地球連合軍の新主力量産機「イグライト」
30MMシリーズの地球連合軍はこれまで主力量産機として「eEXM-17 アルト」を使用していました。2019年の30MMシリーズ始動から看板機体の位置付けだったアルトですが、ついに新たな主力量産機「イグライト」が登場することとなりました。本記事では、2025年7月19日に発売するプラモデル「30MM 1/144 eEXM-40 イグライト 01」をレビューしていきます。
イグライトの素体はこれまで通りの高い可動域を有します。
アルトに代わる地球連合軍の次期主力量産機「イグライト」
今回紹介する「30MM 1/144 eEXM-40 イグライト 01」は地球連合軍が次期主力量産機として採用した新型エグザマクスです。これまでの主力量産機である「アルト」が有していたカスタマイズ性はそのままに、機能性と生産性を向上させた新型機としてロールアウトしました。武装には手持ち武器にも変形可能な新型ロイロイを2種類装備します。
支援メカ「ロイロイ」が手持ち武器に変形。
本キットのランナーにはシリーズ初となるタッチゲートを採用し、ニッパーを使用することなく組み立てられます。また、パーツ構成の一部を簡略化することでよりスピーディーに完成させることができます。
構造を簡略化しつつも従来のカスタマイズ性は維持しています。
30MMシリーズ初のタッチゲート採用&パーツの簡略化で組み立てやすくなったキット
本キットのランナー構成は多色成形ランナーが1枚、単色成形ランナーが2枚の3枚構成となります。「30MM 1/144 eEXM-40 イグライト 01」の機体カラーはシリーズ第1弾「30MM 1/144 eEXM-17 アルト[ホワイト]」と同じく白を基調とした配色です。
「30MM 1/144 eEXM-40 イグライト 01」パッケージ
Aランナーは多色成形ランナーであり、クリアパーツやパープルのパーツを構成します。
Bランナーは胸部装甲等ホワイトの成形色となります。
Cランナーは新標準となるフレームパーツのランナーとなります。
ブレードアンテナでシャープな印象となった頭部パーツ
本機の頭部はアルトと比較して、側頭部のブレードアンテナ追加や頭部前方を絞るデザインでスタイリッシュな印象を与えます。また、クリアパーツは内部で連結することでパーツ数を少なく抑えています。
パーツ状態での頭部。本機の頭部は4パーツで完成します。
完成した頭部はアルトと比較しスタイリッシュなデザインとなりました。
従来の股関節スイング機構を搭載した腰部パーツ
本キットの説明書による組み立て順は頭部の次に腰部を組み立てます。腰部パーツの構造は従来の30MMキットと同様に股関節部にスイング機構を有したデザインとなります。また、本機ではサイドアーマーが廃止となりCジョイント接続機構が搭載されます。
パーツ状態での腰部パーツ。本機ではサイドアーマーが廃止されました。
完成した腰部パーツには従来の30MMキットと同様に股関節部にスイング機構を有したデザインとなります。
胸部のクリアパーツがアクセントとなる胴体部パーツ
胴体部のパーツ構成は胸部のクリアパーツがアクセントとなるデザインとなります。肩部関節にはスイング機構が搭載され、可動域の拡大に寄与します。また、バックパックは1パーツにて構成されており、スラスターモールドなどはありません。
組み立て前の胴体パーツ。全9パーツにて構成されます。
完成後の胴体部パーツには肩部関節にスイング機構が搭載されています。
パーツ構成の見直しで組み立てが簡単になった脚部パーツ
脚部のパーツ構成は従来のCジョイントを使用した膝関節の接続を維持しつつ、膝裏のカバーパーツを廃止するなど構造が見直されています。また、アルトでは足首と大腿部に採用されていたポリキャップパーツも本キットでは廃止されました。
パーツ状態での脚部パーツ。アルトと比べかなり簡略化されています。
組み立てが完了した脚部パーツ。膝裏のカバーパーツが廃止されています。
膝関節の可動は2重関節で十分に可動します。
上腕やハンドパーツのパーツ構成が大きく見直された腕部パーツ
