アニメ『新機動戦記ガンダムW』30周年を迎える2025年に、BANDAI SPIRITSから「METAL ROBOT魂<SIDE MS>ウイングガンダム」、「S.H.Figuarts ヒイロ・ユイ」が登場。通販サイト「プレミアムバンダイ」内の「魂ウェブ」にて、本日7月25日16時より予約受付を開始する。
TVアニメ『新機動戦記ガンダムW』から「ウイングガンダム」が「METAL ROBOT魂」で、そして、そのパイロットである「ヒイロ・ユイ」が「S.H.Figuarts」でそれぞれ立体化された。
「METAL ROBOT魂<SIDE MS>ウイングガンダム」&「S.H.Figuarts ヒイロ・ユイ」
「ウイングガンダム」は地球降下作戦「オペレーション・メテオ」遂行のため、ドクターJが開発したモビルスーツ。その名の通り翼を背負ったようなデザインが特徴的で、高威力のバスターライフル、白兵戦用のビームサーベル、頭部バルカン、マシンキャノンを備えた汎用性に優れた機体となっている。そして、高速飛行を可能とするバード形態に変形することができる。
そして、パイロットの「ヒイロ・ユイ」は感情に左右されることなく任務を遂行する「完璧な兵士」として、徹底的に教育された少年で、リリーナとの出会いの中で、眠っていた彼本来の人間らしい感情を取り戻していく。戦乱の中で彼は自分の心を信じて、平和のために戦い続けた。
【第1話|ガンダムW【ガンチャン】】
本稿では「METAL ROBOT魂<SIDE MS>ウイングガンダム」と「S.H.Figuarts ヒイロ・ユイ」の試作品の写真を交えて、「METAL ROBOT魂<SIDE MS>ウイングガンダム」の企画担当をされたBANDAI SPIRITSコレクターズ事業部 ロボット企画2チーム チーフの寺島塁氏と「S.H.Figuarts ヒイロ・ユイ」の企画担当をされた立花伸一氏に各アイテムの魅力を伺った。
「METAL ROBOT魂」に凝縮されたTV版「ウイングガンダム」のカッコよさ
――「METAL ROBOT魂<SIDE MS>ウイングガンダム」の立体化の経緯をお聞かせください。
寺島氏:昨年(2024年)に『機動武闘伝Gガンダム』が30周年を迎え、そこからガンダムシリーズのオルタナティブ作品である『新機動戦記ガンダムW』、『機動新世紀ガンダムX』の周年が続いております。
そして、今年2025年は『新機動戦記ガンダムW』の30周年イヤーとなっております。
商品化に関しても、コレクターズ事業部内で展開されているガンダムシリーズのブランドの中で「METAL BUILD」、「METAL ROBOT魂」の合金を使用した2大ブランドの人気が高く、「『新機動戦記ガンダムW』30周年を盛り上げるならこのどちらかのブランドから立体化したい」となり、今回「METAL ROBOT魂」ブランドに白羽の矢が立ちました。
「METAL ROBOT魂」シリーズもラインナップが広がり、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のタイミングでさらにブランドとして一つランクが上がった実感もありました。
そのため各ガンダム作品の主人公機を「METAL ROBOT魂」ブランドで積極的に商品化していきたいという想いがあります。
「METAL ROBOT魂<SIDE MS>ウイングガンダム」
――「ウイングガンダム」と聞くと、個人的に『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』の「ウイングガンダムゼロ(EW版)」が真っ先に思い浮かんだので、今回のTV版の「ウイングガンダム」の立体化はかなり新鮮な印象を受けました。
寺島氏:おっしゃる通り『新機動戦記ガンダムW』はTVシリーズがあり、OVAの『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』、さらに小説『新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop』などがあります。
その中でもTV版とOVAの「ウイングガンダムゼロ」はやはり印象的な機体だと思います。
そのため、TV版「ウイングガンダム」を取り上げるタイミングが「ウイングガンダムゼロ」と比べると少ないので、『新機動戦記ガンダムW』を盛り上げるタイミングで改めてしっかりとTV版の機体をラインナップしたいという想いもありました。
『新機動戦記ガンダムW』30周年を迎えて「ウイングガンダム」がMETAL ROBOT魂化
――造形面について質問です。2014年に「ROBOT魂<SIDE MS> ウイングガンダム」が発売されましたが、「METAL ROBOT魂」になったことで進化した点などはありますか?
