『マクロスΔ』の主人公機がついにHGで立体化です。
2016年に放送された「マクロス」シリーズの7作目となるアニメ『マクロスΔ』(マクロスデルタ)は、シリーズで初めて5人組音楽ユニット「ワルキューレ」が登場するなど、新たな魅力が詰まった作品でした。BANDAI SPIRITSが展開するキャラクタープラモデルシリーズにおいてもメカコレクションシリーズや1/72スケールシリーズで各種機体が立体化されました。そして、2025年7月26日に待望のHGシリーズでも『マクロスΔ』登場機体のキットが発売となります。本記事ではHGマクロスΔシリーズ第1弾となるプラモデル「HG 1/100 VF-31J ジークフリード (ハヤテ・インメルマン機) デラックスセット」を紹介します。
「HG 1/100 VF-31J ジークフリード (ハヤテ・インメルマン機)」はHGマクロスシリーズ恒例の一部差し替え変形を採用したプロポーション重視のキット構成です。
シリーズ初の5人組音楽ユニットが登場!『マクロスΔ』
本キットが登場するテレビアニメ『マクロスΔ』は、西暦2067年の移民惑星が舞台。シリーズ初となる5人組音楽ユニット「ワルキューレ」のコーラスワークと、バルキリーによるドッグファイトが融合したアクションシーンが見どころです。
ファイター時はランディングギアの展開を選択式で再現可能です。
「VF-31J ジークフリード」はシリーズ初のインサート成形を採用
本キットにはシリーズ初となるインサート成形の色分けパーツが採用され、パーツを切り離すだけで複雑なカラーリングを再現できます。また、本キットはVF-31本体のみが付属した通常版と、フレイア・ヴィオンのアクリルスタンドとオリジナル水転写式デカールが付属したデラックスセットを展開します。これまでに発売されたHGマクロスシリーズキットと同様に専用水転写式デカールも同時発売されます。
「HG 1/100 VF-31J ジークフリード (ハヤテ・インメルマン機)」通常版のパッケージ
「HG 1/100 VF-31J ジークフリード (ハヤテ・インメルマン機)」デラックスセットのパッケージ
「HG 1/100 VF-31J ジークフリード (ハヤテ・インメルマン機) 専用水転写式デカール」(価格:770円)も同時発売
今回レビューするのは「HG 1/100 VF-31J ジークフリード (ハヤテ・インメルマン機) デラックスセット」です。早速ランナーを見ていきましょう。
本キットには、HGマクロスシリーズで初となるインサート成形パーツが採用されています。また、デラックスセットにはVF-31Jを構成するパーツのほかに、専用水転写式デカールとフレイア・ヴィオンのアクリルスタンドが付属します。デザインは『マクロスΔ』キャラクター原案・実田千聖氏(CAPCOM)による新規描き下ろしイラストを使用したものとなります。
Aランナーは多色成形ランナーでキャノピーやセンサー類のクリアパーツを含みます。
B1ランナーは白色の成形色で、カナード翼やファイター形態、ガウォーク形態の機首部分を構成します。
B2ランナーはB1ランナーと同様に白色の成形色で、主翼の一部等を構成します。
CランナーもB1ランナーと同様に白色の成形色で、ガンポッドの外装等を構成します。
Dランナーは脚部や腕部装甲を構成し、同一形状ランナーが2枚付属します。
Eランナーは、各部のブルー部分の装甲が成形されています。
Fランナーは、各部のパープルグレーのパーツが成形されています。
Gランナーはハンドパーツやガンポッド、主翼基部といったフレームパーツが成形されます。
Hランナーは脚部やランディングギアのフレームパーツを含み、同一形状ランナーが2枚付属します。
I1ランナーには機首先端のブラック部分が、K1ランナーには1/100フレイア・ヴィオンのフィギュアが成形されます。
Jランナーは本キットの特徴の一つであるインサート成形パーツです。
本機の色分けやマーキングにはシールが採用されます。
デラックスセットにはフレイア・ヴィオンのアクリルスタンドが付属します。
センサー部分の色分けがパーツ分割によって再現された頭部パーツ
頭部は、センサー部の色分けがパーツ分割で再現されます。本キットには、通常のクリアパーツではなくパール入りのクリアパーツが採用されています。
