今回レビューする「Figure-rise Standard Amplified -三幻神降臨-オベリスクの巨神兵」はアニメ『遊戯王』で、海馬瀬人、武藤遊戯が使用する神のカードだ。今ではカードゲームでも使用でき、派生カードも登場している人気カードとなっている。
Figure-rise Standard Amplified -三幻神降臨-オベリスクの巨神兵
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「遊戯王OCG」での「オベリスクの巨神兵」というカードは、筆者には非常に思い出深く印象に残っている。カードとしての初出は2000年にコナミから発売したゲームボーイカラー用ゲーム「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記」の海馬デッキ購入者特典だ。筆者はこのカードが使いたくてゲームを購入した。性能としては召喚しただけで相手フィールド全滅、さらに4,000ポイントのダメージが入るというもの。シンプルかつ強力で見た目通りのパワーある効果に憧れた。ゲーム中にも登場し、自身のゲームプレイでは使用できなかったが、親戚に使わせてもらった際には興奮したのを今でも覚えている。
そんな「オベリスクの巨神兵」が、BANDAI SPIRITSのFigure-rise Standard Amplifiedシリーズで待望のプラモデル化。遊戯王の三幻神としては2体目、2024年10月に発売した「Figure-rise Standard Amplified -三幻神降臨- ラーの翼神竜」に続いて第2弾となる。圧倒的存在感を誇る「オベリスクの巨神兵」をレビューしていこう。
「Figure-rise Standard Amplified -三幻神降臨-」で立体化したオベリスクの巨神兵(写真左)とラーの翼神竜(写真右)
「オベリスクの巨神兵」のカードは2000年にコナミから発売したゲームボーイカラー用ゲーム「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記」海馬デッキの購入者特典として収録された
(C)高橋和希 スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・NAS
(C)2000 Konami Digital Entertainment
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パーツ割りによる筋肉のディテールに驚嘆!細かい色分けによる立体的な表現
「Figure-rise Standard Amplified -三幻神降臨-オベリスクの巨神兵」パッケージ
まずはランナーを見ていこう。このサイズの「神」となるとパーツ数も圧巻である。多数のランナーに、ディテールが彫り込まれた大きなパーツがあることにワクワク感が止まらない。ぱっと見で青一色なのだが、青の感じが微妙に違うパーツがある。ランナーはA〜H、合計11枚とシールでボリューム感のある構成となっている。ラーの翼神竜と異なり、オベリスクの巨神兵には専用台座は付属しない。細かく見ていこう。
ランナーの時点で圧倒的な存在感を感じる「Figure-rise Standard Amplified -三幻神降臨-オベリスクの巨神兵」
Aランナーは脚や胸の筋肉を盛るパーツが主になっている。基本的にこの色がベースになっている。
巨体を支える足部分のパーツ。先も鋭くエッヂの効いた造形になっている。
肩と手のパーツ。2パターンの手が用意されているのでポージングによって使い分けができるようになっている。
とにかくデカい翼パーツ。後ほど大きさを見せていく。
顔周りの歯、宝玉。腹筋部分のパーツ。宝玉は微妙に濃い色となっている。
肩、腕まわりのパーツ群。細かい皮膚の皺などにこだわりを感じた。
翼の一部とジョイントパーツ類。太い作りのジョイントパーツとなっている。
関節などの内部パーツにも少し見える箇所には皺を作る徹底ぶり。
目のシール。予備として2枚付属している。
神の圧倒的威圧感をプラモデルで完全再現!
早速パーツを説明書通りに組み立てていく。筋肉のディテールと大きさによって神の強さを見事に再現していると感じた。微妙な青の違いが組み上がった際にどう見えるのかも期待してほしい。力こそ全て、圧倒的力で全てを破壊するオベリスクの巨神兵を完全に再現しているキットを早速組み立てていく。
顔パーツ全景。特徴的な歯と宝玉をはめ込んでいく。
余分な箇所を丁寧に切っていく。
槍のような攻撃的な頭部。歯の白と目の赤に力を感じる。
次はボディパーツを作っていく。工程のうちの1/3のパーツ量だ。
組み上げていくとこれで胸部のみになってしまう。顔よりも少し濃い青となっている。
腹部パーツ全景。ここは少し明るい青で表現されている。オベリスクの暴力的な腹筋を見事に再現している。
神の力強さを感じる出来となっている。
ボディパーツ最後のセクション。上記の2つのパーツを組み合わせていく。
作っていて思ったのだが、筋肉を盛るようにボディを組み上げた感覚になる。見事な逆三角形の体が完成する。
腰パーツ全景。ボディとは逆でシンプルな作りになっている。
腰完成。シンプルだが、ディテールにはしっかり拘っている。
次からは腕パーツ。まずは共通部分を作っていく。
腕部のゴツい棘が完成。ここも色の表現が効いている造形になっている。
腕パーツ全景。皺の表現に驚いてしまった。
腕完成。ジョイントにも筋が入っていて本当に細かい出来になっている。
肩周りと手。肩の大きさがすごいことになっている。
重ねて奥行き感とギミックを出している箇所になっている。
腕が完成。この隙のない筋の表現と自然な色使い。完成した時に思わずため息が出た。
次に脚部パーツ全景。ボールジョイントの大きさや脚の太さも特徴的だ。
巨大な足の爪で大きい体をしっかりと支える作りになっている。
つま先と足首の可動域がとても広い。
次に脛部分を作成する。豆のような特徴的な関節になっている。
ここが非常に強度のある作りになっている。
太ももはかなりのゴツさ。しっかりと筋肉を盛っていく。
最後に膝部分を作っていく。細かいがここも色が分かれていてコントラストを効かせている。
両足が完成。非常に複雑な筋繊維がまとわりついたようなディテールになっている。
ここまでの全パーツを並べてみた。プラモデルなのに生きているようなディテールに感動した。ここまで撮影しながらで大体3時間ほどの工程となった。
神に相応しいボリュームと可動域!存在感のある翼パーツ!
