ガンプラ「RG 1/144 RX-93ff νガンダム」レビュー後編
衝撃のνガンダム新兵装「ロングレンジ・フィン・ファンネル」は気合の入った設計!
中山卓海
2022年4月26日 00:00
【RG 1/144 RX-93ff νガンダム】
開発・発売元:BANDAI SPIRITS
発売日:2022年4月25日
価格:4,950円(税込)
ジャンル:プラモデル
サイズ:全高約195mm
※GUNDAM SIDE-F限定品。後日ガンダムベース各店、バンダイナムコグループ公式通販サイトでも販売予定
RG 1/144 RX-93ff νガンダム【前編】での緊急フォトレビューはいかがだったでしょうか。【後編】の今記事ではキットの組立状況をお届けしたいと思います。【前編】でお伝えした通り、「RG 1/144 RX-93ff νガンダム」は2019年08月に発売された「RG 1/144 νガンダム」をベースに「ロングレンジ・フィン・ファンネル」のパーツを追加、カラー調整と新規マーキングシール(水転写デカール)を追加されたものとなっています。ランナーを確認すると「フィン・ファンネル」のパーツが多く残っているのですが、全てではないためそれらを組むことはできません。完全に「実物大νガンダム立像」を再現するためのキットとなっています。
そしてこのキットはそのランナーの枚数などこのパッケージ内容はまさにRG(リアルグレード)シリーズだということを認識させてくれるキット内容となっています。メカフレームへの外装の取り付けや装甲裏の裏打ちパーツなど高密度な組立内容はガンプラビルダーの気持ちを高めてくれます。「ロングレンジ・フィン・ファンネル」の設計もとても気合の入ったものになっていますのでそちらもぜひお楽しみにしていただければと思います。それではパッケージから確認していきましょう!
▼実物をその手の中で組み立てる感覚!RGはよりリアルに
▼新装備「ロングレンジ・フィン・ファンネル」は大迫力!
▼「RG RG 1/144 RX-93ff νガンダム」完成!
パッケージを確認。RGならではの大ボリュームで密度感あふれるパーツたち
それではパッケージ内容を見ていきましょう。パッケージは大きいサイズのものになっています。ランナーはA~Q(B、Eはありません)+ビーム・サーベルの全22枚と装備分多くなっていますが、同じランナーで色違い(F、K)があったりその大きさから1枚と数えるべきか悩むものもありますので実際には少なく感じると思います。組立説明書とリアリスティックデカールと水転写デカールで構成されたマーキングシールという構成になっています。
組立開始!さすがRGシリーズは組みごたえ抜群!
それでは組み立てていきたいと思います。まずは脚部からですがさすがにRGシリーズは高密度の構成でモビルスーツの構造を頭に思い浮かべつつ超絶可動を可能にするメカフレームを組み上げて外装をまとわせていくのは立体パズルのようでもありとても楽しい作業です。
脚部は高密度な内部フレームと多重関節による可動性能を実現しています。それでいて適度な抵抗をまといながら自重を支えられる関節構造を持っていてどのようなポージングでも無理なく支えてくれます。また、大腿部からつま先まで流れるようなシェイプもとてもなめらかで関節がどの角度であっても説得力あるラインを描きます。
ボディを組み立てる。練り込まれた可動性能と組みやすさの両立を実感
ボディの組み立てにとりかかります。まずは腰部からですがここもRGシリーズならではの密度と剛性のある設計を堪能することができます。やみくもにパーツ数をふやすことなく最小限の構造で最大限の可動性能を実現していて、ABS樹脂によるパーツ同士の絶妙な摩擦係数でポージングの保持にも問題はありません。すばらしいです。
標準的なガンダムタイプの腰部ですので前後左右の全6枚のアーマーで構成されています。股関節は左右独立スイング機構を持っていて脚部からの直線軸を受け入れるタイプになっています。フンドシにある連邦軍の黄色いマークが1/144スケールということもあり極小パーツになっていますので飛んでいかないように注意します。
腹部と胸部を合わせたボディの組み立てにかかります。特徴はRGならではの細かい色分けがされた外装パーツです。特に今回の「RX-93ff νガンダム」では彩度の高いカラーリングになっていてパーツは細かいものとなっています。ランナーから切り離すときやそのあとのゲート処理の時に切り落としてはいけない部分をよく確認して作業を進めます。
腕部を組み立てる。カラフルな外装を少ないパーツで再現!