パーツ状態での頭部。センサー部分の色分けはパーツ分割で再現されます。
完成した頭部パーツ。センサー部分のクリアパーツはパールの入ったクリアパーツで再現されています。
胸部にインサート成形パーツを採用した胴体部パーツ
本機の胴体部パーツには胸部にインサート成形パーツが採用されており、シールによる色分けを一部省略することが可能となりました。また、肩部関節には引き出し式関節が採用され、可動域が広がっています。
組み立て前の胴体部パーツ。胸部装甲はインサート成形されています。
組み立て後の胴体部パーツ。肩部の引き出し式関節により、広い可動域を有します。
4種のハンドパーツが付属する腕部パーツ
VF-31の腕部は左右各4種類のハンドパーツが付属します。右腕には握り手、武器持ち手、ワルキューレハンドサイン、ガンポッド持ち手の4種類が付属します。なお、左手のハンドパーツには右腕と同様に握り手、武器持ち手、ワルキューレハンドサインの3種類と開き手の計4種類が付属します。
また、肘関節は二重関節により、約135度まで曲げることが可能です。
パーツ状態での腕部パーツ。肩部のカナード翼はシールによる色分けです。
完成した腕部パーツ。ハンドパーツは左右各4種類が付属します。
右腕部のハンドパーツにはガンポッド持ち手、左腕部のハンドパーツには開き手が付属します。
肘関節は約135度可動します。
引き出し式関節が採用された腰部パーツ
腰部パーツにおける脚部との接続部には軸可動による引き出し式関節が採用されており、肩部同様に可動域が広がっています。
パーツ状態での腰部パーツ。股関節のジョイントは軸可動により引きだせます。
完成した腰部パーツ。中央部のグレーラインはシールによる色分けです。
各種形態に応じて変形する脚部パーツ
脚部パーツのパーツ構成は膝関節および足部が左右共通パーツとなります。膝関節には腕部と同様に二重関節が採用され、大きく可動します。また、関節各部に伸縮ギミックが搭載され、各形態時にベストなプロポーションが再現できるよう工夫されています。
パーツ状態での脚部。膝関節と足部は左右共通パーツです。
組み立てが完了した脚部。各部関節に伸縮ギミックが搭載されています。
膝関節は二重関節により約135度まで可動します。
インサート成形パーツがふんだんに使用された主翼パーツ
本機の主翼パーツの色分けにはインサート成形パーツがふんだんに使用されています。また、各部の機体番号等マーキングはシールによる再現となっています。
パーツ状態での主翼パーツ。主翼のツートンカラーはインサート成形による色分けです。
完成した主翼パーツ。機体番号等マーキングはシールで再現します。
ガンポッドは着脱可能な背面武装
本キットの背面武装はガンポッドが着脱可能になっており、形態に合わせて手持ち武装にも固定武装にも対応しています。また、センサーユニットは展開状態で再現されます。
パーツ状態での背面武装。センサーユニットは展開状態で固定です。
組み立てが完了した背面武装。ガンポッドは着脱式となります。
以上でバトロイドを構成するパーツは全て完成です。次章より他の形態で使用するパーツを組み立てます。
単座、複座が組み換え可能な機首パーツ
ガウォーク時およびファイター時に使用する機首パーツは、単座と複座が選択式で再現可能です。また、パイロットフィギュアはハヤテとフレイアがそれぞれ2種類ずつ付属し、好きな組み合わせを選択可能です。
組み立て前の機首パーツ。単座と複座が選択可能です。
組み立て後の機首パーツ。キャノピーのクリアパーツにもパールが入っています。
組み立て後にキャノピーは開閉させることが可能です。
パイロットフィギュアは4種類から選択可能です。
肩部パーツはファイター時に差し替えパーツでカナード翼に変形
ファイター時の肩部パーツは変形ではなく差し替えパーツでカナード翼に変形します。カナード翼の色分けは肩部と同様にシールによる色分けとなります。
パーツ状態でのカナード翼。ファイター時でのスタイル向上のため、少ないパーツ数で再現されます。
完成したカナード翼。カナード翼の色分けはシールによる再現です。
差し替えで展開状態を再現可能なランディングギア