残りは翼パーツを作れば完成だ。作りはシンプルでラーの時より翼のボリュームは少ない印象だ。しかし大きさは圧巻で、ほとんど全長と同じ長さになっている。
まずは片方の翼のパーツ全景。サイズ感を出すためにニッパーと比べてみた。倍以上の大きさなのがわかる。
翼の外側から組み立てていく。可動ギミックもシンプルだ。
一番内側を組み立てて片側が完成。
両方を並べるとこのような立体感のある仕上がりになる。もちろん翼を広げることはできるが、ギミックについては後ほど紹介しよう。
再度完成パーツを並べたカットがこちら。翼の大きさもこれで伝わるだろう。
「オベリスクの巨神兵」が完成。モンスターではない!神だ!!
艶が抑えられた筋肉の強靭な鎧で覆われた姿で降臨したオベリスクの巨神兵。眺めているとアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』で「オベリスクの巨神兵」召喚時に流れるBGM「神の怒り」が脳内で流れ出すようだ。まずは一周見ていこう。
Figure-rise Standard Amplified -三幻神降臨-オベリスクの巨神兵
直立時の全高は235mmとなっている。数字以上にボリューム感と重量感を感じる仕上がりだ。翼を広げた時の全幅は420mmにもなる。巨体ながら各部の関節がしっかりとしており、ディスプレイスタンドがなくても自立する安定感が素晴らしい。次にアンプリファイドシリーズの特徴を見ていこう。
まずは胸部の開閉。ゴリゴリの筋肉がさらにビルドアップするように割れて強さを表現している。
腕の膨らみを増すような表現で太さを出している。ゴッドハンドクラッシャーを再現できる腕だ。
肩のボリュームも調整できるギミックを搭載している。中のレイヤーを出すことによって具合を調整できるようになっている。
最後に翼だ。広げた時の翼膜の細かさがものすごいリアリティだ。大きさも迫力がありダイナミック。
ギミックを全て展開させてみるとこのようになる。まさに強靭、無敵、最強なオベリスクの巨神兵を再現できてしまう。
どんなポーズもできる圧倒的バランス力!
プラモデルである以上カッコよく飾りたいと思うのだが、なかなか好きなポージングで固定させておくことは困難なことが多々ある。特に大型のキットだと関節の保持力が足りないといったことがままある。しかしこの「オベリスクの巨神兵」は可動域の広さもさることながら、足腰の関節のキープ力が凄まじく、思い通りのポージングでディスプレイすることができると感じた。
この大きさの翼がついていても自立する。
翼をあげてバランスを悪くしてもしっかりと2本の脚で立つことができる。
石盤背景のオベリスクのような膝をつくポーズも可能。
このように翼を大きく広げてポーズをとってみても少しS字立ちにするだけでどっしりと安定している。
片足立ちのアクションポーズでも自立できる。
ポージングについて確認したところで、最後にイメージカットを紹介しよう。ラーの翼神竜との共演や必殺技の「ゴッドハンドクラッシャー」で、オベリスクの巨神兵が圧倒的存在感を示す。
まずは上半身の寄り。神の風格を感じてから見ていこう。
ラーの翼神竜と並べても劣らぬ迫力と大きさだ。あとは真ん中に「オシリスの天空竜」が降臨すれば三幻神が集結する。
ラーと対峙したイメージ。神対神も再現できる。
巨大な拳から放たれる「ゴッドハンドクラッシャー」
陰影によってプラモデルらしからぬ肉感が浮かび上がる。
凄まじい筋肉表現!Amplifiedされたオベリスクの巨神兵は圧巻
今回のキットはディテールの高さと完成後の安定感が魅力だと感じた。プラスチックでありながら「オベリスクの巨神兵」のマッシブな肉感を見事に表現しているところが非常に素晴らしい。
各部の関節については、細かいジョイントの隙間も拘り抜いた設計が感じられる。ボディに手足を組み付けたときには、その重量感まで再現しているのではないかと錯覚するほどの完成度だった。各部の関節がしっかりしており接地性も良好なので、この巨体が片足立ちのような不安定な姿勢でも安定したポージングをとれる設計には驚いた。
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「オベリスクの巨神兵」は元々のデザインから筋骨隆々といった出で立ちだが、今回のFigure-rise Standard Amplifiedではそのマッシブなフォルムに磨きがかけられた。Figure-rise Standard Amplifiedシリーズでは「ラーの翼神竜」と「オベリスクの巨神兵」が揃ったので、残る三幻神「オシリスの天空竜」がどのようなアレンジで立体化されるのか、期待せざるをえない。