、HG 1/144 gMS-κ GFreD(ジフレド)のレビューをご紹介します!
HG GFreD(ジフレド)は、『機動戦士ガンダムGQuuuuuuX』に登場するMS「gMS-κ GFreD(ジフレド)」の1/144スケールモデルキットです。GFreDの特徴的な機体フォルムを忠実に再現。胴体や股関節など各部関節の可動により、ダイナミックなアクションポーズが可能となっています。頭部は差し替えで「非展開状態」と「展開状態」が再現可能。価格は2,530円(税込み)です。
グラナダで開発されたサイコミュ搭載型の「GQuuuuuuX(ガンダム・クァックス)」2号機で、劇中ではニャアンが搭乗。量産型ビグザムの撃破やイオマグヌッソによるゼクノヴァを引き起こした他、マチュのジークアクスと共にラストバトルに挑んだ機体「gMS-κ GFreD(ジフレド)」がHGでキット化。
2025年1月に発売されたHG GQuuuuuuX(ジークアクス)をベースに、ジフレド特有のカラフルなカラーリングが成形色で、特徴的な頭部と肩部、背部スラスターの一部が新規パーツを用いて再現されています。
成形色はパープル、くすみのあるホワイト、パープル気味のホワイト、オレンジ、グリーン、ブルーグリーンなどを織り交ぜた極彩色カラー。その他、武装類や各部装甲の一部、内部・関節はダークグレー成形色での再現となっています。どことなくエヴァ初号機味も感じさせるカラーリング。
ビームエフェクトパーツはクリアパープル成形色での再現。ジークアクスと同様、偏光樹脂加工(偏光成形)が施されているため、光を当てると角度によって虹色風に輝きます。
ホイルシールが付属し、頭部センサー類や各部モールドなどを補います。シールだけでは色が足りず、細部を塗装する必要がありますが、パーツが細かく分割されているため、素組みでも十分なくらいの色分けに仕上がります。
ほとんどのパーツはKPS素材で塗装に対応しています。ABSは不使用。
ポリキャップも不使用。各部関節はPSパーツ構成で関節強度はまずまず高め。ソール部形状が特殊ですが、特に負荷のかかる装備もなく、キットが軽量なため、自立は安定します。
■付属品
ビーム・ライフル、シールド、ビーム・サーベル(柄、エフェクトパーツ)✕2、展開状態の頭部パーツ、平手(左右)、背部スラスターの機首パーツ、エスビット用基部パーツ✕2、ビームライフル用マウントパーツが付属。
専用のマーキングシールが付属。細部のモールドやラインなどを補います。
■各部形状
HG GQuuuuuuX(ジークアクス)と比較しながら各部を見ていきます。
■頭部
頭部をジークアクスと並べて比較。どちらも個性的ですが、ジークアクス(オメガサイコミュ起動状態)がV字アンテナを持つガンダムらしいデザインなのに対し、ジフレドは左右に尖った装甲(エスビット)を持つ生物的なデザインで造形されています。左右の目のようなグリーンはモールドにシールを貼っての色分け。
アンテナは上部で触覚のように造形。全体的に装甲が分割されていて色分けも細かいですが、合わせ目はほぼできない構造で緻密です。眉間の赤いラインはマーキングシールでの色分け。小さいパーツが多いので紛失注意です。
首には可動ギミックがあり、前後にスイングさせることができます。
頭部のパーツ数は全部で13点。なかなかエグいです;
左右のエスビット(ルナ/アルテミス)は白い装甲部分脱着が可能。付属の基部パーツと組み合わせることで、スタンドの3.0mm穴に対応することができます。単体で浮かせてディスプレイさせることができるので、劇中のビット展開状態のような演出も可能です。
展開状態の頭部。中から赤いイオマグヌッソのコアへの接続部が露出した状態になります。かなりクセが強く、独特の禍々しさを感じさせるデザインになっています。
■胴体部
胴体部はジークアクスと同型。ただし部分的に配色が違っているのと、ジフレドはグリーンがメインで少し蛍光感があります。各部とも細かくパーツ分割されていて造形が緻密。胸部や腹部中央の装甲は一部をシールで色分けします。腰も大幅なフロント、リアアーマーはなく、フレームのみで軽装。
首周りと肩のボールジョイント受け口は共に前後に可動します。
腹部と腰部の可動ギミックによって上半身を前後にスイングさせることができます。
股間部はボールジョイント受け口で脚部が柔軟に可動するようになっています。
■腕部
腕部をジークアクスと比較して。全体的にスタイリッシュ且つメカニカルに造形。多少手首周りの配色が異なるのと、全体がパープルを基調としたカラーリングになっています。肘の丸モールドもグリーンカラーでインパクトがありますね。肩はジークアクスが真球状なのに対し、ジフレドは尖った装甲に変化しています。