本キットのランディングギアは差し替えによって展開状態を再現します。展開状態のランディングギアは脚部に2箇所、機首に1箇所取り付けます。
パーツ状態でのランディングギア。脚部2箇所、機首1箇所に取り付けます。
完成したランディングギア。一部色分けはシールによる色分けとなります。
ガウォークおよびファイター時の頭部は専用パーツで再現
ガウォークおよびファイター時において頭部パーツは機体上部に格納されます。本キットでは格納時のプロポーションを確保するため、専用パーツで再現されています。専用パーツを使用することでファイター時の機体の厚みを適切なプロポーションで再現しています。
パーツ状態での格納状態頭部。展開状態と比較して厚みが抑えられています。
完成した格納状態頭部。機銃以外の色分けはシールによる色分けとなります。
その他付属品としてアサルトナイフおよび、フレイアのフィギュアも付属
本キットのその他付属品として、手持ち武装のアサルトナイフ2本とフレイアのフィギュアおよびマルチドローン型台座が付属します。マルチドローン型台座はアクションベースに取り付けることも可能です。
アサルトナイフは2本付属します。
フレイアのフィギュアはマルチドローン型台座にセットすることでアクションシーンを再現できます。
各形態でベストなプロポーションを確保したVF-31
以上で本キットを構成するパーツは全て完成しました。ここからは完成したキットを見ていきます。最初はバトロイド形態のプロポーションを見ていきます。各種形態への変形を差し替え変形とすることで、ベストなプロポーションを再現しています。
正面から見たバトロイド時のVF-31。特徴的な細身のシルエットが忠実に再現されています。
背面から見たバトロイド時のVF-31。主翼はインサート成形による色分けです。
側面から見たバトロイド時のVF-31。腕部固定武装のミニガンポッドは回転させることで展開可能です。
バトロイド頭部のアップ。センサー部分はパールの入ったクリアパーツで再現されます。
バトロイド時の可動域は差し替え変形を採用することで、大きなポージングも可能です。また、デザイン上、股関節部にスカートパーツもないため、立て膝ポーズも違和感なくポージングできます。
股関節の引き出し関節等を活用することで膝立ちポーズも自然に決まります。
ガンポッドは手持ち武装としても装備させることが可能です。また、左手を開き手とすることでガンポッドの両手持ちも可能です。
肩部引き出し式関節によってガンポッドの両手持ちも可能です。
バトロイド状態においても、アクションベースを使用したポージングが可能です。各関節の保持力もほどよく、狙ったポーズで固定できます。
アクションベースを使用したポージング。躍動感のあるポージングが決まります。
ミニガンポッドは内側までしっかりとモールドが彫刻されています。
その他、手持ち武装としてはアサルトナイフが2本付属します。ナイフは武器持ち手のハンドパーツでしっかりと保持できます。
アサルトナイフを保持したポージング。専用武器持ち手が付属します。
ここからはバトロイドからガウォークに変形させます。ガウォークへの変形では、脚部、腕部、胸部、主翼、背面武装を機首パーツに取り付けます。また、脚部はエアインテークのカバーを外します。
ガウォーク形態に変形する際に使用するパーツ。胴体部や腰部、頭部は余剰パーツとなります。
脚部の変形はガウォーク形態に合わせて鳥脚状態に変形させます。この際、膝関節の装甲は干渉しないよう前部に展開させます。
変形させた脚部。ガウォーク状態では鳥脚状態になります。
主翼および背面武装は背面武装の角度を調整し、主翼を展開します。
変形させた主翼は前進翼の形状となります。
胸部の変形は胸部装甲の角度を変更します。
胸部の変形は角度の変更のみです。
以上で各部パーツの変形は完了です。機首パーツに合体させてガウォーク形態を完成させます。
正面から見たガウォーク形態。この状態でもガンポッドを持たせることも可能です。
背面から見たガウォーク形態。これまでのガウォークと同様に主翼が後方に張り出した形状となります。
側面から見たガウォーク形態。バトロイド時と同等の可動域を有します。
