今回は、HG 1/144 ジークルーネのレビューをご紹介します!

HG ジークルーネは、アプリ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズG』より、MS『ジークルーネ』の1/144スケールモデルキットです。ゲームオリジナル機体の特徴的な形状を再現。ヴァルキュリアレイピア、ヴァルキュリアラウンドシールドといった特徴的な武装が付属するキットになっています。レイピア用の持ち手や平手といった豊富なハンドパーツも付属。価格は1,760円(税込み)です。


厄祭戦の末期に開発されたヴァルキュリア・フレーム採用モビルスーツの一機で、高機動、高出力をコンセプトに設計。戦局を変える存在として期待されていた高性能モビルスーツ『ジークルーネ』がHGでキット化。2016年2月に発売されたHGグリムゲルデの内部フレームをベースに、特徴的な各部外装が新規造形で再現されています。


成型色は淡めのパープルブルーをベースに、二の腕やスネ、ソールなどにダークブルー、腹部動力パイプにホワイト、頭部やシールドなどにライトグレーを配色。その他ヴァルキュリアレイピアの剣身がゴールド成型色での再現となっています。

シールは頭部とリアアーマー、シールドの一部を補うくらいでわずか。肩や膝のモールドなどを塗り分ける必要がありますが、素組みでも十分な色分けが再現されています。


内部、関節パーツや武装類の一部にはダークグレー成型色のKPSが使用されています。ABSは不使用。


ポリキャップは定番のPC-002を使用し、関節強度はまずまず高め。自立は問題なく可能ですが、ソールがハイヒール状で接地面が小さいため、やや倒れやすいところがあります。

ヴァルキュリアレイピア、ヴァルキュリアラウンドシールド、ヴァルキュリアラウンドシールドのワイヤーアンカー用リード線✕2、手首に角度の付いた武器持ち手(右)、平手(左)が付属。

HGグリムゲルデ用の余剰パーツが付属します。


内部フレームを全身から。内部フレームはHGグリムゲルデとほぼ同じですが、頭部と股間部がジークルーネ用に新造されています。ランナータグには『HG1/144 ヴァルキュリアフレーム』と印字。


フレームの上半身(腰部含む)。腹部には曲状の動力パイプ、背部には1基のエイハブ・リアクターが造形。前腕にフレームはなく、外装パーツのみで構成されています。

フレーム脚部。細身ながらも内部フレームがバランスよく造形されています。
ジークルーネの各部をグリムゲルデと比較しながら見ていきます。



頭部。グリムゲルデに似た雰囲気がありますが、前向きの左右白羽が印象的。シャープなメット部もセンサースリットがかなり細身に造形されています。顎の4基センサーとメット部のスリット内部センサーはシールでの色分け。白羽の付け根はグレーに塗り分けが必要です。


頭部には開閉ギミックがあり、メット部を組み替えることで球状の高感度センサーが露出。センサーはシールでの色分けです。


胴体部。前面のV字装甲が印象的に造形。軽装で腹部の動力パイプや内部フレームがむき出しになっています。

グリムゲルデと同じフレーム構造で、肩を左右に可動させることができます。


背部はグリムゲルデに似た3枚フィンのスラスターを装備していますが、左右上部に突き出た装甲が印象的。

スラスターは上下にスイングします。スラスター内部にはスリットモールドが造形。



腰部は各面にスラスターユニットを装備。フロントはスラスター口がダークグレー成型色パーツでの色分けとなっています。リアアーマーはシールでの色分け。


左右には縦長のスラスターが造形。脚の付け根に接続されています。2枚パーツ構成で肉抜き穴などはなし。裏面はメカニカルに造形されています。ボールジョイント接続でポロリもありません。

腰アーマー裏はフロント、リアアーマーともにモールドが造形。丁寧な作りになっています。フロントアーマーはボールジョイント接続でかなり幅広く可動します。


腕部は細身でまとまりのあるデザイン。曲状の肩装甲など、西洋騎士らしさもうまく表現されています。前腕は新規パーツですが、形状はグリムゲルデと同じ。

二の腕は筒型で合わせ目はなし。前腕は左右と前装甲の組み合わせですが、後面の合わせ目は端でモールド化されています。左右の各部モールドをダークグレーに塗り分けが必要。

ショルダーアーマーは前後の組み合わせですが、中央の合わせ目は段落ちモールド化されています。上部や前後のモールドはダークグレーに塗り分けが必要。


脚部もグリムゲルデに似た西洋騎士風のデザイン。後部は全体的に内部フレームが露出します。スネのスリットモールドはダークグレーに、後部動力パイプは白く塗り分けが必要です。

内部フレームに部分的に外装を被せる仕様で合わせ目はなし。

ソール部はハイヒール状。脚甲との2個パーツ構成で作りは簡易的です。足裏には肉抜き穴があります。

HG陸戦型ジム、HGルプスレクスと並べてサイズを比較。HGのキットとしては少し大きめ。ルプスレクスよりもわずかに大きいです。ジークルーネの全高は18.4mですが、キットはややオーバースケール気味。


