Vol.92●[HRUDUDU THETHUTHINNANG]
ガンダムTR-1用のパーツである試作[フルドド]の両ウィングのバインダー・ユニットをガンダムTR-S用の正式採用型の[フルドドⅡ]のウイング・ユニット(推進器とドラムフレーム、サブアーム等で構成される)に代替換装した状態。いうなれば[フルドドⅠプラス]的な部品構成となる。
機首と胴体部分の一部には改良、強化パーツが追加されてはいるが、試作[フルドド]のままとなっており、[フルドドⅡ]として正式採用後には、すべて正式採用パーツに置き換えられる予定であった。
ガンダムTR-6の[フルドドⅡ]のように、正式採用された機体との混同を避けるために[フルドド・セスシナング]という独自のペットネームが与えられている。なお、ガンダムTR-6の命名法則に則った場合、Gファイターの代替機となる「GファイターH」とも呼称される。
●部品構成
・強化機首ユニット:モノアイレールの側面にバルカン砲を搭載。下部メガ粒子砲の収束率を上げるパネル状の開放型バレルとしての機能も有する。[ヘイズル・フレア]の機首ユニットに代替されるパーツ。
・汎用ミサイル・ポッド:機首の左右に備えたラッチに接続して搭載する。MSとの合体時には胸部増加装甲としての役割も持つ。
・強化バレル:バレル下部のヒート・ブレードを取り外し、ビーム収束率の向上と連射時の冷却機能を持つ強化ユニットを装着。下部にセンサーを取り付けるなど、遠距離射撃に特化した仕様となっている。また、バレル接続部の中央にビーム・ガンとしての機能を持つガンダムTR-S用のビーム・サーベルを搭載。これをビーム発振器としてバレル単体での独立した射撃が可能。
・ウィング・バインダー・ユニット:機体左右に装備するバインダー・ユニットで、ドラム・フレーム、ジェネレーター、スラスター、サブアーム等で構成される。ドラムフレーム部分は大型火器の接続と運用をつかさどるプラットホームとしての役割を持つ。推力特化型と近接用のクロー搭載型の2タイプが存在。
・胴体ユニット:機体の中核を構成するコクピットブロックを中心に、強化機首ユニット、強化バレル、左右のバインダーなどが接続される。ガンダムTR-1タイプのバックパックを装備するMSとのドッキング時の基部となる。[ヘイズル・フレア]のコクピットユニットに代替される部品。
●ヘイズル・アウスラ・ラー
グリプス戦役の激化に伴いエゥーゴは、ティターンズの新型MSに対抗するために、FXA-05D Gディフェンサーを開発、RX-178 ガンダムMk-ⅡやMSA-003 ネモなどに装備させてMSの性能強化を図った。これに対してティターンズでも独自の強化パーツ=Gパーツの配備を求める声が寄せられた。
Gパーツの有用性と発展性はMS開発者であれば誰しもが想定するところであり、こうした経緯からティターンズでもFF-X29A Gパーツ[フルドド]が開発されるに至ったのである。FF-X39A[ フルドドⅡ]がその完成系となる予定だったが、ガンダムTR-SがガンダムTR-6へと仕様変更になったことで、共通パーツである胴体ユニットの設計も影響を受け、開発が遅延することとなった。
そこでティターンズの開発陣はギャプランTR-5[フライルー]をベースとして実戦投入と試験を終えていた[フルドドⅡ]のウィングパーツと、実験段階ではあったが、ホルスト形態などでもその強度と汎用性が高い評価を受けた試作[フルドド]の機首、そして胴体部分を強化、流用したパーツを組み合わせた[フルドドⅠプラス]ともいえる[フルドド・セスシナング]が用意された。そして、それに設計が一部完成していた[ヘイズル・フレア]の機首と胴体部分を使用したアップデート機が[フルドド・セスシナング・フレア]である。
両機は順次生産され、一部は主に[ヘイズル・アウスラ]配備部隊とはじめとする(合体可能なトランス・パックによるTR-1型バックパック装備機が配備されている)前線部隊に贈られた。
機体を構成する胴体部品は異なっているが、そうした違いにかかわらず、合体後の機体は名称の末尾に「ラー(Ⅱ)」が付与される。
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