「S.H.Figuarts ウルトラマンメビウス」は、2006年に登場したウルトラマン。ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品として制作された「ウルトラマンメビウス」は、ウルトラマンからウルトラマン80まで継続した世界観を同じくする「ウルトラ兄弟」の設定を引き継いでおり、様々なウルトラ兄弟が客演する番組となり、世代を超えた人気を博した。放映当時では未消化のエピソードを見事に引き継ぐなど、脚本もコアなファンから好評価を集めた。会場ではウルトラ兄弟とともに展示されている。
「S.H.Figuarts ウルトラマンメビウス」は劇中のメビウスそのままのカッコイイ姿で造形されているが、実はウルトラマンのフィギュア化には様々な苦労と思い入れがあるという。一番苦労する部分が「マスク」だ。「S.H.Figuarts ウルトラマン」シリーズは円谷プロダクション造形部門のLSSの協力の下、撮影に使われたスーツからも採寸しているのだが、そのデータを使っても劇中の雰囲気とずれたり「なんかしっくりこない」という印象もあるという。
ウルトラマンのマスクは微妙な曲線で描かれ、ほんのちょっと違うだけで印象が変わる。神秘的な雰囲気を持つウルトラマンのマスクは、商品化するときの調整に大いに時間がかかるとのこと。ウルトラマンメビウスの場合は、側頭部の微妙なラインに調整が必要だったという。
また、スーツをそのままフィギュアサイズにするときも劇中のウルトラマンと印象が変わってしまう。特に目のサイズがそのまま小さくするとより小さく見えてしまうという。ミリ単位どころか、ミクロン単位の調整の元、ウルトラマンらしさを追求している。ミニカーなどでも実車データをそのまま小さくするとイメージからずれを感じる場合があり、調整する商品もあるというが、ウルトラマンでもこういった調整があるというのは興味深い。
もう1つ会場で話を聞けたのが参考出展の「S.H.Figuarts トリガートゥルース」。その名の通りウルトラマントリガーの真の姿といえる形態で、番組の最終回で見せた姿だ。光の力だけではなく、闇の力も受け入れることで到達したウルトラマンである。闇の力を受け入れた、黒い差し色が印象的だ。
商品では「S.H.Figuarts ウルトラマントリガー」は販売されているが、今回の商品は塗装を調整したリペイントではなく、全身がほぼ新造パーツとのこと。体の各所に加えられたモールドは塗装ではなく、造形で再現しており、商品化に向けてどのような仕様にするかは調整中ではあるが、印象的なトリガートゥルースに近づけるため各部の調整を行っているとのことだ。
こちらも劇中のポーズをきちんと再現することにはこだわっており、カルミラを抱いたその姿は強いインパクトがある。ファンならば再現したいところだ。