魂の骨格:仮面ライダーキバ、仮面ライダーグリスブリザード、北都三羽ガラス 商品化記念!武田航平さんスペシャルインタビュー

ステージ終了後に行ったインタビューを公開いたします。

一番好きなのはストロンガーで、変身の時に両腕から火花が散るのが格好良いんですよ。あとライダーマンが右腕を溶かされるシーンは怖くてトラウマになりました。
あと『ビルド』の出演が決まった時も喜んでくれたんですよ。仮面ライダーのメインキャラに2度も選ばれるなんて滅多にありませんからね。 昭和の仮面ライダーと言えば藤岡弘、さんですが、僕も2作品に出演したことで「平成ライダーと言えば武田航平」なんて言われると良いね……なんて事を父子で話しました(笑)。
また両親は『ホテルコンシェルジュ』というドラマで一緒だった犬飼貴丈君と再び共演できることも喜んでくれました。

ですから紅音也は皆で創り上げたキャラクターだと思っているし、だからこそ今も多くの人達に愛されているのだと思います。
あと、あの時代は名曲が多く、僕自身もBOØWYのアルバムをよく聴いていました。また劇中で流れたおニャン子クラブの歌は父親もよく口ずさんでいました(笑)。
だから、あの時代は僕にとっても思い入れが深く、役にはすんなりと入れました。

ほぼ毎回にバイオリンを弾くシーンがあるので、弾いているフリではあっても、ある程度は音を出せるようにしなければならないんですよ。
練*は週に1回ほどアフレコの前後にあって、渡役の瀬戸康史君と一緒にやっていました。すごく楽しかったです(笑)。
最初のテストは爆発なしの状態で走ったのですが、スーツが重くて走り難かったんですよ。
そうしたらキバのスーツアクターの高岩成二さんから「航平、もうちょいスピード上げられない?」と言われ、「無理です。あれがMAXです」と答えたら「なら合わせるよ」って言ってくれたんです。
ところが本番は爆発音が予想以上に大きく、それにビビッた僕は本能的にスピードを上げてしまったんですよ。後で高岩さんから「お前、なんで急にスピード上げたんだよ!」って半ギレされるまで気付きませんでした(笑)。ぜひDVDで確認してください。あのときの必死な顔は演技ではなく本当に怖がっている顔です(笑)。
僕の走り方を確認する時は理由も言わずに「ちょっと来て! ダッシュで!」と呼んで「もう良いよ」って対応でしたからね(笑)。
おそらく「走り方をチェックする」と言われると僕が身構えるからでしょうね。
完成度が高く、大人の童心をくすぐる商品ですね。あと小さいのにドライバーやツインブレイカーまで動くのは感心しました。
このグリスとビルドをロケ地に並べて写真を撮ったことがあるんですよ。戦兎役の犬飼貴丈も万丈役の赤楚衛二も「カッコイイ!」って言ってました。

でも、あの真骨彫キバからは実物と同じ迫力を感じました。現場で本物のキバを何度も見ていた僕が言うのだから間違いありません。最終回で正夫役として変身したので思い入れもありますからね。
そして何より「表情」まで再現されているのに驚きました。
でもスーツアクターさんが演じることで魂が宿り、表情や感情が出るんですよ。
しかも、それらの表情はスーツアクターさん自身ではなく、キバなら渡、グリスなら一海に見えるんです。その表情まで再現できるフィギュアって凄いですよ。
そのせいかフィギュアなのに中の筋肉まで感じることが出来ました。
いや、それは僕の勝手な印象ですけどね(笑)。

仮面ライダーって僕らとスーツアクターさんとで一緒にキャラを作り上げるんですよ。次郎さんと二人でイクサだし、藤田慧さんと二人でグリスなんです。
だから変身後のライダーも自分だと思っています。
そのようにスーツアクターの方々は格好良く見せるための角度を常に意識しているんですよ。その気遣いを再現できるなんて素晴らしいです。

もはや一体のフィギュアを語るレベルではありませんね。「あの芝居が良かった」とか「あの画が良かった」とか、一本の映画について語っているようです。言うなればゴッホの田園、モナリザ、ムンクの「叫び」と一緒です。色や角度、背景など様々な魅力要素があるので一言では語れません。
僕の両親も職人の家系で、母方は神社の奉納する狛犬などを彫る石彫り、父方は110年以上続くクリーニング屋の家系なんです。そんな両親のこだわりを子供の頃から見ていたので、このキバにどれだけこだわったのかは分かります。

『キバ』でもプロデューサーを務めていた大森さんが、『ビルド』の現場で僕に何を求めているのか? レギュラーの中で自分はどうあるべきなのか? そして猿渡一海という役をどう演じれば良いのか? それらを考えながらの一年でした。
そこで現場で相談して1号ライダーっぽいポーズにさせてもらいました。そしてグリスの変身で左手を回すのは1号を意識したポーズなんですよ。
また指で挑発するのは音也の「かかって来いよ!」の仕草をそのまま取り入れました。それらは初変身の撮影前日、メッチャ考えましたね(笑)。
そして最後のグリスブリザードもビルドドライバーを使った変身なので、フォームチェンジとは違う特別感がありました(笑)。