HGグリムゲルデと並べて。部分的に形状は異なりますが、シルエットやプロポーションなどから同フレームの機体であることが伺えます。グリムゲルデのほうが若干肉厚。


鉄血のオルフェンズGの公開動画に登場するHGグレイズと並べて。

頭部は深くまで顎引きが可能。見上げる動きはそれなりです。顎と襟が干渉するので、左右へのスイングも45度程度まで。

腕はY字程度まで高く上げることができます。肘は2重関節で深くまで曲げることが可能。

肩はフレームと肩関節の2箇所で可動し、前方に適度にスイングします。

フレームの胸部可動によって上半身を適度に前後させることができます。

腰は干渉なく360度回転が可能。アクションベースやスタンドへは、通常通り股間部に3.0mm軸を差し込んでのディスプレイとなります。

前後開脚は、フロントアーマーが柔軟に可動するので、前方へは幅広く展開させることが可能。後方はリアアーマーが干渉しますが、外側に広げて干渉を避けることで広く展開させることができます。

膝は2重関節で深くまで曲げることができます。


足首の前後可動はまずまず。左右へは幅広く可動します。

左右への開脚は水平まではいきませんが、幅広く展開させることができます。

内股、ガニ股ともに広めに展開させることができます。

立膝もきれいな姿勢で再現することができました。
可動域の総括としては、多少可動域が狭い箇所はありますが、全体的には幅広く柔軟に可動します。関節強度もあるのでポロリはあまり気にしなくて良さそうですし、ポージングの自由度も高そうですね。

ヴァルキュリアレイピア。ジークルーネ専用の主力近接武装になります。剣身は希少金属でできていて、ナノラミネートアーマーをも貫通するとのこと。


剣身は左右の組み合わせで一部に合わせ目ができます。一部モールドはグレーに塗り分けが必要。

ヴァルキュリアラウンドシールド。円形状のシールドで、レイピアの運用に適した装備としてジークルーネ専用に開発されたとのこと。4箇所の装甲はダークグレー、白い十字はパーツによる色分けです。一部は黒いシールでの色分け。

裏面も適度にモールドが入っていて肉抜き穴はなし。中央円部をグレーに塗り分けが必要です。

ヴァルキュリアラウンドシールドはリアアーマーにマウント可能です。

4箇所の装甲を取り外し、付属のリード線を組み付けることでワイヤーアンカーが再現可能。リード線はお好みの長さに切って使用してくださいとのこと。

一通り武装して。



ヴァルキュリアレイピアはグリップが太めで収まりはいいですが、角度によっては抜け落ちることもあるので注意が必要です。

遊びはないのでその点は取り扱いがラク。


手首に角度の付いた武器持ち手(右)を使用することで、ヴァルキュリアレイピアを突き刺すようなポーズを再現することが可能。

たまにサイドアーマーが干渉したりすることがありますが、ほぼストレスはなく、自由にポーズを取らせることができます。

平手が付属するので、ポーズに自然な表情をつけられるのがいいですね。

公開動画のような投擲シーンを再現。動画のように剣身が回転する表現は出来ませんが、ある程度の表情をつけることは可能です。剣身がゴールド成型色なので存在感がありますね。



ヴァルキュリアラウンドシールドは前腕に装備。しっかりとダボ固定されるので、簡単に外れることはありません。

リード線を組み付けてワイヤーアンカー射出シーンを再現。リード線はそのまま使用して2基のみのワイヤーアンカー射出シーンを再現してもいいですし、半分にカットして4基の射出シーンを再現してもいいですね。

半分に切って使用する場合は、4基のワイヤーアンカーで独特の射出シーンを再現することができます。


リード線を切らない場合、長さがあるので敵機に巻きつけて振り回すなどの表現をすることができます。
適当に何枚かどうぞ。










以上です。正統派ナイトのような出で立ちで清潔感がありますし、可動も十分で機敏な動きを表現することができます。合わせ目もほぼなく、キットの完成度が高いですし、腰アーマー裏が抜かりなくデザインされているなど、細かな部分にも配慮されているのがいいですね。
気になる点はほとんどないですが、ヴァルキュリアレイピアがハンドパーツからスルッと抜けることがあるので注意です。それと、ポージングで首や腰部、肩部といったポリキャップ接続部分が外れることがありますが、特にストレスを感じるほどではなかったです。
ヴァルキュリアレイピアやヴァルキュリアラウンドシールドといった特殊な武装が騎士感を更に高めてくれますし、ワイヤーアンカーも抜けるなどの不具合もなく、特殊な演出を楽しむことができます。それほど派手さはないですが、劇中でどんな活躍をしても再現できそうな、高い表現力を持ったキットになっているのがいいですね。