本キットのパーツ構成において筆者が最も注目したポイントが、この腕部におけるパーツ構成でした。これまでのガンプラを含むキャラクターモデルの腕部パーツにおいて上腕部分は肘関節と上腕部装甲が別パーツとなります。本キットではこれらパーツを一体化して組み立てやすさの向上を図っています。また、ハンドパーツにおいては一体成形とすることで切り離すだけで完成となります。
組み立て前の腕部パーツ。肘関節と上腕部装甲が一体成形となります。
本機のハンドパーツは一体成形とすることで切り離すだけで完成となります。
肘関節は約100度まで可動します。
武装には新型ロイロイが2機付属
本キットの武装にはハンドガンや固定砲台として使用可能なロイロイ1機とシールドやクローとして使用可能なロイロイ1機が付属します。ハンドガン型ロイロイは脚部とハンドガングリップが連動して展開するギミックが搭載されます。シールド型ロイロイは2パーツにて組み立てが完了します。
ハンドガン型ロイロイは4パーツ構成となります。
完成後は脚部とハンドガングリップが連動して展開するギミックで固定砲台に変形可能です。
シールド型ロイロイは2パーツ構成となります。
完成後のロイロイは変形させることなくイグライトに装備可能です。
これにてイグライトを構成する全てのパーツが完成です。各部パーツを一体化させイグライトを完成させます。各部の接続は脚部パーツの接続が軸接続となり、その他はボールジョイントによる接続となります。
関節は股関節のみ軸接続。その他はボールジョイントで可動します。
30MMシリーズの新看板機体となるイグライトが完成
ここからは完成したイグライトを見ていきます。最初に前後左右からイグライトを見ていきましょう。本機のデザインはアルトの要素を引き継ぎながらスタイリッシュに仕上がっています。
正面から見たイグライトは頭部のセンサー部分が大型化しています。
背面のバックパックにはカスタマイズ用3mmジョイント孔とCジョイント受けが搭載されています。
右腕部に装備したハンドガンは変形させることで固定砲台として使用可能です。
左腕部に取り付けたシールドはジョイントを回転させることで角度を調整可能です。
イグライトの頭部パーツはアルトのものと比べるとクリアパーツ面積が広がり、側頭部のブレードアンテナも相まってよりスタイリッシュな印象を受けます。また、アルトではセンサー内部にカメラモールドが施されていましたが本機ではオミットされました。
頭部のアップ。側頭部のブレードアンテナがスタイリッシュ。
本機の組み立て工程は各種パーツの一体化によって簡単に完成させることができますが、可動域には妥協なく造形されているため、立て膝ポーズも問題なく取らせることが可能です。
可動域が広く、立て膝もばっちりです。
武装は手持ち武装としても持たせることが可能ですが、支援メカ「ロイロイ」としても展示することが可能です。ロイロイは2種類の形状が付属し、ディスプレイ方法に合わせて楽しめます。
ロイロイは2種類の形状が付属し、ディスプレイ方法に合わせて楽しめます。
ここからはイグライトをベースにしたオリジナルカスタマイズの紹介です。今回は発売中の「カスタマイズウェポンズ (ヘビーウェポン 2)」、イグライトと同日発売の「30MM 1/144 オプションパーツセット20(フルアーマーユニット1)」を組み合わせて拠点防衛仕様をイメージしてカスタマイズしました。各部ジョイントはこれまでのキットと共通のため、自由にカスタマイズ可能です。
オリジナルカスタマイズのイグライト。今回は拠点防衛仕様です。
各部の追加装甲はフルアーマーユニットの追加装甲がそのまま使用できました。
武装の保持は一体成形のハンドパーツを使用しています。
今回紹介した「30MM 1/144 eEXM-40 イグライト 01」はアルトに代わる30MMシリーズの新看板機体として、シリーズの新たな方向性が示されたキットだったと思います。タッチゲートの採用によって、工具なしで組み立てることも可能となっただけでなく、パーツの一体化などでサクサクと形になりました。
また、構造が簡単になっただけでなく可動域、カスタマイズ性は従来のキットと遜色ない仕上がりであったため、カスタマイズも楽しく遊ぶことができました。本キットは初めてプラモデルを作るような初心者にもおすすめでき、是非この機体から30MMの世界に飛び込んでいただければと思います。