今回レビューするのは、ガンプラ「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」。3か月もの間水星の魔女ファンが待ち望んだSeason2がこの4月9日から放送開始となったガンダムTVシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の主人公機です。
【ガンダムエアリアル】
スレッタの周りの学生たちはエアリアルを兵器としてではなくGUND技術(宇宙環境に適応させるための身体拡張技術)のそもそもの目的だった“医療”のために使うことを目指す“株式会社ガンダム”を設立することに。シャディクとの6vs6の決闘で辛くも勝利したエアリアルはかなりの痛手を負ってベネリットグループの巨大開発施設プラント・クエタで改修を受けることになった。改修を受けたエアリアルはミオリネを救うために立ち上がる……。
ここまでがSeason1の大きな流れで、ガンダムファンにはこれまでの“ガンダム”からかなり毛色の違うストーリー展開と主人公スレッタとミオリネ他を取り巻く人物模様、エアリアルそのものの謎、いまだ映像に現れない地球や宇宙の状態、この世界(A.S.)の成り立ちなど様々な謎が明かされないままSeason1が終了。Season2ではSeason1で何度か出てきた“クワイエット・ゼロ計画”とは?を主軸に物語が進むようです。
今回レビューする「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」は、1/144スケールで展開してきた水星の魔女ガンプラシリーズから初となる1/100スケールでのガンダム・エアリアルとなります。1/144スケールでは、この世界のガンダムに搭載されるシェルユニットがインサート成型やシールで表現していました。フルメカニクスでは、モールドされたパーツをメッキ処理した内部構造とクリアーパーツの組み合わせで立体的に再現しています。
1/100スケールという大きなスケールであることを利用して立体感のあるシェルユニットが出来上がります。その利を最大限に生かすことはガンプラとしての関節機構にまでおよび、装甲との連動機構を備えた脚部や多重関節を用いた腕部など可動性能が飛躍的に向上しているようです。今回サンプルキットをお借りできましたのでそのあたりを中心にレビューしていきたいと思います。
以前ガンプライベントで展示されていたサンプルが非常に気になっていた筆者。説明担当者による立体シェルユニットや可動性能の説明を聞いてからそれを確かめたくてうずうずしていましたので今回レビューできることを楽しみに待っていました。それでは組んだら一つ、動かしたら二つの精神で組み進めていきましょう!
「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」のキット内容をチェック!
それではキットの内容をチェックしていきましょう。ランナーはA~Fで計10枚、立体になったシェルユニット(赤メッキ)がF3ランナーで特別きれいなパーツです。他にビームライフル用エフェクトパーツ、SB-8ビームサーベルランナーと組立説明書とマーキングシールが付属します。
組立開始。HGエアリアルの組みやすさそのままに、さらに細かく豪華に!
このフルメカニクス・ガンダムエアリアルはフレーム構造を持ち、そこへ装甲を組み付けていくというMG(マスターグレード)的な組立方法が全身にわたって採用されています。水星の魔女HGシリーズのかんたん組立を継承しつつMG的なディテールと組み応えを感じることができます。
腕部はフレームを芯に装甲を組付けていきます。もともとのデザインからこういった組み立てができるようにデザインされているのでは? と水星の魔女スタッフとガンプラ開発チームからのメッセージを感じられるようでもあります。ほぼ全てのフレームと装甲は張り合わせ構造がメインとなっており難しいこともありません。
前腕は装甲にフレームを組み込むことになりますのでここは組立のリズムが変わります。肘にロール軸と軸をずらした関節が用意されているのでHG以上の表情を付けることができるのが目新しい設計です。気になる平手は左手のみに用意されています。
上半身(+バックパック)と頭部を組み立てる。
続いて上半身とバックパック、頭部を組んでいきましょう。パーツを並べてみて肩関節のこだわりように驚かされました。そして胸部シェルユニットが一体成型で立体感もあることから組み立てやすさとハイディテールを両立させていて、様々な角度から確認するのが楽しい時間となります。装甲パーツはなるべく大きなパーツで設計されていてこれも組みやすさに貢献しています。
引き続き頭部を組んでいきます。1/100スケールということもあり、極端に細かいパーツもなく各ディテールパーツもなるべく1パーツで設計され組み立てやすい印象です。
脚部を組み立てる。装甲との連動可動機構は1/100スケールならではのギミック!
情報量が多い脚部はパーツ数が多くギミックも豊富です。ぱっと見、太い大腿部は元デザインのイメージ通りですが大腿部前・膝上の膨らみがある装甲がしゅっとしている印象を受けます。同部位にある黄色のディテールは膝の屈伸と共に連動して可動する立体物ならではの楽しみがあります。ソールは前方・上方に大きく反らすことができて立膝をついた時のポージングに寄与します。
腰部を組み立てる。シンプルな構造で機体を支える
腰部はここまでの工程と比べとても少ないパーツで構成されています。左右の装甲は外れにくい構成になっています。メインとなる股間は前後へのスイング機構を持っていてポージングの際に豊かな表情が着けられます。フロントの左右の装甲は独立で可動します。
装備を組み立てる。11基のガンビットで構成されるシールドが大迫力!
装備はシールド・ビームライフル・ビームサーベルとなっています。シールドは11基のビットステイヴで構成され、フルメカニクス専用のオリジナルギミックが用意されています。ビームサーベルはエアリアル同様青い仕様となっています。
シールドを構成するビットステイヴはエアリアル本体への装着、一部ビームライフルへの取り付けが可能。HGではシール再現だったカラーリングはフルメカニクスでは全てパーツ割りで実現しています。
完成!「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」
ここまで「FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアル」の組み立てはいかがだったでしょうか。水星の魔女HGシリーズでのかんたん組立を体験したガンプラファンにとってフルメカニクス版のエアリアルはさらに細かく機体を作りこめる内容になっていると感じられました。
フルメカニクス版でディテールアップされたエアリアルは可動性能も格段に上がり、手にもなじみやすい1/100スケールの大きさは腕や脚を持って動かしやすいのがうれしいところです。赤いメッキのシェルユニットも見どころ満載です。立体となったことで見る角度によって表情を変える様はあらためてガンプラが立体物であることを強調しているようでとても楽しい!
FULL MECHANICS 1/100 ガンダムエアリアルのレビューを終えて
筆者としては1/100スケールでエアリアルが登場するときはMG(マスターグレード)かな?と思っていたのですが、フルメカニクス版で登場ということでどういうキットになるか詳細発表を楽しみに待っていました。
実際組んでみると、このフルメカニクス版はHGシリーズでガンプラに触れたユーザーに“さらに大きいスケールとすることで組みやすさはそのままに可動性能の向上とディテールの魅せ方にこういう手法があるよ”というメッセージだと感じられました。組んで動かしてみると、なるほどガンプラってやっぱり楽しいと思えました!
こういった好キットがリリースされると他のモビルスーツはもちろん、エアリアル(改修型)の1/100スケール・フルメカニクス版も組んでみたい! という気持ちにさせられます。特にエアリアル(改修型)はビットステイヴをビームライフルにまとわせたガンビットライフルモードを差し替えなしで実現できるのではないか? と夢が膨らみます!
Season2が始まったばかりの『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。アニメ、ガンプラどちらの展開も期待して見守っていきたいと思います。