頭部のフェイス部分の「創彩少女庭園」との互換性や各部に設けられた直径3mmのハードポイントによるカスタム要素も盛り込まれ、ユーザー独自のカスタマイズが可能。
特に互換パーツの組み合わせによる新たなミキシングプラン「リビルド」が提唱され、変身ヒーローや異能力のような物語を感じさせる遊びも楽しめる。
本稿では第1弾「プリンシパル」のポテンシャルやその魅力について迫っていく。
見て、触れてわかる「プリンシパル」の豊かな表現力
「プリンシパル」はヒト型アンドロイドのようなデザインで非常にシンプルな見た目をしている。しかし、滑らかな手足のラインや胴体のくびれなどメカの硬質感とヒトのしなやかさが見て取れる。
また、女性型ともあって細く長い手足はモデルのようなスタイルで見栄えもバッチリ。4色(ライトグレー、ダークグレー、オレンジ、クリアオレンジ)の成型色で構成され、塗装なしの状態でもメリハリのあるカラーリングとなっている。
頭部も間近で見ると髪の毛のような外ハネの造形が確認できる。また、フェイスパーツものっぺりした能面的なデザインではなく、下まつ毛のようなモールドも施されている。
マスクパーツは眼球可動タイプと通常タイプがある。眼球可動タイプは裏面から付属の短剣の柄で目線を調整することができる。また、眼球パーツはモールドの入ったものだと、目線がわかりやすく流し目などもできる。
また、パーツ構成も前髪、額当て(アーマー)、フェイス、後頭部の4つで構成されている。上述した通り「創彩少女庭園」シリーズの組み換えが可能で、メカっぽさと少女らしさを混ぜた遊びもできる。
肩回りも柔軟に可動。「メガミデバイス」の肩口可動のように腕を自然にクロスさせるできるが、その構造は肩甲骨の動きを想起させよりダイナミックな動きを可能としている。
また、ボールジョイントで自由度を高めつつ、引き出し機構も備えて柔らかい動きの表情付けがしやすくなっている。肘関節は一重関節のシンプルな構造ながら、大きく曲げることができる。
そして、手首部分の可動部は斬新な構造となっている。三角型の手首パーツ「三連リストジョイント」でそれぞれ前腕、掌、手甲に接続でき、手首の武装化が楽しめる。また、純粋に可動部が増えたことで手首を大きく内側に回す機械的な表現ができる。
「創彩少女庭園」などは前腕と掌を繋げるシンプルな構造で、自然なビジュアルが多い。もちろん、「プリンシパル」でも同様のシンプルな交換パーツも完備され、ユーザーの好みにカスタムができる。
胴体は胸、お腹、腰の3つのパーツで構成され、それぞれのボールジョイントで接続されている。可動部が増えている分、腰の捻りや上体そらしなどが可能となっている。
また、細身のデザインながらカスタム要素がふんだんに盛り込まれ、腹部の3mm径のジョイントをはじめ、胸部パーツも取り外すことでパーツの組み換えが可能。
そして、背面も背骨のラインに沿って3カ所あり、一つは3mm軸となっている。
次は「プリンシパル」の魅力ともいえる脚部。注目は何といっても大胆な股関節の可動。スイング機構を備え、内部だけでなく臀部部分も追従し、これまでにない大きく足を振り上げる動作を可能としている。臀部も左右にパーツ分割されている。また、ビジュアルを重視した臀部パーツも付属し、こちらは一体型となるがその分可動域も狭くなる。
そして、膝関節も注目ポイントとなっている。こちらは一重関節が採用され、深く曲げることができる。さらに膝のアーマーは独立して動かすことができ、ポージングによって位置を調整することができる。二重関節のロボットプラモデルでは大きく膝を曲げた際「関節部が露出して見栄えが悪くなってしまう」ということもあるが、「プリンシパル」ではそうした不安を払しょくする独立可動となっている。
I字バランスや開脚などバレエのような柔軟さ、柔らかさが表現され、立体物屈指の可能域を実現している。ヒトとロボットの中間ともいえるデザインだからこそ、ガールズプラモデルは難しい可動機構、ロボットの苦手な柔らかい動きを両立している。
「プリンシパル」の可動や造形を見たところで、ポージングも見ていこう。
剛と柔の動きを表現できる‟演技性”
細身のシルエットに数多くの可動部を備えた「プリンシパル」。筆者が触ってみた印象としては、やはり俊敏で軽快な動きが綺麗に決まることだ。
一挙手一投足の流れるような美しさに加え、バトルアクション時の力の乗った動きが非常に滑らかに感じられた。特に脚部の動きはこれまでにない可動の広さで、腰を沈めた構え、飛び蹴りのポーズなどが洗練されている。
コンセプトの‟演技性”が体現され、手に取ったユーザーの想像力を膨らませる楽しさが詰まっている。
そして、カスタム要素も充実。本稿では塗装済みの甲冑風のアーマー「メカサプライ08 エクスアーマーB」と様々な武器に組み換え可能な「ヘヴィウェポンユニット07 スカルマサカー」を合わせたものを紹介する。
「メカサプライ08 エクスアーマーB」は「プリンシパル」本体に装着。軽装の素体に甲冑が付き、重厚感ある姿に変化。肩回りの可動もでき、薙刀型のスカルマサカーを振り回すアクションが楽しめる。
「スカルマサカー」の大型手裏剣モードでは手に持たせることはもちろん、背負わせたり、足に取り付けるトリッキーなアクションも楽しめる。
以上、「メガロマリア プリンシパル」の先行フォトレビューをお送りしてきた。
作り込まれた可動とそこから生まれるアクションの幅広さが触っていて非常に楽しい。動きの表現が追求され、滑らかで力強い人間の動きの再現度の高さが伺える。
また、コトブキヤではお馴染みのカスタム要素も豊富。今回は素体に鎧を着せる形だったが、ロボット的な追加ブースターや大型武装など細身のシルエットから武骨な姿にするなど、ユーザーの想像力を刺激する作りとなっている。
「メガロマリア プリンシパル」は2024年2月に発売する。また、第2弾となる「ルビーアイ」など今後の展開にも期待したい。
(C) KOTOBUKIYA
※画像は試作品を使用しています。実際の製品とは若干異なります。ご了承ください。