各部とも細かなパーツ構成で合わせ目はありません。上腕の合わせ目もモールドっぽく造形されています。手首の装甲はロール可能。手甲のモールドはグリーンに塗り分けが必要です。上腕と手首はロール可能。
肘は1ダボ接続で組み立てやすい構造。左右から丸モールドパーツを組み付けることで、バラけにくい仕様にもなっています。
ショルダーアーマーは球状フレームのようなデザイン。内側の球状装甲は塗装見本によってダークグレーだったりグリーンだったりします。グリーンに塗り分けたほうが面白みがあって良いかも。
肩内部パーツはピン留めパーツによる組み合わせ。
ショルダーアーマーはヒンジ接続で適度に展開することができます。
■脚部
脚部をジークアクスと比較して。形状は全く同じ。どちらもカラフルですが、ジフレドのほうがより色分けが独特で奇抜なカラーリングになっています。スネ周りはジフレド用に新造され、色分けのパーツ構成も少し違っています。大腿部の動力パイプも特徴的に造形。
大腿部装甲は左右の組み合わせで後部中央に合わせ目ができる仕様。膝から下が分離するので合わせ目を消すのはラクそうです。膝から下も一部に合わせ目ができますが、ほとんど目立たないのでそのままでも問題はないのかなと。
膝も肘と同様、1軸接続で組み立てがラク。
ソール部とスネの内部パーツ。円筒状で特徴的に造形されています。一部はグリーンのマーキングシールで色分けするようになっています。
ソールは簡単な1個パーツ構成。蹄のようなデザインで足裏はほとんど存在しませんが、一部がフレーム状で肉抜き穴があります。スラスター内部も細かなモールドが造形。グリーンで色分けされているのは独特で面白いですね。足の付け根は2個パーツ構成でロールや上下などに可動します。
■バックパック
背部をジークアクスと比較して。両機共左右2気筒のスラスターで構成されたユニットですが、ジフレドはスラスター口がややシャープに造形されていますその他の形状は同じ。部分的に色味が足りないので、蛇腹チューブの一部やスラスターのフィンなどはパープル、オレンジ装甲のダクトはダークグレーに塗り分けが必要です。
スラスターは蛇腹、後部スラスターユニット共に2枚パーツ構成で一部に合わせ目ができます。各部が分離しない構造なので、合わせ目を消す場合は後ハメなどの加工が必要。
スラスター口はフレームラインが造形。ジークアクスでは外装との1個パーツ構成でしたが、このジフレドは内外2個パーツ構成なので塗り分けが可能です。
スラスターはジークアクスと同様、各部がロールや上下に可動します。本体への接続部もロールし、バックパックを反転させることも可能。
本体への接続部は1ダボ接続。ジークアクスのバックパックと構造が同じなので交換が可能です。
■コア・ファイター
バックパックをジフレド本体から分離させ、付属の機首パーツと組み合わせることでコア・ファイターを再現することができます。ジークアクスのものよりもスラスターが長いため、全体的にフォルムがシャープに見えます。
機首部分はジークアクスと同形状。独特のデザインで造形されています。色味が足りないため、各部をブルーグリーンやグレーなどに塗り分ける必要があります。
底面に3.0mm穴があるので、コア・ファイターを単体でディスプレイさせることができます。
各部を可動させて少し表情を付けてみても良さそうですね。
お世辞にも格好良いとは言えないフォルムですが、パイロットの生存を優先するのであれば一番効率の良い形状なのかも。ニャアン脱出時もぐにゃりと曲がっていた気がします;
■他キットとの比較
HGUC RX-78-2ガンダム(リバイブ版)、HGUCνガンダム(ファンネルなし)と並べて大きさを確認。RX-78-2よりも少し大きいくらいです。
ベースのHG GQuuuuuuX(ジークアクス)と並べて比較。シルエットは殆ど同じながら、頭部など一部形状の変化とカラーリングによってだいぶ違って見えます。やはりどちらかというとジークアクスのほうがヒロイックさが強いのかなという感じ。
同シリーズのHG赤いガンダム、HG軽キャノンと並べて。このシリーズは全体的にメカニカルでエヴァ味が強く、独特のクセを持ったデザインになっています。
劇中で共闘したHGエグザべ専用ギャン(ハクジ装備)とも並べて。
■各部可動域
各部可動域は殆どジークアクスと同じ。頭部形状が全く異なりますが、可動域は同じくらいです。左右へのスイングがジフレドは多少顎が干渉しやすいかなという程度。
腕はY字程度まで上げることができます。肘は1重関節ですがV字程度まで曲げることができます。上半身も適度に反らすことが可能。
腰は360度回転可能。膝は1重関節ですが深くまで曲げることができます。立膝もある程度きれいな姿勢で再現可能。
左右への開脚はハの字程度までとなります。足首はボールジョイント接続部分が適度に可動。
