【HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II】
開発・発売元:BANDAI SPIRITS
発売日:2025年3月22日
価格:11,000円
ジャンル:プラモデル
サイズ:全高約270mm
今回レビューするのは「HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II」です。1985年3月にTV放送開始したアニメーション作品『機動戦士Zガンダム』に登場する巨大な可変モビルアーマーで人型のモビルスーツ形態に変形でき、その全高は約40mです。
その巨体から、1/144スケールキットにも関わらず全高は約270mmにも達します。変形機構まで備えた超大型キットということで、今回はレビューを前後編に分けてお送りします。前編となる本稿では、「サイコ・ガンダムMk-II」の解説からキットの概説、上半身完成までの内容を扱います。後編では下半身の組み立てと変形機構、各種ポージングをご紹介します。
劇中での「サイコ・ガンダムMk-II」は人工のニュータイプ=強化人間であるロザミア・バダムが搭乗。同じく強化人間のフォウ・ムラサメが搭乗した「サイコ・ガンダム」の後継機でもあります。全高約40mの巨体に精神感応制御機構である“サイコミュ”を搭載しておりニュータイプ、またはそれに順ずるパイロットが必要とされます。
サイコ・ガンダムMk-IIは全身に装備されたビーム砲やメガ粒子砲、両腕先端のビーム・ソード、リフレクター・ビットなど多数の火器を装備して単騎で敵勢力へ襲い掛かることができる脅威のマシーンとして描かれています。
『機動戦士Zガンダム』に登場した際はロザミア・バダムの精神が安定せず、持てる装備・機能を使い切ることなくカミーユ・ビダンのZガンダムに撃破され、その後アクシズ(ネオ・ジオン)軍が回収。続編の『機動戦士ガンダムZZ』で強化人間プルツーが搭乗してZZガンダムの前に立ちはだかり本来の性能を発揮します。
そんなサイコ・ガンダムMk-IIがついにHGキット化!前代機にあたる「HGUC 1/144 サイコガンダム」が2004年の発売でしたから実に21年後の後継機の登場となりました!当時はすぐにでも、もしくは2,3年後にも発売されるだろうと思っていたものですが『機動戦士Zガンダム』40周年に合わせるかのように2025年にキット化されました。そして同作の主要MS立体化のラストを飾るキットとなります。ついに揃った!
注目の機構、モビル・フォートレスへの変形はもちろん可能!大型キットの利点を生かして赤や黄色の各部のディテールもパーツで実現していてシールでのディテーリングは最小限に抑えられています。そして組みあがると約270mmとなる全高は1/144スケールでありながら一般的なモビルスーツの1/60スケール(全高約300mm)に近い大きさともなることから存在感はとてつもないものがあります。
今回「HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II」のキットをレビューできることになりました。Zガンダム系キット化ラストピースでもある「サイコ・ガンダムMk-II」はこれまでガンプラが培ってきた技術革新を注ぎ込まれてより素晴らしいキットに熟成していると思われます。ファンが(もちろん筆者も!)待ち焦がれていただろうキット内容を確認していきましょう。ついにこの時が来ました!
「HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II」のキット内容をチェック!
それではキットの内容をチェックしていきましょう。ランナーはA~N、BA-16、ACB-4A/B、ACB-BA、SB-11、SB-13の計34枚です。他にリード線2本、シール1枚、組立説明書が付属します。スタンドも数種類入っているとはいえさすがに大きな機体を実現するためパーツ数も多くなっていますね。各パーツは大きく成形されていますから組みやすさと剛性の確保にも貢献しているようです。
高密度なのに組みやすい!各部カラーディテールもパーツで実現
それでは早速「HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II」を組んでいきましょう。機体の特徴である巨大な体躯を1/144スケールで表現してもそれぞれのパーツが大きく設計されています。そのためとても組みやすい印象ですね。機体各部のカラーディテールはパーツで再現されるうれしい仕様ですが、それゆえ細かくならざるを得ないカラーパーツもありますから飛ばさないように注意したいところです。
巨大な胴体部は内部構造もびっしり!
胴体部は巨大なことはもとより、内部メカフレームも再現しているにもかかわらず組みやすくもあり剛性もあるのでパチピタですいすい組んでいける印象です。パーツの割り方やディテール等は現時点でのクオリティのガンプラキットであることは間違いありません!その分パーツ数自体は多いのでここでは4段階に分けて見ていきましょう。
続いて胴体部・前面装甲部を組んでいきます。サイコ・ガンダムという機体がモビル・フォートレス形態になるときは前面装甲部ががばっと前に押し出され、まさに“フォートレス=要塞”のような形状になります。
キットでもこの特徴を再現。メカフレームに可動機構のアームなどを備えてスムーズな動きを実現しています。腹部の大型メガ粒子砲や各部のカラーディテールも細かくパーツ分けされています。
特徴的な肩アーマーを組んでいきます。肩アーマーといいつつも胴体部に可動基部を持ち、モビル・フォートレス形態時に側面から立ち上がり頭部をカバーするものでもあります。可動させるとノズルが現れ、機動性能を高めます。キットでは肩アーマー自体も3パーツで構成され、エネルギーパイプも別パーツ化されています。
胴体・背面部を組んでいきます。背面の装甲と、モビル・フォートレス形態時に頭部を保護する大きいカバーがあります。カバーへの動力パイプの構造が理解できて楽しい部分ですね!カバーには大きいカラーディテールパーツや頭部を直接覆う部分のカバーの可動機構もあります。
腕部は指先も1本ずつ可動するなどギミック盛りだくさん!
腕部は太くマッシブなシェイプであるとともに複雑な可動機構を持っています。肩アーマーは90度正面を向くための凝った組み方をします。肘関節もガンプラならではの多重関節を構成、大きな可動域を確保しています。手首は内側に曲がることで露出し、その部分は巨大なビーム・ソード発生器にもなっており、ビームエフェクトが取り付けられるようになっています。
前腕はワイヤーによる有線式サイコミュ端末となっていて前述のビーム・ソードやハンドの指の先からビームを放てる移動砲台ともなる装備です。キットでもその機構を再現可能であり、大型キットの利点を生かして指もそれぞれ可動させられます。ハンド状態やビーム放出の状態もかなりの表情がつけられます。
前編はここまで!
ここまで「HG 1/144 サイコ・ガンダムMk-II」の組み立てはいかがだったでしょうか。前編は上半身までの組み立てでしたがモビル・フォートレス形態への変形も考慮されつつ各部ディテールもカラーパーツで実現していたり、ガンプラが積み重ねた技術をいかんなく発揮しているところだと感じられたと思います。
まだ上半身だけしか組みあがっていませんが、大きいパーツはぐにゃぐにゃすることもなく剛性も問題なくて組んでいて安心感がありました。メカディテールも過不足ない感じで他のZガンダム系HGキットと並べても遜色なく、機体が持つ凶悪さも表現されているように感じました。
後編では脚部と腰部で構成される下半身と、シールドやリフレクター・ビットといった装備類、スタンド類の組み立てとなります。現在のガンプラの基準で設計されているので可変機構や全身の可動性能の確認も完成後の楽しみとなってきましたね。それでは後編をお楽しみに!