裏に裏打ちパーツはないですが、簡単なモールドが入っています。

腰部には可動ギミックがあり、リアアーマーのロックを外してリアアーマーと共に腰部を展開。

リアアーマーをの位置を変えてロックをかけることで、上半身の角度を変えて固定させることができます。腰アーマーは前後とも幅広く展開可能。

腕部をチュチュ専用機の左腕部（シールドを外した状態）と比較して。全体的な形状は殆ど同じ。ただし上部のシールド用ジョイントパーツがオミットされています。

腕部は各部とも合わせ目が出来ないパーツ構成。肘関節はヒンジのFine to build構造で、簡単にパチンとはめ込んで外装を被せるだけで組み立てることができます。

前腕はロール可能。ハンドパーツは3本指タイプです。チュチュ専用機のような平手は付属していません。前腕には模様のシールを貼るようになっています。

ショルダーアーマーは簡易的な2個パーツ構成。ですが合わせ目は端でモールド化されています。前後には模様と『夜』『遊』のシールを貼るようになっています。

脚部をチュチュ専用機と並べて。大腿部や膝から下の基部形状は同じですが、膝にはデミトレーナー用の装甲が造形され、足首の延長パーツが省かれています。側面のフレキシブルブースターもありません。

膝は腕部と同じくヒンジ接続で簡易的。大腿部、膝から下共に筒型パーツを被せる仕様なので合わせ目はありません。膝装甲には『YOASOBI』のシールを貼ります。

膝は曲げた際に装甲を上下に可動させることができます。

ソール部をチュチュ専用機と並べて。大部分の形状は同じですが、踵がウィルダッシュプラス（ローラー）からフック付きの装甲に変更されています。アンクルアーマーやつま先などには模様のシールを貼り付けます。

脚裏の小型ローラーモールドがない代わりにバーニアが造形されています。

つま先と踵は個別にロール可能です。つま先はボールジョイントで上下にもスイング可能。

背部をチュチュ専用機と並べて。チュチュ専用機は大型ビームライフル用にエネルギータンクを装備していますが、デミトレーナーは通常のシンプルなバックパックになります。側面に3.0mm穴があるので、他キットのアイテムを組み付けるなどカスタマイズも可能。表面には模様のシールを貼るようになっています。

バックパックは前後2枚パーツ構成。デミトレーナー本体とはシンプルな2ダボ接続です。なのでHGUCやHG水星の魔女シリーズキットのバックパックが装備可能。

チュチュ専用機の大型ライフルももちろん装備可能です。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。陸ジムよりも少し小柄。HGの中でも小さい部類に入ります。デミトレーナーの全高は16.2m。

HG デミトレーナー（チュチュ専用機）と並べて。チュチュ専用機は足首に延長パーツがあるのでその分全高が高くなっています。通常のデミトレーナーは小型でいかにも教習用機っぽいですね。

全身各部の可動はチュチュ専用機とほぼ同じ。頭部は少し浮かせることで少し上下に動かせます。左右へはラクにスイング可能。腕はY字程度まで上げることができます。肘は1重関節で、曲がる角度は90度程度まで。

膝は深くまで曲げることができます。腰も干渉なく360度回転可能。

左右への開脚は幅広く展開でき、足首も深くまで角度を変えることができます。前屈も適度に可能。頭部の上下可動がないのと肘が90度までという以外は全体的によく動きます。学園の教習用機に収まらない、柔軟なポーズも再現できるキットになっているのでポージングは楽しめそうです。

サブマシンガン。デミトレーナー用の装備になります。

モナカ割の簡易的な作りですが、上下の合わせ目は段差、段落ちなどでモールド化。センサーは赤いシールでの色分けです。

シールド。シンプルな防御用の装備になります。表面は別パーツでの色分け。裏面には適度なモールドが造形されています。グリップは上下に可動。表面の模様と『夜遊』の文字は香港の夜景のようなデザインで独特の存在感がありますね。

スティック。警棒っぽいシンプルな装備になります。1個パーツ構成。

付属のジョイントパーツを使用することで、腰部にマウントすることができます。スティックがカチッとはまり込むので抜け落ちることはありません。

一通り武装して。

サブマシンガンはグリップを握らせ、前腕をロールさせてダボをはめ込みます。ダボは浅めですが、グリップと前腕の2箇所で固定するので保持が安定します。

シールドはグリップを握らせて前腕にダボ固定します。こちらも2箇所で固定するのでしっかりとした保持が可能。

小型で軽装なので弄りやすく、関節強度も高いのでポージングはかなりラク。ポージングやディスプレイもし易いです。

各部の『夜遊』や『YOASOBI』マークにはコラボ商品ならではの面白さがありますし、他にはないマーキングなので特別感があっていいですね。

決闘用のアンテナを取り付けて。

アンテナを取り付けると指揮官機っぽい容姿になって風格が増したような感じになります。スティックはハンドパーツにしっかりと収まるので、スルッと抜け落ちることなく保持が可能。

チュチュ専用機の大型ビームライフルを装備して。規格が同じなので、大型ビームライフルを装備しても不自由な感じはありません。バランスよく装備させることができます。

武器を持たない状態で。何気にこのような泥臭い格闘系のポーズを取らせたほうが様になるのかも。

適当に何枚かどうぞ。

以上です。チュチュ専用機よりも小柄になったことで、試験機タイプの教習機らしいプロトタイプ感が強くなっています。それにYOASOBIの独特のマーキングが施されているのでインパクトがありますし、肩やシールドの『夜遊』文字にはかなりの存在感があります。カラーリングも通常版とは違った渋さがあるので、マーキングを貼らない状態でも十分に楽しめるキットになっていますね。

気になる点は特になし。コンパクトにまとまっていて取り扱いやすく、関節強度が高いのでポージングもし易いです。足首が深くまで曲がるので接地状態でのポージングも良好。マーキングシールも貼りやすいですし、余白がなく、パーツにきっちりと収まるのでプリントされたような仕上がりになります。設定でも展示用のMSということなので、CDと一緒に飾ってデスクやテーブルの上を華やかにしたり、CDを聞きながらポージングを楽しんでみるのもいいですね。