腕部は意外と少ないパーツで可動とディテールを実現しています。少ないパーツということはそれだけ練り込まれた設計の賜物ということですね。実際組んでみると密度の高いディテールを持った腕部がすぐに組み上がることが実感できます。肩部が独特な構造をしているので組む途中、組んだ後でどの用に作用するかを見極めたいところです。
頭部を組み立てる。νガンダムを象徴づける“イケメン”な顔を作り上げる!
頭部もカラフルな構造ながら少ないパーツでの構成となっています。特徴はリアリスティックデカールを使ったツインアイの再現ですが組み立てとしては1/144スケールということもあり少々ハードルが高いです。貼り付けが大変ならクリアーグリーンで成形されたツインアイをガンダムマーカーなどで塗る方がいいかもしれません。
バックパックと装備を組み立てる。ロングレンジ・フィン・ファンネルは別次元のかっこよさ!
バックパックを組み立てます。こちらもボディ相当に細かなパーツ分けとなっています。「実物大ガンダム」「実物大ユニコーンガンダム」ではバックパックにアレンジが加わっていましたが、「実物大νガンダム」ではロングレンジ・フィン・ファンネル専用の接続ポイントになっただけで大きな変更はありません。
装備を組み立てます。ここではνガンダムの通常装備である「ビーム・ライフル」「ビーム・サーベル」「ニュー・ハイパー・バズーカ」「シールド」を組み立てます。冒頭でのランナー紹介の時にも気になりましたが6枚の「フィン・ファンネル」はパーツが大きな面積をとっているものの全てそろっていないので組み立てることができません……「フィン・ファンネル」も入った“νガンダム・パーフェクト・パック”の登場を期待しましょう!
最後はいよいよ「ロングレンジ・フィン・ファンネル」を組み立てます。一見してそのパーツ数は多いのがわかります。νガンダムの身長より大きく、カラフルでもありますのでおのずとそうなるわけですね。デザイン上、直線主体の長尺のパーツが多いので作例写真のようにいったん並べてみると構造含めわかりやすいと思います。
実物大νガンダム立像で目につくところだけではありますがマーキングシールを貼り付けてみましょう。アムロのパーソナルマークは富野由悠季総監督によってカラフルなものにリニューアルされています。左肩のマークは上下のパーツに合わせてシールも2つに分かれていて本体でドッキングさせたうえで貼り付けるとうまくいくでしょう。
フロント右アーマーの青と赤のラインはハードルが高い!筆者も何度かチャレンジしてそれっぽく貼れたと思います。肘と膝の丸モールドにもリアリスティックデカールを貼りました。立像の再現には必須の部分ですのでぜひチャレンジしてみてください。
「RG RG 1/144 RX-93ff νガンダム」完成!
さすがRG、とにかくよく動きます。巨大で長尺の「ロングレンジ・フィン・ファンネル」も問題なく保持できますので大胆なポージングもかっこよくきまる印象です。「実物大νガンダム立像」と同じポーズをとらせることはもちろん、ガンプラならではの可動性能で劇中イメージを模索するもよし、現地「GUNDAM SIDE-F」に設置されている10m×6mという超巨大なモニター「スペースモニター」で流れている映像を再現するのも楽しいと思います。
「RG 1/144 RX-93ff νガンダム」のレビューを終えて
ガンプラのお話はいったんさておき、福岡に「実物大νガンダム立像」が建造されたことを心から喜びたいと思います。お台場のファーストガンダム/ユニコーンガンダム、横浜の動くガンダム、中国・上海のフリーダムガンダム。「次はどこにどのガンダムが建つ?」というのはファンなら一度は頭に思い浮かべたことがあるのではないでしょうか。
その思いは西日本初、福岡の地に建つことになりました。しかもアムロ最後の乗機である「RX-93 νガンダム」が!もともとRGシリーズとしてリリースされていたガンプラのデザインがベースとなることで高密度ディテールで超かっこいい「νガンダム」が建ちました。私たちファンとしてはまさに「こんなにうれしいことはない……」状態ですね!
中国・上海と福岡にガンダムが立ったことで、「次はどこだ?」というさらなる可能性を求めてしまうのはファンとしては持たざるをえない感情ではないでしょうか。我々ファンはその立像をガンプラ他で手元で楽しむことができるのが本当に「ガンダム、ガンプラファンでよかった!」という思いが強くなるばかりですね。次の可能性へ思いを馳せながらまずは福岡へ足を運びたいです!
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