【HG 超竜神】
発売元:BANDAI SPIRITS
価格:6,600円
発売日:2025年1月25日
ジャンル:プラモデル
サイズ:[氷竜、炎竜時] 全高約125mm
[超竜神時] 全高約155mm
勇者シリーズ第8作目として1997年に放送された「勇者王ガオガイガー」。BANDAI SPIRITSのプラモデルシリーズでは、2019年から商品化がスタートし、2022年に「RG ガオガイガー」「RG ゴルディーマーグ」が発売しました。さらなるキット化が期待されるなか、2025年1月25日に最新作「HG 超竜神」の発売が決定。本稿では、プラモデル「HG 超竜神」の魅力を素組みで紹介します。
GGG機動部隊に所属するビークルロボ
「超竜神」は、「勇者王ガオガイガー」に登場するビークルロボです。ガオガイガーのサポートを目的に開発され、氷竜を始めとした各種ビークルロボには超AIが搭載されており、互いにそれぞれを兄弟姉妹として認識しています。その特徴として、AI同調値が90%以上に高まることで「シンメトリカルドッキング」と呼ばれる合体を行い、パワーアップが可能です。
HGブランドを意識した組み換え変形による可動域、プロポーションを重視したキット構成
1990年にスタートした「勇者シリーズ」のなかでも「勇者王ガオガイガー」は特に人気が高く、今日までさまざまなグッズが発売されてきました。本記事にて紹介する「HG 超竜神」の構成はこれまでのHGシリーズのキットと同様に差し替え変形を採用したプロポーション重視のキット構成となっています。差し替え変形を多用することで超竜神の可動域、プロポーションを損なうことなく完成品を楽しむことが可能です。
少ないパーツ分割で組み立てやすさも考慮されたパーツ構成
最初にキットのランナーから見ていきます。本キットのランナーは氷竜と炎竜にて共通形状となるパーツには同一形状のランナーを使用することで組み立てやすさを向上させる配慮がされています。
組み立ては氷竜、炎竜から行います。氷竜と炎竜の制作工程は共通部分も多くあるため、炎竜の工程は氷竜と異なる部分のみ紹介していきます。
表情パーツが交換可能となった頭部パーツ
頭部パーツは差し替え式によって表情を変更することが可能です。表情パーツは氷竜と炎竜で共通形状になっており、頭部形状は額のエンブレムが異なる他、外形は氷竜と炎竜で左右対称形状となっています。また、額のエンブレムはプラスチックシールにより光沢仕上げとなっています。
チェストスリラー、チェストウォーマーが展開可能な胴体パーツ
胴体パーツは氷竜と炎竜で対称形状となっており、内部モールドも形状が異なっています。また、胸部パネルの色分けはシールによる色分けとなっています。
伸縮ギミックを有した腕部パーツ
腕部パーツは氷竜と炎竜で共通形状となっておりカラーのみ異なります。腕部はアニメと同様に伸縮ギミックを有し、ハンドパーツは武器持ち手が1種類のみ付属します。また、腕部の黒ラインはシールによる色分けとなっています。なお、腕部に取り付けられる車輪パーツは組み立て後に回転させることが可能です。
プラスチックシールにて窓部分が光沢に仕上がる脚部パーツ。
脚部パーツはビークルモード時に窓となる部分がプラスチックシールによる色分けとなっています。膝パーツ等のパトランプ部分はクリアレッドにて成型されています。また、足首の接続はボールジョイントとなっていますが変形時の差し替えのため、軸孔にボールを差し込む接続となっています。なお、脚部の車輪も腕部の車輪と同様に組み立て後回転させることが可能です。
左右で独立可動可能なフロントアーマーを持つ腰部パーツ
腰部パーツのフロントアーマーは軸接続となっていますが、左右で接続ジョイントが分割してあるため、無加工でも左右独立可動が可能となっています。また、サイドアーマーはボールジョイントによる接続となっているため軸接続と違いあらゆる角度に調節することが可能です。このことから脚部の角度にかかわらず最適な位置にサイドアーマーの角度を調整することが可能です。なお、炎竜の腰部パーツも氷竜と同一形状となっています。
グリップ展開および伸縮ギミックのあるフリージングライフルとメルティングライフル
氷竜、炎竜の大型武装となるフリージングライフルとメルティングライフルはパーツ分割こそ近いものがあるものの、氷竜、炎竜に合わせた形状となっています。氷竜の装備するフリージングライフルは先端のトラマークがパーツ分割による色分けとなっており、クレーンフックは関節部より輝度の高いシルバーで成型されています。
炎竜のメルティングライフルは氷竜のフリージングライフルと違い、先端部銃口の角度が変更できるようになっています。
各機体に合わせてモールドが変更されているフリージングガンとメルティングガン
本機の小型武装となるフリージングガンとメルティングガンの外観は同一であるものの、モールド形状が異なるデザインとなっており設定を忠実に再現しています。銃本体側面のグレー部分はシールによる色分けとなっていますが立体モールド上にシールを貼るため、綿棒や爪楊枝等でモールドに沿わせることで立体的に仕上がります。
輝度の高いシルバーで成型されたミラーシールド
炎竜には氷竜にない装備として、ミラーシールドがあります。ミラーシールドは、フリージングライフルのフックと同様に輝度の高いシルバーにて成型されています。ミラーシールドのグリップ部分はスイング可動が再現されており、保持した際に自由に角度を調整できます。
