「MG 1/100 GUNDAM SIDE-F限定 RX-93 νガンダム Ver.Ka (サイコフレーム発動イメージカラー)」レビュー
サイコフレームの光を纏った「νガンダム」
吉田航平
【MG 1/100 GUNDAM SIDE-F限定 RX-93 νガンダム Ver.Ka (サイコフレーム発動イメージカラー)】
開発・発売元:BANDAI SPIRITS
発売日:2022年8月6日
価格:7,700円(税込)
福岡県の「ガンダムパーク福岡」内ショップエリア「GUNDAM SIDE-F」では、ここでしか手に入らない限定アイテムが数多く販売されている。
そして、「GUNDAM SIDE-F」にて限定ガンプラ「MG 1/100 GUNDAM SIDE-F限定 RX-93 νガンダム Ver.Ka (サイコフレーム発動イメージカラー)」が8月6日に発売した。価格は7,700円(税込)。
2012年12月に発売された「MG 1/100 νガンダム Ver.ka」の「GUNDAM SIDE-F」限定カラーで、ガンプラの中でも濃密なディテールとメカデザイナー・カトキハジメ氏によるアレンジが加わった「Ver.ka」では、装甲ギミックをはじめとした新解釈によって「νガンダム」の新たな魅力が引き出されている。
「νガンダム」は映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」にてアムロ・レイが搭乗したモビルスーツで、宿敵シャア・アズナブルの「サザビー」と激戦を繰り広げた。
圧倒的な戦闘センスで宇宙空間を駆け巡り、ビーム・ライフルや背面バズーカなどのアクロバティックなアクションや、フィン・ファンネルによる攻撃やシールド展開と「νガンダム」ならではのギミックでスクリーンを彩った。そして、終盤ではアクシズを押し返す奇跡を引き起こした。
「MG 1/100 GUNDAM SIDE-F限定 RX-93 νガンダム Ver.Ka (サイコフレーム発動イメージカラー)」では、劇中のグリーンのサイコフレームの光を纏ったカラーリングが再現され、神秘的な印象となっている。
今回は、その「MG 1/100 GUNDAM SIDE-F限定 RX-93 νガンダム Ver.Ka (サイコフレーム発動イメージカラー)」の魅力を紹介する。
ラメや艶のあるグリーンによって彩られた「νガンダム」
パッケージはカトキハジメ氏によるサイコフレームを露出させた凛々しい立ち姿が描かれている。
ランナーは限定カラーとなっており、内部フレームは濃いグリーンで彩られ、装甲パーツもグリーンを含んだ鮮やかな色合いとなっている。胸部周りの装甲はラメ入りの成型色でサイコフレームの光を感じさせる演出がなされている。
また、コックピット周りも鮮やかなクリアグリーンとラメが入っている。ビームサーベルのエフェクトも、劇中のピンク色からサイコフレームに合わせたグリーンとなっている。
その他、取扱説明書の他にシルバーシール、カラーシール、水転写デカールが付属している。
シルバーシールはセンサー類に使用するほか、サイコフレーム部分に使用。水転写デカールはカトキハジメ氏デザインのディテール再現が可能。


MGだからできる作りごたえ抜群の組み立て
組み立ては豊富なパーツによって作りごたえ抜群。マスターグレードならではの内部フレームによる濃密なディテールと細かな装甲の分割が可能となっている。
胸部のダクト下の装甲は標準カラーの黒とガンダムフロント東京の「DOME-G」にて登場する白を選択することができる。今回は「DOME-G」カラーで組み立てる。
細かなパーツが集結した精悍な頭部
頭部も細かなパーツ分けによって色分けされ、大きめの4つのアンテナの存在感と細面のすっきりした輪郭が精悍な印象と与える。劇中のアムロ・レイの大人びた印象とリンクして、強者の気質が感じられる。
メカ表現と可動を搭載した腕部と肩アーマー
腕部の内部フレームも細かなパーツによって構成され、肘関節の可動に合わせたシリンダー表現も再現されている。
マニピュレーターはランナーひとつで構成され、五指の可動に指の関節可動も搭載されている。手のひら部分には武装を固定するジョイントが収納され、様々なシチュエーション表現が可能となっている。
精密なパーツ構成で組みあがる濃密な脚部
脚部はキットの中でもより内部フレームが作りこまれ、リアリティある造形となっている。そこに装甲パーツを重ねていくことで、重厚感ある質感とともに関節部の可動域を確保するマスターグレードならではの機能美が盛り込まれている。
厚みのある装甲とバックパック、武装の数々