そのようにイクサの変身を意識したポーズになったのは、カミホリこと上堀内佳寿也監督の案です。彼も助監督として『キバ』の現場にいて、お互いにイジり合っていた仲でした(笑)。
そして10年ぶりに再会したら立派な監督になっていて驚きましたね。時には意見のぶつかり合いもありますが、本当に尊敬できる監督です。
一海が最期を迎える第47話は絶対に彼に撮ってほしくて、本人や大森(敬仁)プロデューサーに直談判しました。「Are you ready?」の後の「出来てるよ」も監督と話し合って決めたんです。
あと初めて自分専用のライダーである事も大きいです。イクサは松田賢二さんも変身しやがったし(笑)、ダークキバは山本匠馬君や新納慎也さんも変身していたので。
でもデザインで好きなのはイクサです。顔の十字がナイトっぽくて格好良いんです。
あと基本的に『キバ』と『ビルド』のライダーはすべて好きなんですよ。
そして変身ポーズで好きなのは万丈龍我です。役を演じる赤楚衛二君の変身ポーズへの気迫が凄いんですよ。2つのライダー作品に出演した僕からの御墨付きです(笑)。
でも僕は『キバ』の経験から「仮面ライダーの台本は一年の間に変わるし、それが仮面ライダーの良さでもある」って知っていました。
そして、その話は三羽ガラスにもしたんです。「ライダーの現場は頑張れば必ず評価してくれる。俺はパワーアップできるよう、お前達は生き返れるように頑張ろう!」って。
そして大森さんからも「人気が出たらね」と言ってくれたので、自分は一海の人気が出るよう頑張りました。
でも本当はその時点でグリスブリザードの事は決まっていたのでしょうね。

僕らにグリスブリザードが発表されたのは第44、45話の撮影中で、その時は皆で「カッコイイ!」って盛り上がりました。
ただ、まさか1回だけの変身とは思いませんでしたよ。藤田さんも「一回しか出ない強化フォームなんて前代未聞です」なんて言ってました(笑)。
でもグリスは僕と藤田さん、そして三羽ガラスと「絶対に良いライダーにしよう」と誓い合って作ったライダーなんです。それが認められてパワーアップに繋がったのは素直に嬉しかったです。
ところでグリスブリザードのパンチって、一海の初登場(第17話)の時のパンチと同じポーズなんですよ。藤田さんはそんな話を一言も言ってくれませんけど(笑)。
あとスクラッシュドライバーも身体の負担が大きいので、それはプロトタイプのイクサと似ていると思いました。
左手のロボットアームのバランスは絶妙だと思いました。小サイズのフィギュアは実物と同じ対比で作ると違和感が出るので、原型師さんは常にバランスで悩まれていると思います。
今回のステージで見せていただいたのは試作段階のサンプルでしたが、最終的に原型師さんの技がどう炸裂するのか楽しみです。


本人達には「あくまでも企画段階」として教えたら、それでも「考えてくれただけでも嬉しい」と言っていました。三羽ガラスの栄信、芹さん(芹澤興人)、(吉村)卓也も自分達のフィギュアを欲しがっていて、「グリスの周りに三羽ガラスを並べたい」と言い続けていたんです。
自分が演じたキャラクターがフィギュアになる事は僕らにとって夢なんですよ。自分の演じた役が形になって残るし、それ自体が役者として頑張った証だし、人に「これ、俺なんだぜ」って自慢できますからね(笑)。
でも3体並んでいる姿を見たのは今回が初めてです。
さらにS.H.Figuartsのグリス用のドッグタグまで付けるなんてニクい演出ですね(笑)。
「このシーンはこうしよう」とか「俺を3人で持ち上げた後に落とせ」とか。
そんな僕らの積み重ねが評価されて、このような形になるのは嬉しいです。

たとえば真骨彫のイクサ(セーブモード)とか、真骨彫キバ用の正夫変身時の色違いのキバットとか色々あると思うんですよ。いやいや僕からは何も申し上げませんが(笑)。
でも今回のキバ、グリスブリザード、三羽ガラスのようにフィギュアになれば、これを手にした人の心の中では一生残ると思うんです。
そんな僕らの生きた証をぜひ手にとって、これを見る度に僕らの事を思い出してください。そして何時までも大切にしてほしいです。原型師さんを初めとするフィギュアを作った方々の思いも、作品に関わった僕らの思いも詰まっているので。

見どころはビルドとジオウ、戦兎とソウゴの共闘ですが、他の歴代ライダーも駆け付けます。僕もヒゲ役の水上剣星さんも久々に変身しますし、相変わらずのコンビ芸もあるので注目してください。
そしてVシネクスト『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』は、僕がキャラクターとして好きな万丈龍我が大活躍します。これを演じる赤楚衛二君が頑張って主役を張りました。一生懸命に突っ走る彼の活躍にご期待ください。

1986年1月14日生まれ、東京都出身。A.L.C.Atlantis所属。
第14回「JUNON スーパーボーイコンテスト」で審査員特別賞を受賞し、これを機に芸能活動を開始。2008年に『仮面ライダーキバ』過去編の主人公・紅音也を演じ、同作の劇場版やネットムービーなどでも活躍し幅広い層から人気を得る。
また2014年には『軍師官兵衛』で大河ドラマ出演を果たし、『仮面ライダービルド』(2017)の猿渡一海役で再び仮面ライダー役を演じた。
代表作はドラマ『ウェルかめ』、『戦国BASARA -MOONLIGHT PARTY-』、『闇金ウシジマくんseason2』、映画『クローズZERO』、『ROOKIES‐卒業‐』、『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズなど。[/float]