ガウォーク形態でのアクションポーズは別売りのアクションベースを使用することでより躍動的なポージングが可能です。
ガウォーク形態でのポージングはバトロイドと同様にミニガンポッドを使用可能です。
ハンドパーツの開き手はガンポッドの両手持ち以外にもポージングに表情をつけることが可能です。
開き手ハンドパーツは様々なポージングで活躍してくれます。
本機のマルチセンサーは、内部の各部の色分けがシールで再現されています。また、展開ギミックを省略した固定式の造形となっているため、展開した状態でベストなプロポーションとなります。
マルチセンサーの内部もシールで色分けされています。
ガンポッドなど、機体の各部にある文字のマーキングはシールによる再現となります。このマーキングは別売りの水転写式デカールでも再現可能です。
ガンポッドなどの文字マーキングはシールによる再現です。
足部はファイター時のスラスターノズルを兼用しているため、足裏にも噴射口のモールドが造形されています。
足裏にもしっかりとモールドが入っています。
最後にガウォーク形態からファイター形態に変形させます。ファイター形態への変形はガウォーク形態から、マルチセンサーと腕部を取り外します。ガンポッドは外装を収納し、銃身を縮めます。
ファイター形態に使用するパーツ。ランディングギアは展示方法の好みに合わせて選択可能です。
変形が完了したガンポッド。全体を縮め、コンパクトにします。
本体の変形は脚部を一直線に変形させ機体後方の主翼とドッキングさせます。
変形が完了した本体。脚部の固定には固定用腕部パーツを使用します。
以上で各部の変形は完了です。各パーツを合体させて、ファイター形態を完成させます。
正面から見たファイター形態。前進翼を持つ特徴的な戦闘機となります。
背面から見たファイター形態。足首の可動を活用してノズル角度を変更可能です。
側面から見たファイター形態。差し替えパーツを使用することで厚みのないきれいな機体形状を再現しています。
ファイター形態での展示においてもアクションベースを使用した飛行状態の展示も可能です。アクションベース使用時はガウォーク形態と同じジョイント穴を使用して展示します。
アクションベースを使用したファイター形態。アクションベースを使用することで躍動感のある展示が可能です。
ファイター形態では脚部のコンテナを展開することでドローン展開状態を再現可能です。
コンテナを展開した状態。内部にはドローンのモールドが刻印されています。
ファイター形態のスラスターをガウォーク時のような形状に変形させることで、空中ブレーキをかけるアクションポーズをとらせることが可能です。
脚部のみを変形させることで空中戦闘機動を再現できます。
ファイター形態ではスラスター角度を調整することでアクションに表情をつけることができます。
スラスター角度により飛行シーンにも表情が出ます。
主翼下面には腕部の形状を彷彿とさせるモールドが確認できます。
主翼下面には差し替えパーツの腕部を取り付けます。
VF-31と同スケールのフレイア・ヴィオンはマルチドローン型台座を使用することで一緒に展示が可能です。
フレイア・ヴィオンは1/100スケールながら、フレイアだと分かる細かい造形です。
本キットのデラックスセットにはフレイア・ヴィオンのアクリルスタンドが付属します。VF-31と一緒に展示することで『マクロスΔ』の世界観をより楽しむことが可能です。
VF-31とアクリルスタンドはセットで展示することで世界観が広がります。
今回紹介した「HG 1/100 VF-31J ジークフリード (ハヤテ・インメルマン機)」はシリーズ初となるインサート成形パーツを使用したキットでした。インサート成形パーツの採用により、塗装をしないユーザーも簡単に色分けされたキットを組み立てることが可能です。
また、デラックスセットに付属するアクリルスタンドは新規描き下ろしイラストが使用されており、ファンにとってはぜひとも手に入れたい内容となっています。今後の商品展開としてマキナ・中島のアクリルスタンドが付属した「HG 1/100 VF-31C ジークフリード(ミラージュ・ファリーナ・ジーナス機)デラックスセット」の発売も決定しているため、ワルキューレメンバーのコンプリートを目指し、こちらも要注目です。