腰部はパーツの積層によって色分けとともに、裏面から見ても作りこまれたディテール表現がされている。
バックパックはノーマルバージョンとダブル・フィン・ファンネルバージョンを選択して組み立てる。もちろん、組み終わった後に一部装甲を入れ替えて組み替えることも可能となっている。
武装はビーム・ライフル、ニュー・ハイパー・バズーカ、シールド、ビーム・サーベル、予備のビーム・サーベルがある。
フィン・ファンネルは内蔵されている接続パーツによって、各基を連結することができる。
仕上げに水転写デカールを張り付けることで、パッケージデザインに近いディテールを再現することができる。
次のページで完成した「MG 1/100 GUNDAM SIDE-F限定 RX-93 νガンダム Ver.Ka (サイコフレーム発動イメージカラー)」を見ていこう。
神秘的な雰囲気を放つ「νガンダム」
ここまでの作業で「MG 1/100 GUNDAM SIDE-F限定 RX-93 νガンダム Ver.Ka (サイコフレーム発動イメージカラー)」を素組みし、各部に水転写デカールを貼り付けた。
完成した「MG 1/100 GUNDAM SIDE-F限定 RX-93 νガンダム Ver.Ka (サイコフレーム発動イメージカラー)」は密度の高い造形で、全長約22cmのサイズ感によって迫力も抜群。
本体だけの状態でも劇中に近いイメージとなっており、アムロ・レイが乗った初代ガンダムを進化させた印象となっている。ここからは各部ギミックと可動域について紹介していこう。
動きによって見える美しいメカ描写
可動によって肘や膝はシリンダーが露出し、マスターグレードだからこそできるメカ描写が美しい。マニピュレーターは各指が可動、他にもハッチ開閉や脚部のスパイク展開も搭載され、劇中のメカ設定が盛り込まれている。
映画のアクションが蘇る武装とポーズの融合
そして、各武装を装着することで「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で活躍した「νガンダム」となる。マントのように広がるフィン・ファンネルを背負った左右非対称のシルエットが完成する。
ビーム・ライフル、シールドを構えれば、ガンダムらしさが増す。そして、ニュー・ハイパー・バズーカは砲身を短くしてバックパックにマウントすることができる。
バックパックはビーム・サーベルラック部分を取り換えることで、ダブル・フィン・ファンネル装備バージョンにすることができる。なお、本来のダブル・フィン・ファンネル装備は左右に6基ずつフィン・ファンネルを装着した状態となる。
本キットでは左右に3基を装備した状態が可能となっており、マントを背負ったようなシルエットとなり、バランスの取れたフォルムとなる。
サイコフレームが魅せる神秘的な装甲展開ギミック
本キットの特長である装甲展開ギミックは、展開した箇所からサイコフレームが露出。鮮やかなクリアグリーンの放つラインが神秘的に映える。
サイコフレーム発動イメージカラーと合わさり、クリアパーツとの相性もぴったりとなっている。外れた装甲表現や装甲カラーの変化によって、アクシズを押し返す奇跡の瞬間が表現されている。
また、別売りの「ガンプラ用LEDユニット」を入れることで、頭部が発光する。今回はシルバーシールを使用しているため、目元が暗い印象となってしまった。
目元のセンサーを発光させる場合は、クリアパーツ部分の表面を目の部分だけ残して塗装することで劇中の発光シーンを再現できる。
最後に密度の高いディテールとサイコフレーム発動時をイメージしたカラーリングは「νガンダム」の劇中での活躍からさらに解釈を広げ、モビルスーツの持つ可能性を切り開いたといえる。
装甲展開による独自のギミックは、のちの「ユニコーンガンダム」に通じる技術体系を創造させ、作品との繋がりを感じさせる。
カラーリングの変化によって「RX-93 νガンダム Ver.Ka」の装甲展開ギミックがより鮮やかに表現され、アクシズショックの名場面再現もさらにドラマチックに映える。
また、「GUNDAM SIDE-F」では「HG 1/144 ジェガン (アクシズ・ショックイメージカラー)」や「ソフビ 1/144 ダミーバルーン(リ・ガズィ搭載型)」など「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の劇中で登場したモビルスーツなどのガンプラが発売されている。こちらも合わせて「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の世界観を楽しもう。