全体的に細身で可動が柔軟。1重関節ながらも肘膝は深くまで曲がりますし、左右への開脚も動力パイプで干渉はするものの、不自由ないくらいに広く展開することができます。これだけ動けば十分なポージングが可能かと。
■武装類
ビーム・ライフル。対モビルスーツ戦用の射撃兵器です。メガ粒子を高速で射出し、敵機装甲を破壊するとのこと。表面にはメカニカルなモールドが造形されています。ジークアクスは銃口、銃身部分がホワイトでしたが、このジフレドではグリーンに配色されています。色が足りないので、装甲の上下はグリーンに塗り分けが必要。
ダークグレーの装甲部分は簡単な左右の組み合わせで上下に合わせ目ができます。合わせ目を消す場合は銃身パーツの後ハメが必要。
上部センサーはグリーンのシールでの色分け。銃口はきっちりと開口されています。
付属のマウントパーツを使用することで、ビーム・ライフルを背部にマウントすることができます。これはジークアクスにはなかった仕様。もちろんジークアクスにも流用可能です。
シールド。腕部をお応用に装着される防御兵器になります。物理シールドとそれに覆われた電磁シールドの2層構造なっているとのこと。形状はジークアクスのものと同じですが、外枠がグリーン基調になっています。
裏面にはメカニカルなモールドが造形。ジョイントパーツはボールジョイントで柔軟に可動します。
ビームサーベル。腰部後方に装備されたメガ粒子循環式ビームサーベルです。ブレード状に形成した粒子を高速回転させることで優れた切断力を持つ近接格闘兵器とのこと。ビーム刃は内部がくり抜かれた状態のクリアパープル偏光成形パーツでの再現。円形のグリップ(柄)で構成されています。
グリップはリアアーマーにマウント可能。ビーム・ライフルとの干渉はありません。
■ポージング
一通り武装して。
ライフルは通常の握り手でグリップを握らせて保持します。グリップが太くかっちりと組み付くので、ふらつくことなく安定した保持が可能です。
シールドは手首の装甲部分に組み付けて装備します。こちらもある程度しっかりと固定されるため、保持がラクです。
手首がロールするので、シールドの向きをサクッと変更することができます。組み換えがなく手首の角度を変えるだけなのは無駄がなくて良いですね。
平手が付属するので、ライフルの底面に手を添えたりして自然な射撃ポーズを演出することが可能。劇中でも割と手を広げていたので、劇中シーンの再現では平手が重宝しそうです。
浮かせてディスプレイさせる場合は一般的なキットと同様、アクションベースやスタンドの3.0mm軸を股間部に差し込みます。ビーム・ライフルのマウントパーツを組み付けている場合はマウントパーツの3.0mm穴を使用します。
全体的に可動が柔軟なのでポージングがしやすいです。金型大量生産?の影響か、ジークアクスに比べて少し肩や股間部の関節が弱い気がするので、気になるなら少し補強してやるとよいかと。
背部にマウントしたビーム・ライフルは干渉でやや外れやすいので注意。
ビームサーベルもグリップが太く、握り手に隙間なく収まるので安定した保持が可能。軽量なので振りかぶるようなポーズもしやすいです。ジフレドにはヒートホークがないので、その分はこのビームサーベルでもとを取るといった感じ・・・かな?
頭部のエスビットを単体でディスプレイし、ビット展開時のような射出シーンを再現。意外なところからの着脱ですが、ガンダムシリーズ定番の武装がジークアクスにも登場しているのはなんか嬉しいですね。
頭部を展開状態のものに組み替えてイオマグヌッソ使用時のシーンを再現。イオマグヌッソのコア部分が立体化されていないため、ポーズを付けるとちょっとシュール・・・;
1stガンダムと組み合わせて。
適当に何枚かどうぞ。
以上です。フォーマットはジークアクスと同じですが、配色がジークアクス以上に細かく、独特の雰囲気があって良いですね。ジフレド用に新造された頭部もクセがあって個性的。形状はどちらかというと歪ですが、カラーリング、形状共になぜか惹きつけられてしまうような魅力を持っています。
気になる点はそんなにないですが、ジークアクス量産による金型の影響があるのかないのか、ジークアクスに比べて少し関節が緩い気がしました。肩のピンが浮きやすく、肩の固定強度が落ちて腕が垂れることがたまにあったので、部分的に補強を考えておいたほうが良いかも。(個体差があるかもです。)
展開状態の頭部やエスビットといったジフレド特有の装備はしっかりと再現されていますし、それらを使ったシーン演出も面白くインパクトは十分。劇中におけるジークアクス、エグザべギャンとの共闘や初代ガンダムとの激闘など、ジークアクスの深い世界観、没入感を堪能できるキットになっているのが良いですね。