2021年2月下旬に発売となったメガハウスの「ゲームピースコレクション DARK SOULS 上級騎士＆混沌の魔女クラーグ」。
ゲームピースとしても楽しめるミニフィギュアキットとしてファンの期待値も高い商品ですが、今回はキットを幅広く楽しむために、自分の感性で塗装したものを紹介します。
商品内容は、このようなパーツ（ランナー）になっています。完成すると全長20センチ超えの立体物となりますが、複雑な手足の形状を持つキャラクターのキットの割には、かなり抑えられたパーツ数となっているのがわかりますよね。組立自体も難しさを感じさせない好キットといえるでしょう。
で、早速塗ってみました。編集部からは、「好きに塗ってください」というお話だったので、あえて原作の持つ雰囲気にならないような意識を持ちつつ、マイコンセプトでの世界観を打ち出してみました。
まず、原作ゲームのことを一旦脳味噌から削除して、純粋な立体物としてみたときに、怪物の頭頂部にいるクラーグお姉さまの造形が、どことなく東洋人ぽく見えるので、今回の仕上げは“和風テイスト”でまとめてみようと思い立ちました。
そして、黒髪のお姉さまに似合うのは何色の身体（怪物部の）がよいのだろうと考え、「和テイストなら、日本の縁起物に多い金色だな」と勝手な結論を出し（笑）、本体を金色で塗装。塗ってみたは良いけれど、金色だけだとあまりに単調なので、金色地に合うマーキング（？）を施してみようと赤い勾玉といいますか、雲形ラインといいますか――不規則な模様を入れてみました。（本当は、梵字を入れていこうと思ったのですが、梵字を書くにはその知識がないし、これに合うような小さな梵字のデカールとかなかったもので……（汗）。
顔については、原作ゲームでは西洋のファンタジー的なクリーチャーだったので、和テイストにするなら“妖怪”にしよう！ という方向で仕上げてみました。
私自身、クリーチャーと妖怪の徹底的な違いは、やはり“愛嬌があるかないか”だろうという概念を持っているので、目を目玉という表現にすることで表情が生まれて、どこかキモかわいい感じになるのでなないかと思い、たくさんの目玉を描き込んでみました（笑）。
背面部は――
特徴的なハリネズミのようなトゲ状の毛並み（？）は、トゲでもなく体毛でもないイメージを出すために、和風装飾ではよく使われる紫色を主体に、ブルーとのグラデーションで仕上げてみました。
また、後ろ足の体表表現には、少し前にネットモデラーたちの間で流行った、綿や不織布などを使った大理石風塗装の応用で、気持ちの悪い蛇紋的表現を施しています。
そして、体から発する炎パーツは、燃え盛る赤というより、人魂などを思わせる青い炎でまとめてみました。
見方によっては、炎にも水のようなものにも見える青い塗装はいかがでしょうか？
さてさて、本商品には主人公たる上級騎士も付属します。
こちらもやはり和風テイストでまとめようと、武者の鎧を意識した朱色と黒の漆塗り風カラーリングを施してみました。本来だと、各部にシェードやドライブラシなどで陰影を強調するのが雰囲気が出てよいのですが、それでは漆塗りっぽさがなくなってしまうので、あえて単調な仕上げにしています。
盾には、細かく美しいモールドが入っているので、丁寧に塗り分けてやると引き締まった趣の仕上げができるでしょう。
ということで、今回は自分の好きなイメージでキャラクターを塗装する作例に挑戦してみましたが、いかがでしたでしょうか？ 結局仕上げ終わってみると、西洋風＞和風、暗い体色＞明るい金色の体、青い騎士の鎧＞赤い鎧――と、単純に原作の逆になっただけだったことに気がついて、なんともお恥ずかしい次第なのですが、このような試みも完成品ではなく、キットだからこそできる楽しみ方なのだとつくづく感じることができ、愉しい作業となりました。みなさんもぜひ、自分ならではの塗装でこの上級騎士と魔女クラーグを仕上げてゲームピースとして使用したら、ボードゲームも一層盛り上がること請け合いです。