「ROBOT魂<SIDE MS> ウイングガンダム」2014年2月8日一般店頭販売
寺島氏:当時の「ROBOT魂<SIDE MS> ウイングガンダム」から進化したというよりも、今回の「METAL ROBOT魂<SIDE MS>ウイングガンダム」は新規金型でコンセプトも含めて全くの別物となっております。
特に劇中のプロポーションやTV版の印象値をすごく大事にして造形をしております。
劇中のプロポーションを再現
――「ウイングガンダム」といえば頭部のひさし部分などがかなり特徴的ですね。
寺島氏:そうですね。「ウイングガンダム」の頭部は二重ひさしになっていまして、こちらの造形にもこだわりました。
「ウイングガンダム」のツバ部分は平ツバのようなフラットな造形になっていて、目元が優しく丸い印象になっています。そこで二重ひさしの造形をしっかりと出すことで、角度を付けた時に見得を切るような立体物的なカッコよさにも繋がるようにその設定も拾いました。
――劇中でも角度によって印象が違って見える顔つきでした。
寺島氏:劇中でも作画によって表情が変わる機体ではあるので、そうした表情の変化や横顔の印象も意識しました。
「ウイングガンダム」頭部のひさし造形を再現
角度によって表情の印象も変化
――ダイキャストを使用した箇所はどれくらいありますか?
寺島氏:基本的には関節周りに使用しております。商品ページにも掲載しておりますが、全身に渡ってダイキャストが入っている構造ですので、かなり堅牢な作りになっております。
――バスターライフルの造形もシャープでカッコイイですね。
寺島氏:バスターライフルは劇中設定でカートリッジ方式になっていますので、今回はそのカートリッジの入れ替えをイメージした展開ギミックを盛り込んでおります。
「ウイングガンダム」の最大の武器であるバスターライフル
カートリッジ装填をイメージした展開ギミックを搭載
――シールドもビームサーベルの収納ギミックはありますか?
寺島氏:もちろん、シールドの収納ギミックも再現しております。
印象的なシールド
ビームサーベルの収納ギミックも再現されている
――「ウイングガンダム」はギミック的にはシンプルな印象ですが、オリジナルのギミックを盛り込む予定は開発段階でありましたか?
寺島氏:「ウイングガンダム」はシンプルなデザインの中にモビルスーツ形態とバード形態があるがゆえに、ギミックを盛り込んで魅せることもできます。
しかし、ギミックがシンプルゆえにプロポーションでカッコよさや美しさを魅せていかなければならないと開発をしていく中で思いました。
両形態のプロポーションバランスの両立が大変でしたね。
――劇中では「ウイングガンダムゼロ」を参考に「ウイングガンダム」が作られましたが、2021年に発売された「METAL ROBOT魂<SIDE MS> ウイングガンダムゼロ」を意識した部分などありますか?
「METAL ROBOT魂<SIDE MS> ウイングガンダムゼロ」2021年12月15日一般店頭販売
寺島氏:「METAL ROBOT魂<SIDE MS> ウイングガンダムゼロ」で意識した点としては、本商品と並べた時やブランドとしての飾りざまを意識しました。
ただ、今回の「METAL ROBOT魂<SIDE MS> ウイングガンダム」はあくまでTV版コンセプトに寄せた造形となっているので、「METAL ROBOT魂」ブランドとして意識した部分は少ないですね。
――彩色に関してもマーキングが施され、情報密度が高いものになっている印象を受けました。
寺島氏:「METAL ROBOT魂」ブランドとしてマーキングも強みになってきており、「機動戦士ガンダムSEEDシリーズ」や『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』から増えていきましたね。
なので、比較的に他のブランドよりもマーキングによる情報密度の高さを感じられるものになっているかと思います。
――TV版を意識しつつ「こういったマーキングが入っていたのでは?」という「METAL ROBOT魂」オリジナルデザインでしょうか?