これにて氷竜、炎竜を構成するパーツは完成です。各部を一体化して、ここからはビークルモード時使用するパーツを組み立てていきます。
組み立て後半。ビークルモード、超竜神用の差し替えパーツをつくる
ビークルモード正面の印象を引き締める差し替えパーツ
氷竜、炎竜のビークルモードでは、変形時の形状を重視した各部差し替えパーツを使用します。氷竜ではビークル正面、フレーム、クレーン運転席(超竜神時の頭部背面およびバックパック)を組み立てます。各部窓にはプラスチックシールが採用され、光沢仕上げとなります。炎竜のビークルモード差し替えパーツは一部氷竜と同一形状ですが、クレーン運転席にあたるパーツはありません。
ビークルモード時の差し替えパーツは完成です。最後に超竜神合体時の差し替えパーツを組み立てます。
超竜神のプロポーションを向上させる差し替えパーツ
超竜神の頭部パーツは氷竜、炎竜と同様にアイの部分もパーツ分割による色分けとなっています。また、額のエンブレム部分はシール等による色分けではなく、クリアグリーンによるパーツ分割となっています。なお、頭部背面のキャノピー塗分けは通常シールによる色分けとなっています。
超竜神の胴体部は胸部に取り付けるミラーシールド以外は全て差し替えパーツによる再現となっています。超竜神は右半身が氷竜、左半身が炎竜となるので注意が必要です。
超竜神の腰部は前後左右のアーマーパーツが可動できるパーツ分割となっています。サイドアーマー部のフリージングライフル、メルティングライフル接続軸はモールドが施されています。
これにて超竜神上半身の差し替えパーツは完成です。一体化して上半身を完成させます。
ここからは腕部の組み立てです。腕部は超竜神形態でのプロポーションと可動域確保のため、フリージングガン、メルティングガンの変形ではなく専用パーツを作成します。専用パーツ化することで腕部に厚みを持たせることができています。
超竜神の大腿部は差し替えパーツ、脛部分は氷竜、炎竜の上半身を使用します。膝関節の可動は変形の影響を受けず、可動域を確保しています。
これにて超竜神を構成するパーツは全て完成です。ここからは完成した氷竜、炎竜から見ていきましょう。
各スタイルで最高のプロポーションを備えた超竜神
最初に氷竜と炎竜を前後左右から見てみます。一部差し換えパーツによる変形ではあるものの変形機構を有しているとは思えないかっこいいプロポーションをしています。
氷竜および炎竜の胸部パネルは開閉可能となっており、チェストスリラー、チェストウォーマー発動を再現可能です。
フリージングライフルおよび、メルティングライフルは背面装備状態とハンドパーツ保持状態が選択して再現可能です。
各々展示する際のポージングに合わせてアクションベースを使用することが可能です。アクションベース使用時は股関節のジョイント接続孔にアクションベースを接続します。
ここからは氷竜および炎竜をシステムチェンジさせてビークルモードに変形させていきます。本キットの変形は差し替え変形を採用しているため、アニメ通りの完全変形とはいきませんが、その分プロポーションの再現度を高めています。今回は氷竜を使用してシステムチェンジの工程を紹介します。
氷竜のシステムチェンジは前述した差し替え用パーツを使用して行います。この際、頭部、バックパック、ハンドパーツ、足部、フリージングガンはあまりパーツとなります。
胴体部および腕部のシステムチェンジは腕部をアニメと同様に腕部を縮め、胴体を180度回転させます。その後、専用フレームパーツで各部を接続しシステムチェンジ完了となります。
脚部のシステムチェンジは足部を取り外し、膝関節をアニメと同様に折りたたんだ後フロントガラスパーツで左右を一体化します。
これにて各部パーツのシステムチェンジは完了です。一体化してビークルモードを完成させます。
なお、説明書に記載はありませんでしたが劇中で登場したセミビークルモードも再現可能です。ただし、重心が後ろに寄ってしまうためメルティングライフル等を持つことで銃身を調整する必要があります。
最後にシンメトリカルドッキングを行い、超竜神にしていきます。超竜神へのシンメトリカルドッキングは腕部パーツと胴体パーツの一部、脛パーツの一部を使用して変形を行います。
これにて氷竜と炎竜の変形は完了です。各部を合体させて超竜神を完成させます。
シンメトリカルドッキングが完了した超竜神は一回り大型化し、より迫力のあるプロポーションとなります。また、パーツのほとんどが超竜神専用差し替えパーツを使用した変形のため変形機構の影響による形状の破綻がなく、超竜神のスタイルを余すことなく堪能することが可能です。
今回紹介した「HG 超竜神」は組み立てやすさとプロポーションを両立させたキットでした。氷竜および炎竜は肩関節において変形とアクション両方に活用できる接続軸が採用されている他、セミビークルモードを含めた3段変形が可能となっているなど、シンメトリカルドッキングを含めさまざまな遊び方が可能となっていました。
超竜神への変形は思い切った差し替え変形とすることで各モードにおいてベストなプロポーションを再現することができたキットだと思います。また、超竜神は本体のほとんどが差し替えパーツとなっている恩恵でアクションポーズをさせた際に、各部の関節が問題なく可動し、思い通りのポージングが可能でした。
超竜神には専用のメガトンツール「イレイザーヘッド」や「ペンシルランチャー」といった専用ツールも劇中には登場していました。こうしたオプションの立体化も含め、「勇者王ガオガイガー」シリーズのさらなるプラモデル化に期待したいところです。