寺島氏:TVアニメでは基本的にマーキングが入っていないので、そこで立体物としてのカッコよさを意識したデザインになっています。
各部にマーキングが施され情報密度の高い外観に
――可動についてはいかがでしょうか? アクションを決める際にこだわった可動箇所はありますか?
寺島氏:そうですね。可動については特にバード形態への変形とモビルスーツ形態での可動を考える必要がありました。
例えば脚部の構造的に膝関節がバード形態の時はクランクして逆に展開しますが、モビルスーツ形態では通常の2重関節として可動する必要があります。関節としては複雑になっていく中で可動域はもちろん、遊びやすさを極力阻害しないように意識しました。
――腰回りも反りの動きなどかなり柔軟な印象ですね。
寺島氏:そうですね。腰部の反った動きなど大胆に動かすことができます。
――本体の可動はもちろんですが、今回ビームサーベルエフェクトも動きのついたものがあり、さらに迫力ある動き、アニメのシーン再現がはかどりそうです。
寺島氏:先ほどもありましたが、武装がシンプルなので今回エフェクトという形で遊びのバリエーションを出したいなと思いました。特に一番大きい薙ぎ払いのエフェクトパーツは、TVアニメ第7話でのシャトルを切り落としてしまったシーンなどを再現できるように意識したものになっています。
ビームサーベルの斬撃表現をエフェクトで表現
薙ぎ払いのビームエフェクトは迫力抜群
――最大の特徴であるバード形態への変形について教えてください。
鳥のようなシルエットのバード形態
寺島氏:なるべくTVアニメの劇中イメージに近い変形を意識しております。
細かい部分では肩のアーマーは、バード形態ではスライドさせてアーマーが二の腕を覆う位置に来るので、その際に上部にくるカバーパーツにもモールドの意匠が見えるように造形しております。
バード形態時のカバー部分にもモールド造形が施されている
――ウイングパーツに関してですが、展開した際のアレンジなどはありますか?
寺島氏:ウイングパーツは展開すると3枚羽になるデザインになるのですが、「METAL ROBOT魂」オリジナルとして外翼の先端がさらにスライドして伸びるようになっています。
印象的なTVシリーズのサブタイトルバックで飛翔するようなポージングやアクションポーズの際に一段階伸ばすことで、より奥行きが出せるので躍動感を出せるかなと思います。
飛翔ポーズがより躍動感あるものに
――バード形態は変形機構や外観はシンプルですが、それゆえに洗練された美しさやカッコよさが感じられます。
寺島氏:そうですね。ただ、バード形態ではシールドにさらにバスターライフルが付くので重量バランスには苦労しました。
――「METAL ROBOT魂<SIDE MS>ウイングガンダム」を開発する中で特にこだわったポイントや苦労したポイントをお聞かせください。
寺島氏:こだわりのポイントは彩色ですね。アニメ劇中を意識した色味で、ブルーやレッドも暗めに落とすような渋めの印象を目指したものになります。
細かいところで胸部のレンズ部分には奥にディテールが入っていたりするので細かいところにも注目してほしいです。
レンズの奥にもメカディテールがしっかりと作り込まれている
寺島氏:苦労したポイントですと、先ほどもありましたモビルスーツ形態とバード形態のそれぞれのプロポーションや遊びやすさの両立ですね。何かしらのトレードオフになるので、そのバランスには気を付けました。
――最後にユーザーへのメッセージをお願いいたします。
寺島氏:なんといっても『新機動戦記ガンダムW』30周年のお祝い年ですので、作品のファンの方もたくさんいらっしゃると思います。
そこで、まずは作品の30周年をお祝いして盛り上げていく中で、「METAL ROBOT魂<SIDE MS>ウイングガンダム」を手に取っていただければと思います。
――ありがとうございました。